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韓国ドラマ「30だけど17です」(連載22)

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韓国ドラマ「30だけど17です」(連載22)


「30だけど17です」第3話(期限付き同居の始まり)②


☆主なキャスト&登場人物


○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)


★★★


 やむなくウジンはソリを連れてチョコパイを買いに向かった。ソリは大人しくウジンに従った。
 だが、ウジンのお尻を見て、多くの人たちが勘違いを起こした。
「あの人を見て。ウンコ漏らしてるよ」
「いい大人の人が汚いわね」
 それらのヒソヒソ声が気になり、ソリはウジンの背中を人差し指につついた。
「すみません」
 ウジンは足を止める。振り返る。
「何ですか?」
「ウンコを漏らした人のように見えます」
 ウジンは辺りを見回して答えた。
「別に構いません。行きましょう」
 気にしないで歩き出したウジンにソリは追いつく。再び背中をつついた。
「今度は何?」
「ほんとにウンコが付いてるみたいに見えます」
「そう見えても、全然、構いませんから」
「…」
「ですから早く行きましょう」
 さっさと歩き出しウジンを見て、ソリは自分の上っ張り(カーディガン)を脱ぎ取った。腕の部分を両側からウジンの腹に回した。前で結んで”ウンコ”に見える部分を後ろから見えないようにした。


★★★


 いぶかるウジンにソリは説明した。
「ほんとにウンコに見えてしまうんです」
「…」
「でもこれで大丈夫」
 ウジンは身なりを気にした。
「いいって言ってるのに…早く買いに行こう」
 ウジンについて歩いてたソリだが、人の不運は見ていられない。
 先を急いでる女性がお札を落として駆け過ぎたのに気づいた。すぐ拾い上げる。
 女性は横断歩道を走り渡っていく。ソリは彼女を追いかけた。
「お金を落としましたよ。おばさん、待って」
 ソリが駆けて行くのを見てウジンもソリを追いかける。
 しかし、横断歩道の信号は変わった。ソリは向こうへ渡り切り、ウジンは取り残された。
「待って」
 ウジンは遠くに向かうソリを目で追いながらため息をつく。




 ソリはおばさんにやっと追いつく。
「おばさん」
「ん、何?」
 おばさんはやっと追って来たソリに気づく。
 ゼーゼー言いながらソリは手にしたお札を見せた。
「あら、もらっときゃいいのに…奥さん、ありがとう」
 おばさんは札を受け取り、急ぎ早に背を返す。
「私、奥さんじゃ…」
 おばさんはすでに先を歩いてる。
「ないのに…」
 ソリは自分に言い聞かせた。
 息が整ってきたところでソリは我に返った。自分がどこにいるのか分からなくなっているのに気づかされる。
 途方に暮れてしゃがみ込む。




「1、2、3、4…」
 ユ・チャンは部活の特訓に励んでいる。
「よし、今日はここまでだ」
 と監督。
 部員らはクタクタ状態で床に崩れ落ちる。
 スタミナのあるユ・チャンは立ったまま辺りを見やる。
「しっかり食べて休んで、また明日会おう。いいな!」
「はい」
 監督は出ていく。
 部員らはクーラーボックスに飛びつく。水分を補充して息をつく。
 ドクスは身体を動かしてるチャンを見ながら言った。
「チャンは人間じゃないよ。一人でまだ動いてる」


 3人が着替えをすませて出てきたところに1人の女子が立ちはだかる。
 イ・リアンはムクれた顔で言う。
「チャン、メッセージに返信は?」
「ごめん、練習中だった…」
 チャンはリアンの横を通り過ぎる。
「気づいたのは夜だったし」
「そうなの?」 
 リアンはチャンの腕を取った。
「私を起こしたくなくて返信しなかったのね」
「都合のいい解釈だな」とドクス。
「じつは、心配で家まで行こうと思ってたのよ」
「今は叔父さんの家にいる」とへボム。
「えっ!」
「両親がアフリカに行った」
「そうなの? だったら私にとって、未来の義叔父様ね。点数稼ぐため、ご挨拶に行かなきゃ」
 チャンは特製パンを差し出す。
「食べるか?」
「今はいらない。ウンコ男のせいで食欲がないの」
「ご挨拶には、何を着て行こうかな…手土産は?」
 チャンは煩わしい目をリアンに向けた。




 ソリとはぐれ、ウジンはデザイン事務所にたどり着いた。
 事務所の前にはチン・ヒョンがいた。
 ダンスを踊っていたが、ウジンを見て駆け寄った。
「本当に久しぶりだ」
「…」
「まさか…僕の顔を忘れた?」
「…」
「マジ? メガネをかけてるから?」
 ヒョンはメガネを外した。
「ああ、ヨンだったのか」
「ヨンって一体、誰のこと?」
「ヒョンだろ」
 ウジンは笑った。
「今のはひょっとして冗談?」
「冗談ではなくふざけてみただけ」
「そんな真顔で…ちょっタイム」
「…」
「何か雰囲気が違うな。このピンクは何?」
「これか…」
 ウジンはジンーズの後ろを見せた。
 ヒョンはびっくりする。
「ウンコ?」




 ソリの叔父捜しは続いた。
 しかしめぼしい情報は得られない。
「前の店主なら死んだ母よ」
 時代は動き、情報も途絶えていた。
「母がなくなって私が引き継いでからだいぶ経つわ」
 ソリはギョーザの店から落胆して出てきた。 
「13年前?」
 ソリはクリーニング店に立ち寄っていた。
「当時も私はここにいた」
 初めて会った気のソリは驚いた。
「えっ?」
 すると目の前のおじさんはソリの脳裏でみるみる若い姿に戻っていく。。
「ほんとだ」ソリは感激した。「髪が真っ白になったから分からなかったわ」
 おじさんは笑顔になった。
「私に記憶は? 洗濯物をよく預けに来ました」
 ソリは右手を指さした。
「13番地の茶色い門です」
「13番地…ああ、あの時の高校生かい? すっかり見違えた。もう何年ぶりかな」
「もしかして、叔父たちの引っ越し先をご存じですか?」


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