![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/f5/ff4ddc88b1318a4e5615af58bd955af4.jpg)
韓国ドラマ「青い海の伝説」第1話④
Korean Drama "Legend of the Blue Sea" Episode 1 ④
魚たちとともにさんご礁の海を泳ぎまわりながら、人魚はやっぱりさっきの船が気にかかった。太陽のまぶしさを浴びながら耳にした人間たちの声に郷愁を覚えていた。
「どうしてこんな気持ちに?」
人魚は船の出入りする海岸へ出向いてみたくなった。するとなぜか気持ちは急いた。いたたまれない思いで海岸目指して泳ぎ出した。
海岸で腰をおろし、その頃ジュンジェは地中海の景色に目をやっていた。
この海に人魚なんて…あの女、ばかに心のこもった話し方をしていた。旅行客には誰でもそんな話で楽しませてやれ、とでも上司から指示でも出ているのか?
今度彼女と会った時、聞いてみよう。
すると、美しい海の眺めは砂漠と変わらなくなった。
彼の心はいつもの暗い気分に戻っていた。
自分は何をやっている。こんなことをするために家を出たのか? あの家がいやになったのは母親に会いたかったからではなかったのか?
こんな暗い気分が戻ってくるようでは地中海のリゾートを楽しみたかったわけでもなかったのか?
あの女に観光案内させてそれを確かめてみよう…。
輪廻の人生には同じ困難が待ち構えるのか?
人魚が目的を持って泳ぎ出すと、再び海は荒れた。荒れた海を必死で泳いでいるうち人魚は気を失った。
どのくらい時間が流れたのかわからない。
人魚は意識を取り戻した。あたりを見回すと岩場に打ち上げられた自分がいる。
人魚はあたりに注意しながら岩場を這って陸に上がった。平たい岩場に上がった後、彼女はしっかり立っている自分に異変を覚えた。尾ひれで立ってこんなに楽に…目をやって驚いた。
尾ひれは二本の脚に変わっているではないか!
人魚は脚を尾ひれのように動かしてみた。ただ、歩くだけでなくけっこう自由に動かせるようだ。
海の中では尾ひれ。陸に上がれば脚。自分の身体の下半身の役割を理解して人魚は再び水に飛び込んだ。
おりしもジュンジェのいるホテルはすぐ近くだった。彼は歩いて人魚の泳ぎまわっている場所へやってきた。
人間の姿に人魚は水中に身を潜めた。ジュンジェは海に目をやりながら大きくあくびをした。背後にいる人魚には気付かない。
振り返ると人魚はすかさず水にもぐった。
人魚の場所にちらっと目をやり、気付かずにジュンジェはその場を離れた。
身を隠しはしたが人魚は彼に惹かれるものを覚えた。彼の去った方へ泳いで近づいた。
部屋でくつろいでいるとリビングルームで突然物音がした。
ジュンジェはリビングルームに出た。
ひどく散らかっている。バナナの皮が見つかった。それを拾って投げ捨てた。猿でも侵入したのか? 飲食物の散乱した跡はクローゼットに続き、ドアが半開きになっている。
今度は衣服が散乱している。
「何だこれは?」
拾った衣服をハンガーに戻そうとしてジュンジェは思わずのけぞった。転んでしまった。衣服の並んだ下方に二本の脚が見えたからだ。
起き上がって目を凝らす。奥に誰かいる。
そっと近づき、さっと衣服を横に滑らせる。身をさらされ、人魚は動揺を見せる。
女だと分かってジュンジェはため息をついた。
「何だお前!」
人魚は目をそらした。
「何でそこにいるんだ?」
ジュンジェの言葉が理解できず人魚は黙っている。
「中国人か?」
「…」
「日本人?」
「…」
人魚は衣服で顔を隠している。
「なんとなく韓国人に見えるけどな…」
彼女はおそるおそるジュンジェを見つめ返す。
「お前の着ているそれ、俺のお気に入りだぞ。どうして着てるんだ」
ジュンジェは額に手をやった。目をつぶった。
「ここの警備は何やってるんだ。ザルじゃないか」
叫ぶと彼女はボクシング体勢を取る。
「それ、俺の服なんだよ」
怒り心頭で詰め寄ると人魚の蹴りが入った。3メートルほど後ろに蹴り飛ばされてしまった。
ジュンジェは立ち上がった。
「お前、俺を蹴ったな」
人魚はまた身構える。
「何だその目は!」
ジュンジェは再び彼女に近づいた。
「お前、その手に何を握ってる。見せてみろ」
強引に彼女の手をつかみ、拳を開こうとするとジュンジェはさっきよりもっと遠い、隣の部屋まで蹴り飛ばされてしまった。
script type="text/javascript" src="//translate.google.com/translate_a/element.js?2db9cb=googleTranslateElementInit"></script> google-site-verification: google3493cdb