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韓国ドラマ「病院船」から(連載154)
「病院船」第14話➡友の思い⑩
★★★
ヨンウンに電話のつながらなかったヒョンは、本来の仕事に戻っていた。
ジェゴルも韓方の医書に読み耽っている。背後の二段ベッドの上ではジュニョンが寝息を立てている。
ウンジェは寝付けないで何度も寝返りを打った。
「”船長はバン・ソンウ。他17名”18人乗ってるってことだな」
ジョンホはそっと非常ベルを押そうとする。サブリーダーが気づいた。ジョンホに蹴りを入れた。
「この野郎、救助要請でもするつもりか?」
無線機が鳴った。
サブリーダーは応じる。
「操舵室を占拠した。動け」
「分かりました」
「分かりました」
見知らぬ男の侵入にミヒャンは悲鳴を上げた。次の瞬間、ヤン・チュノは銃の一撃を頭に食らった。
★★★
駆け寄り、ヤン・チュノを助け起こそうとするミヒャンに男は銃を向けて言った。
「縛れ」
怯えるミヒャンに男は叫ぶ。
「早くしろ」
と同時に蹴りがチュノに入る。ミヒャンの悲鳴とともにチュノは倒れた。
船内の異変を感じてヒョンは立ち上がる。何者かが侵入して来たらしい。ヒョンは電灯を消して息をひそめる。
男はチュノらを膝間づかせてミヒャンに命令した。
「さっさと縛れ」
ビクッとしてミヒャンはチュノを見る。チュノは頷く。
ミヒャンは泣きながらチュノの両手を縛った。
息をひそめていたヒョンは見つかり、船長も事務長もウンジェも見つかった。全員見つかって一か所に集められた。
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一味のサブリーダーは切り出した。
「ソン・ウンジェ」
みんな黙っている。
「ソン・ウンジェはどこにいる?」
配下の男が携帯を見せた。
顔を上げたサブリーダーの目線はウンジェを直撃する。前にいるゴウンに足が飛ぶ。悲鳴が上がる。
「ピヨさん、大丈夫ですか?」と事務長。
「ゴウンさん…」とウンジェ。
「ソン・ウンジェ先生」
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サブリーダーはしゃがみ込んだ。銃で顎を起こす。
「実物の方がきれいじゃないか」
「…」
「お前は名医だそうだな。手術してもらおう。連れていけ」
サブリーダーは立ち上がる。
「早く」
蹴りが入る。ウンジェはやむなく立ち上がる。
「待て」
ヒョンも立ち上がった。
サブリーダーは銃を撃つ。悲鳴が上がる。
目をあけたウンジェはヒョンを見た。
交番の前に立つ警察官の1人が言った。
「何か音がしたぞ」
「音? 何の?」
切り出した警察官は病院船の方角を見た。
「あっちから聞こえた」
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サブリーダーの撃った銃弾は丸窓横の壁を打ち抜き、悲鳴が飛び交った。
銃弾の穴を見て振り向いたヒョンは訊ねた。
「手術がすぐに必要な患者がいると?」
「そうだ」
銃を向けたままサブリーダーは応える。
「簡単な手術でも一人では無理だ」
「それで?」
「私も一緒に行く」
「お前は誰だ? 医者か?」
ヒョンが頷くと、サブリーダーは配下に確認を促す。配下は壁のボードでヒョンの職務を確認する。
「内科医のクァク・ヒョンです」
「なら、連れて行け」
ヒョンを見たウンジェを配下がはがすように引っ張りだす。悲鳴が起こる中、ヒョンは自ら彼らに従った。