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安堵も苦さもある大会だった(キムヨナ→NRW杯)



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【ドルトムント聯合ニュース】フィギュアスケートのバンクーバー五輪女子金メダリストのキム・ヨナが、1年8カ月ぶりとなる復帰戦で今季最高点をマークし、華やかに復活した。

 キムは9日、ドイツ・ドルトムントで行われた国際大会・NRW杯のフリーで129.34点を出し、前日のショートプログラム(SP、72.27点)との合計で201.61点を記録した。2位選手(159.01点)に大差をつけ、バンクーバー五輪以来の優勝を飾った。来年の世界選手権の出場資格となる技術点の最低ラインもクリアした。

 この記録は、浅田真央が前日のグランプリ(GP)ファイナルで出した今季の女子シングル最高点(196.80点)を上回る。

 キムはフリー後半、コンビネーションジャンプなどでミスがあったものの、動揺することなく演技をまとめ、観客から大きな拍手と歓声を送られた。スコアが表示されると、期待以上の点数だったのか、明るい笑みを浮かべた。

 キム・ヨナは「周りが賞賛してくれる分だけ、さらに努力しなければならない。集中して練習に臨む」と話した。課題については、「復帰後初の大会だったので、ステップやスピンをしっかりとできなかった」と振り返った。
(フィギュアスケートニュースより)

 キムヨナの演技(NRW杯)が終わった。
 彼女にとっては安堵も苦さもある大会となったのではないか。
 GPファイナルに比べると地味な大会のはずだったが、世界中のマスコミやフィギュアファンから予想以上の注目を浴びたからだ。
 このステージで彼女のSPを見終わった時、本来の調子に近づいているのではないか。SPは次のフリーに備え後半は流したのだろう。
 そう思ったのは、演技を行った後、最後のフィニッシュで観客へのアピールもそこそこに切り上げたからである。試合に全力を出し切ればアピールもしっかり行うのが選手の自負心というものだからだ。
 だから、流した演技なのだ、と僕は見ていた。しかし、そうではなかった。彼女はショートの演技で予想以上に疲れてしまったのだ。フリーを見終わってからそう思い至った。
 NRW杯はキムヨナにとって世界選手権への切符さえ手に入れればいい大会だ。ここに出るのを目指している選手ならともかく、彼女の技術ならそう踏ん張らずともこれを果たせる。このへんは本人が一番分かっていたはずである。
 したがって彼女はここではなく、まだ先の世界選手権を見据えて練習を続けていた。しかし試合へのモチベーションもなかなか上がってこない。そうするうちに大会の日は見る見る迫り、気がついたら試合に突入していた、というのが彼女の実情だったのではあるまいか。
 
 SPは悪い演技ではなかった。
 しかし、フリーの演技は体力の課題が露出してしまった。後半は体力を使い果たしてスピードが落ちた。前半を抑えていたにもかかわらず、いわゆる膝が笑う状態で彼女は後半の演技を続けるほかなかった。転倒したジャンプなど膝のバネがほとんど残ってなかった。この後はもうダメなんじゃないかと僕は思った。しかし、彼女はくじけなかった。最後のダブルアクセルやスピンを見て僕はそこに光明を見出した。ここだけでなく世界選手権の試合も彼女はこの演技に重ねている。決してあきらめてなどいない。彼女のモチベーションは今も確実に高まり続けている、と。
 見た目には試合でフリーをこなす体力を彼女はまだ戻しきれていなかった。 
 しかし、これを最後までやりきって、全体の演技の感触を彼女はしっかり確保しきれたであろう。
 キスクラでの彼女のくつろいだ姿と笑顔はすでに次に向かっているように感じられた。
 
 世界選手権でその成果を見せてもらおう。
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