雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「青い海の伝説」第4話⑬







韓国ドラマ「青い海の伝説」第4話⑬
Korean drama "The Legend of the Blue Sea" Episode 4 ⑬
 

第4話⑫
 

 シムチョンは二階の部屋からジュンジェにお礼を言った。
「ありがとう」
 ベッドの上に身体を投げ出したまま、ジュンジェはシムチョンを見た。
「ありがたいだろ…いいから、さっさと寝ろ」
「分かった」
 ジュンジェは部屋の明かりを消す。シムチョンの部屋の明かりも一緒に消えた。
 部屋が消えるとシムちゃんはルンルン気分で自分のベッドへと移動する。
 二人ともぐっすり寝て朝が来た。

★★★


 ジュンジェとシムチョンが寝入った頃に雨が降り出した。
 車を尾行してジュンジェに行方を眩まされたマ・デヨンだったが、
雨の降る中を歩き回ってジュンジェの隠れ家を探し続けた。ソウルタワーの間近に見える場所なのを確認し、満足そうな笑みを残して引き上げていった。

 雨音を聞きながら目覚めたシムチョンは急いでベッドから抜け出た。階下につながる戸をあけてジュンジェを起こす。
「朝よ。ご飯をたべなきゃ」
 目を覚ましたジュンジェはシムチョンの顔を見るや嫌そうに掛け布団を顔に被った。
 リビングルームに出てきたシムチョンは炊飯器のメッセージとやりとりを交わしている。
 シムチョンを横目に見てジュンジェはつぶやく。
「騒がしい女だ…」
 まな板できゅうりを切っているとナムドゥも起きてくる。
「賑やかでいいな」
 冷蔵庫をあけてナムドゥが訊く。
「牛乳はどこいった?」
「こいつが腹減ったと全部飲んだ」とジュンジェ。
「金がかかりそうだな」
「何言ってる。喜んでたくせに」
 床で何かが唸り出してシムチョンは悲鳴を上げる。ナムドゥが何かを蹴ったらしい。
「俺にも間違いはある」
 ナムドゥは言った。

「ミョンソン新聞です。ご購読いただけませんか」
 マ・デヨンはジュンジェの隠れ家探しでしらみつぶしの作戦に出ていた。新聞の勧誘員として片っ端に家を訪問して回るのだ。
「すみません。うちは間に合ってます」
 マ・デヨンが新聞勧誘を続ける背中を見ながらジュンジェの車が走り過ぎる。
 家々の玄関ドアを朝から強引に叩くマ・デヨンの訪問勧誘はついに怒りを買った。
 ごつい身体の男がドアを引いて顔を出した。
「朝っぱらから何だ。勧誘で人を起こしたのか?」
 と怒鳴りつけて引っ込んだ。
 彼が玄関に×印をつけようとしていたら、ごつい身体の男がまた顔を出した。
「そこで何書いてるんだ? こそ泥か?」
 マ・デヨンは平然と身体のごつい男を見つめ返している。
「クズやろうが、ただじゃ置かないぞ、こいつが…まったく」
 男は携帯を取り出して操作しだす。
 マ・デヨンはサングラスを外した。帽子も取る。
「何だ? 俺に文句でもあるのか?」
 マ・デヨンは不敵な顔になった。





 ジュンジェはデパートの婦人服売り場に立っていた。
 今まで気にもしなかった場所なのに、見たことのない売り場の光景が連続写真のように次々脳内で立ち上がってくる。婦人服だけでなく婦人靴のコーナーまでフラッシュで炊いたように浮かび上がった。
 ジュンジェはそんな自分を訝しんだ。
「海に飛び込んだ時、頭を打ったようだな…」
 目をつぶった。
「間違いない」
 ジュンジェはエレベーターの前に立った。そこでもデパートのいろんな場面が連続写真となって押し寄せる。
「何なんだこれは…?」
 ジュンジェは車を走らせる。雨音を聞き、ワイパーの規則正しい動きを目にしながら、目の奥では自転車や赤い車、海岸線の道路と風景、海の中でもがく自分の姿までが一連の動きでつながりだしてきて…
 その時、電話が鳴った。
「もしもし…」
「今すぐ車を止めろ。止めろ止めろ」
「何?」
「前を見ろ」
 ジュンジェは車のブレーキを踏んだ。
 目をこらすと前方でフラッシャー合図灯を握った警察が繰りだし、検問を行っている。
 車を止めるとナムドゥがそばに走りよってくる。
 ジュンジェは車の窓を開けた。
「どうした?」
「隣の家で殺人事件が起きた」
「何だって?」
「引き返せ。ホン刑事が来てる。ホン刑事。お前を追ってる刑事だ。お前の顔も知ってる」
 ジュンジェは雨具を被った連中にホン刑事がいるのに気付いた。
「早くしろ」
 ナムドゥが急かす。
「家にはシムチョンが一人でいる」
「少しくらい平気だよ。早くしろ。ぐずぐずしてると怪しまれる」

 雨が降りしきる中、ホン刑事は同僚に言った。
「捜査網を広げよう」
「何言ってる。お前の管轄区域じゃないだろ」
「凶器は釘とハンマーだぞ。明らかにマ・デヨンの犯行だ。広げた方がいい」
「凶器だけでマ・デヨンと判断するな。被害者は金融業者だ。怨恨殺人だよ」
「まだ分からないだろ。とにかく協力してくれ。違ってたら手を引くから」
「…まったく」
 同僚はしぶしぶ応じる。



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