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韓国ドラマ「病院船」から(連載210)
「病院船」最終話➡好きだから①
★★★
海上警察も高速艇を飛ばして現場に向かう。
ウンジェは他にも何かあると見て、負傷者のズボンをハサミで切った。足元を見た。
膨らんだ足元を見て連れの男は驚く。
「何だ! ひどく腫れてる。骨折では?」
「患者さん」
ウンジェは声をかけた。
「患者さん!」
ウンジェは足元を手で押さえて訊ねた。
「ここ、感覚ありますか?」
患者はかすかに首を横に振る。
「いったい、何ですか? どうしたんです」
連れの男は不安そうにした。
ウンジェは答えた。
「麻痺してるんです」
「麻痺って…もう歩けないのですか?」
「一時的なものでしょう」
「何でそんなことに」
「急性コンパートメント症候群です。落下の衝撃で筋肉に血がたまったんです」
連れの男は嘆息する。
ウンジェは言った。
「病院船に搬送します」
スタッフは負傷者を担架に乗せ、斜面を上った。
★★★
ウンジェはヒョンと2人で腹部の手術を行った。
次に脚の手術を残している。
手洗い場にやってきたウンジェは左足の膝を押さえた。救急で出向いて車から降りた際の衝撃で痛めた膝である。
ウンジェの気にする仕草に後ろからついてきたヒョンが訊ねた。
「どうした? 大丈夫だと言ってたのに、また痛むのか?」
「車から降りた時、ちょっと挫いただけよ」
「見せて」
「大丈夫よ」
ヒョンはウンジェを心配そうに見上げる。
「平気だってば」
「ほんとに大丈夫? 手術できる?」
「代わりにやってくれる?」
ウンジェは笑って言った。
「まったく…困ったもんだ」
ヒョンも呆れて笑い返す。
「心配しないで。少し疼くだけだから」
ウンジェのヒョンのコンビは脚の手術に入った。
脚の膨らみにメスを入れ、筋肉の隙間に流れ込んだ血液を吸引する。
手術器具で吸引漏れがないかを確認しながら、ウンジェは時おり痛む膝を気にした。我慢できずに浮かせたりした。
このことにアリムも気付いた。
そして手術は終わった。ヒョンとウンジェが手術室から出てくる。
患者の連れはウンジェに訊ねた。
「手術はどうでしたか?」
ウンジェは笑顔を彼に向けた。
「無事に終わりました」
手術が終えるのを待っていた海上警察のスタッフにも声をかけた。
「患者を移送してください」
「わかりました」
連れの男はお礼に言葉を繰り返す。
「ほんとにありがとうございます」
ヒョンは連れの男を中へ誘った。
ウンジェはヒョンに笑顔を投げ、更衣室に向かった。
ヒョンは歩いていくウンジェの足元を観察する。
足は引きずらず、普通に歩いて行くのだが、ヒョンはそれが気になって仕方がない。ウンジェの気性を知っているからなおさらだった。
椅子に腰をおろしたウンジェは脚を伸ばした。手をあてがい、あちこちを指で押さえる。
そこへアリムがやってきた。
「コーヒーを召し上がれ」
ひとつをウンジェのデスクの上に置く。パンツをたくしあげた
ウンジェの脚に目をやる。
「脚がまだ痛むんですか?」
「そうなの」
「キム先生に鍼を打ってもらえばすぐ治りますよ」
「さあ…」
「嫌ですか?」
ウンジェはアリムを見た。
「湿布を何枚か持ってきて」
アリムの表情は曇った。
「…X線を撮ってみては? 少し腫れているようです」
ウンジェは脚をシャンと伸ばす。
「腫れてないわ」
「ヒビでも入っていたらどうします? 悪化したら病院船の患者の手術は誰がやるんです?」
ウンジェはアリムを見つめ返す。納得の顔になる。軽い乗りで頷く。
「じゃあ、撮ってみようか」
アリムは呆れた。笑いながら言った。
「大好きな”手術”のためなら撮る気になるんですね」
「アリム先生」
ウンジェはむっとなる。アリムの笑いは停止する。
「支えましょうか?」
「結構よ」
「では」
アリムは茶目っ気を出す。
「クァク先生を呼びましょうか?」
ウンジェは咳払いする。
「なぜクァク先生を?」
アリムは惚けた。頭髪に手をやった。
「さあ、なぜかしら…」