雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「30だけど17です」(連載129)



韓国ドラマ「30だけど17です」(連載129)


「30だけど17です」第15話(音楽祭の舞台へ)⑤


☆主なキャスト&登場人物

○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)

★★★

 一緒に戻りながらソリは言った。
「靴とズボンがペンキで汚れましたね」
「こんなの膝を打ったのに比べたら何でもない。それに」
 ウジンは足を止めた。
「平気だなんて言わないで」
「…」
「怪我したのに平気なわけない」
「…」
「だから我慢しないで」
 ウジンは歩いて車のアシストグリップに手をかけた。軽く引いたらドアが開かない。ムキになってガチャガチャ引いていたら、ソリが遠慮がちに声をかけた。
「リモコンを押してないみたいです…」
 ウジンは耳を赤らめた。
「そ、そうみたいだね」
 ソリは小さく笑った。


 ソリはさっそくカン代表に”フェスティバルに出演”の件を相談した。
 ヒスはしばし考え込んだ風だったが、快活な声でOKした。
「クラシックの会議は―ソリさんの練習がない日に一緒にやりましょう」
 ソリはホッとする。
「頑張って演奏を成功させてね」
 ソリは元気よく頷いた。

★★★


 うな垂れているドクスたちに声がかかった。
「まだ終わってない」
 顔をあげるとチャンが立っている。忘れた携帯を握って言った。
「一緒にメダルを取ろうじゃないの」
「俺達には無理だ」
「そうだ」とヘボム。「チョン・ジヌンに勝つつもりなら個人戦に力を入れろ」
「何を言ってる」チャンは顔を突き出した。「俺はユ・チャンだ。ドント・シンク・フィール」
 食堂内なのにガッツを入れた。食事中の客が驚いて箸を止めた。チャンを見た。
「やりもしないで諦めてどうするんだ!」
「わかった」
 チャンに呼応してドクスが立ち上がった。
「やれるだけ頑張ってみるか」
「よし、やろう!」
 ヘボムも立ち上がる。
「みんなで行くぞ」
「オーッ!」 
 チャンの気合に2人は続いた。チャンに合わせて”メダル! メダル!”を唱和した。
 
 
 子供の頃の家族写真を見ながらソリは両親に語りかけた。
「母さん、父さん〜、そろそろ、インターミッションを終える準備をするわ。ちゃんと見守っていてね」
 バイオリンと弓を手にソリは静かに闘志を燃やした。


 トレーニングを終えて帰ってきたチャンはバイオリンの音色に足を止めた。
 叔父さんの家からだ。
「もしや…」
 思わず呟いている。急いで庭に駆け込んだ。 
 バイオリンを弾くソリの姿が一瞬にして目に焼き付いた。ソリの姿とバイオリンの音色に魅せられ、チャンはその場に立ち尽くした。我をを忘れ、手にしたスポーツバッグを下に落とした。 
 チャンに気付いてソリは演奏を中断した。
「チャン君、お帰りなさい」
 チャンのもとに駆け寄る。
「久しぶりに会えてうれしいわ」
 しかし、チャンはソリの言葉に反応できない。ぼーっとしたまま突っ立っている。
「…?」
 ソリはチャンの前に手のひらをかざす。横に動かす。それでもチャンは反応しない。
「どうしたの?」
 ソリの声と触れた手にようやく反応する。
「えっ?」
 我に返ったチャンは速く小さく手を叩いた。
「ブラボー、サイコー! 胸にジ〜ンときました」 
 あまりの誉め言葉にソリは照れた。
「天才だよ、天才」
 チャンはもう一度手を叩いた。
「ん? バイオリン、修理できたの?」
「ええ。会わなかった間に話すことがいっぱいできちゃった」
 
 庭のテーブルに落ち着き、チャンはソリから話を聞いた。
「音楽祭に出演を? やったね。いつかいい日が来ると思ってた。おめでとう」
「ええ、ありがとう。そういえばお腹を壊して…体調の方は大丈夫なんですか?」
 チャンは”コホッ、コホッ”と咳をした。シャツのポケットから名刺を取り出してソリに見せた。
 ソリはチャンの話に聞き入った。
「そこはプロチームで、その人にスカウトされた」 
「えっ! まだ高校生なのに?」
 ソリは親指を突きだした。
「すごいですね。ワオーッ!」
 ソリに褒められ、チャンは嬉しさを隠せない。
「それほどでもないよ。それに」
「…?」
「大したことじゃないけど少年の命も救った」
「ほんとに」
「ああ。いないのに気づき、すぐさま走って川に飛び込んで救ったんです」
 チャンは身振り手振りを加えてその時の模様を再現した。
「すごいよ、ほんとに」 
 ソリは手を叩いた。高校生気分のソリはその行動にすぐ同化できた。
「まさに命の恩人だわ。すごい、すごい」
 チャンは軽く手を横に振る。
「そんな、ほめ過ぎですよ」
 しかし、ソリに褒められるとチャンは嬉しさを倍に感じる。
「おばさん」
 チャンは得意げだった姿勢を前に戻した。真剣な顔になった。
「俺は優勝するから―おばさんも舞台で頑張って」
 ソリは少し自信なさそうに目を落とした
「ブランクがあるから上手く弾けるか分からないわ…」
「いやいや」とチャンは言った。
「そんな時こそ、あるだろこの言葉―ドント・シンク・フィール」
 ソリもすかさずチャンに合わせて唱和していた。
「ドント・シンク・フィール!」
 その後、ソリは付け加えた。
「もうひとつ自慢話があるんです」
 と自分の手を開いて見せる。
「おっ、見える見える。すごくカッコいい」
 次の瞬間、チャンも両手を開いて見せた。
「ほら、僕の手も見て…もう、ボロボロ」
「ほんとだ、それも勲章ね」
「よかった〜」チャンは笑顔で頷く。「もう俺の手が羨ましくないね」
 うんうんとソリ。
「では、水ぶくれ記念にハイタッチだ」
 2人は意気投合のハイタッチをしあった。
 その時、お凸がぶつかり合いチャンはのけぞった。
 チャンは額を抑えて顔をしかめる。
「今、星が飛び散った」
「ごめん、あっはははは」
 2人の笑顔が全開の夜だった。 


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