雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「30だけど17です」(連載150)





韓国ドラマ「30だけど17です」(連載150)




「30だけど17です」第17話(おじさんが正しい)⑦


☆主なキャスト&登場人物

○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★

 ウジンが部屋から出ると、まるで息を合わせたようにチャンたちも寝間着姿で出てくる。
 ドクスがウジンを見て元気よく挨拶する。
「おはようございます。おじさん」
 ヘボムも続いて頭をさげた。
「大会を控えて合宿中です」
「…」
「パジャマも同じで一心同体です」とドクス。
 チャンは訊ねた。
「一心同体って?」
「四字熟語だよ」
 ドクスは答える。
 リアクションの乏しいウジンを見てチャンは訊ねた。
「もしかして寝てないの?」
「そうじゃない」
 ウジンはチャンの頭を撫でて階段を下りて行った。
 ウジンを見やってチャンは首を傾げた。
「何かあったみたいだな…」


 ウジンはソリの部屋のドアが開いたのを見て階段を駆け下りた。
「いつ帰って…」
 声をかけたら、中から出て来たのはジェニファーだった。
「…私です」
 ジェニファーは紙バッグを差し出した。
「ソリさんの着替えです」
「…」
「届けてやっていただけませんか?」
 紙バッグをウジンに持たせてジェニファーは言った。
「ソリさんの体調が心配です。練習に追われているようなので…」
「それならいいんですけど…」
 ウジンは小さく言葉を返した。

★★★


 ウ・ソリは練習も身が乗らず、事務所に戻ってきた。
 入口のドアノブを握りかけて思いとどまった。
 ウジンに対し、ムキになっていた自分の言葉が脳内に戻ってくる。顔を合わすのもバツが悪かった。
 
 出先から車で戻ってきたチン・ヒョンは事務所から立ち去るソリを見かけた。
 運転席から顔を出して呼びかけるがソリは気づかずに行ってしまった。
 チン・ヒョンは首を傾げた。
 足取りに元気がない。何かあったのか…?
 事情を知ってチン・ヒョンはウジンを睨みつけた。
「僕でも怒るよ。よくもそんなことが言えたもんだ」
 ウジンはうな垂れてヒョンの言葉を聞いている。
「ほんとに冷たい。顔も見たくないよ」
 ヒスも仕事が手に付かず考え込んでいる。
 ウジンは突然悲鳴をもらす。
 ヒョンはびっくりする。
「どうした!」とヒョン。「指でも切った?」
 慌ててウジンのそばに駆け寄る。
「見せて―大丈夫?」


 血を出した指を給湯室で手当てしてやりながらヒョンを言った。
「話にも言い方がある」
「…」
「なぜ、あんな言い方を?」
「そうだよな」とウジン。「なぜだろう」
 そこにカン代表が顔を出す。
「ヒョン、早く仕事に戻って」
「きれいな指が台なしだ」
 ヒョンは愚痴を残して給湯室を出ていった。
 ヒスが代わりに入ってきた。
「切った手を見せて」
「大丈夫だ」
「なぜあんなことを…」
 ウジンはヒスを見つめ返す。
 ヒスは一瞬、口をつぐんだ。
「ひどい顔してる…」
「…」
「見てられないから、今日はもう帰って」
「…」
「いいから、もう〜」 


 ソリはいつもの公園にやってきた。
 今日は練習をせずにベンチに腰をおろし、物思いに耽っていた。
 そこにいつも演奏を聴いてくれるおばさんがソリの前に立った。
「昨日はこなかったのね」
 ステッキを立て、隣に腰をおろそうとする。
 ソリはおばさんの腕を取った。座るのを助けた。
「ずっと待ってたのに」
「私を?」
 おばさんは頷く。
「近所に住んでるんだけど…脚が悪くてふだん出歩かないの」
「…」
「でもある日、美しい音に惹かれて来てみたら、ここであなたが練習してた」
 ソリは自分のバイオリンケースに目をやった。
「きれいな音色を聴いていると、不思議と脚の痛みも和らいで気分もよかった」
「…」
「誰かと喧嘩でもした?」
「えっ!」
 ソリは驚いた。 
「分かるんですか?」
「そうじゃなくて、手が傷だらけだから喧嘩でもしたのかと…」
 ソリは自分の手を広げた。
 夢中でバイオリンを弾いていた頃の自分の姿が蘇る。
 とにかく夢中で弾いていた。
「少しは休んだらどうなの?」
 心配して母が声をかけてくるほどだった。
「顎と手が痛そうにしてるわよ」
「そんなに長く弾いてた?」
 言われて顎に手を当て、その手を開いて答えたりした。
「全然、痛くないよ。練習が楽しいみたい〜」
 母の前であっけらかんと笑っていたものだった。


 ソリはおばさんに言われた今の自分の手をじっと見つめた。見つめながら思わず呟いた。
「痛い…! 全然、楽しさを感じない〜」




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