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韓国ドラマ「病院船」から(連載149)
「病院船」第14話➡友の思い⑤
★★★
ジウンは記憶の中にある父を今の父に重ねた。
「私も―一緒に遊んでもいい?」
「いいよ。娘は神経質だから大事に扱ってくれ。傷つけたら―娘にひどい目に遭わされるかも…」
これを傷つけたら…6歳の自分が今の自分に怒る―ジウンは涙ながらに笑いを返す。
「気をつけます…」
クァク・ソンは赤いのをジウンに握らせた。
一緒にシャボン玉を飛ばした。
クァク・ソンはジウンに言った。
「銃からシャボン玉が出るとは不思議だな…だろ?」
「そうですね。世の中のすべての銃が…バブルガンだったら、父さんは戦場に行かずにすんだのに」
涙を浮かべてジウンは言った。
クァク・ソンは訊ねた。
「父さんは…戦場に行ったのか?」
ジウンは頷く。
「会いたいか?」
父親を見て頷いた後、ジウンは大きな声で泣き出した。
クァク・ソンはそっとジウンの肩を抱く。その手を握ってジウンは泣き続けた。
2人を見ていたイ・スギョンも涙を誘われて泣いた。
ヒョンはそこに駆け付けてきた。泣いている母親の手を取る。スギョンはヒョンの腕の中で子供のように泣きじゃくった。
★★★
グンヒは手術の眠りから覚めた。
それに気づいてオンジャが立ち上がる。
「気が付いた?」
「ここはどこ?」とグンヒ。
「病院よ」
「…」
グンヒは身体を起こそうとする。オンジャが背中に腕を回して助けた。
「覚えてないの?」
グンヒはため息をつく。
「先生があんたをおぶって病院船に連れて行ったのよ」
グンヒは頷く。
「そうだ…そうだったわ」
「思い出した? みんな思い出した?」
うんうん、とグンヒ。
「本当に不思議だわ」
オンジャはチュンスンを見た。
「認知症になったと思ったのに…今は元のグンジャに戻ってる」
とグンジャを向き直った。
「だから何?」とチャンスン。「不満なの?」
「何言ってるの」とオンジャ。「大丈夫?」
チョンスンはグンヒを見た。
「自分の身体も守れないなんて、こんなザマで大丈夫なわけない」
「人のことが言える?」とグンヒ。「あんたも入院してるんでしょ」
2人は入院用の寝間着姿だった。
チョンスンが何も言えないでいるとグンヒはクスっと笑った。
「ごめんなさい。ごめん、チュンスン」
「何が?」
「友達が入院してるのに顔も出さなかった」
「いいってば」
「私はね…怖かったんだ」
「…」
「怖かったから、知らんぷりしたの。明日は我が身だと思うと―怖くて。実はね…私、ソウルで暮らしてないの」
オンジャやチュンスンの表情は変わった。グンヒの次の言葉を待った。
「ソウルじゃなくて黄海で私も潜水士をしてる。あなたたちのように」
オンジャたちは顔を見合わせた。
「夫と別れてもう20年も経つわ。息子は定職に就かず、ぶらぶらしてる…。私は離婚後すぐ、潜水士船に乗った」
「…」
「慣れた仕事だったから…すぐ順調に稼げるようになったわ。でも―少しずつためたお金を息子が食いつぶしてしまった。息子は”おばあさんは先が長くないから、療養所に入れて家を売ってしまえ”と言うようになった。それを止めるには潜水で稼ぐしかないのに…私も事故に遭ったら…」
「グンジャ」
チョンスンは悲痛な顔になった。
「いいえ、グンヒ」
「グンジャよ」グンヒは目に涙を光らせた。「いいから”グンジャ”と呼んで。名前を変えたって人生は変わらない」
3人とも目に涙がたまっている。しかし、涙を見せながらも、3人の口からは明るい笑い声が出るようになった。
3人は昔の3人に戻って手を重ね合った。
体調が戻ったグンジャは潜水士としての仕事に戻った。グンジャの加わって3人になった船の上は、今までに増して明るい笑い声が響くようになった。
「私たちが海に潜るのはずいぶん久しぶりだね。あれから何年くらいになるかな…?」
「30年ぶりじゃない? 違った?」
「さあ、もぐろうか」
「行くよ」
「はいな」
3人は次々と海に飛び込む。海の底へと潜っていく。