韓国ドラマ「30だけど17です」(連載144)
「30だけど17です」第17話(おじさんが正しい)①
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
外に出ると日が射しているのに雨が降っている。
ジェニファーは足を止めた。冷静にサングラスを外した。
「今日は雨の予報じゃなかった…」
「ああ、もう〜、間に合うかしら。意地悪な雨だわ」
その頃、ソリはジェニファー用の傘を握って走っている。
雨空に目をやりながら、雨宿りしているジェニファーに横から開いた傘がさし向けられる。
ジェニファーは相手を見やった。
ヒョンテだった。雨が降るのを見て追って来たのだった。
「この傘を使ってください」
さしてきた傘を差しだす。
「ありがとう。この次、かならずお返しします」
そこにようやくソリの姿が見え始める。
★★★
「通り雨の場合、直径2ミリから7ミリ〜と、通常の雨粒より大きいです。この雨粒は大きいのですぐにやむはずです」
「わあ〜」
ソリは驚きの目を向けた。感心するしかなかった。
「そんなことまでご存じとは…ほんと物知りなんですね」
「…本から得たただの知識です」
「本を読むのが好きなんですね」
ジェニファーは歩を止めた。
「好きで読むわけではありません」
ソリも歩を止め、ジェニファーを見た。
「どういうことです?」
ソリの質問にジェニファーは記憶世界に沈んだ。
何もかも捨て鉢になっていた時だった。
行く当てもなく街中を彷徨い、雨に打たれて歩き疲れた目の先に図書館があった。
”ヘイン情報図書館”が門を開けてやって来る人を待ち受けていた。
とりあえず中に入って休息を取ったのだった。
「本を読むというよりは―文字をただ目で追っていました」
「…」
「そうして…最初に目に入って来たのが古今東西の偉人たちの残した”名言集”だったのです。それから何でもいいから手当たり次第に読んでいる間だけは〜他のことを考えないですんでいたのです」
「それはどういう意味です?」
その時、紙バッグが振動を起こした。ジェニファーは中から携帯を取り出す。
メールが届いていた。ソリの公演日の衣装についてだった。
― 上は白で、下は黒。装身具は控えめに。フォーマルな服装でお願いします。
ジェニファーはそれを読み上げた。
「えっ?」ソリは訳が分からない。。
「”音楽祭”に関するお知らせ」
「ああ〜」ソリは苦笑する。「すみません。連絡先をお借りしました」
ジェニファーは携帯をしまい、ソリを繁々と見た。
「フォーマルですか〜、いささか問題があるようです。行きましょう」
「行きましょう、ってどこへです?」
ソリは慌ててジェニファーに従った。
ソリは着替えて出てきた。ジェニファーを見て訊ねた。
「お部屋ですか?」
「はい」ジェニファーはソリを見た。「少しはフォーマルに近づきましたね」
ソリは髪に手をやった。恐縮した。
「支払いまでしていただいて…」
ジェニファーをよく見てソリは言った。
「ところでジェニファーもカットしたのにあんまり変わらないですね」
ジェニファーは首を横に振った。
「ノーノ―、微妙に違います。では、おやすみなさい」
ジェニファーを挨拶を交わし、リビングに戻るとチャンと顔を合わせた。
「遅かったですね」
返事を返す前にチャンの表情は変わる。
「髪形が…」
ソリは照れた。髪に手をやった。
「似合ってる…」
「ジェニファーと美容室に行ったんです」
「…」
「日曜なのに、今まで練習を?」
「大会が近いから」
「でも、無理してるようで心配だわ」
少しためらい、チャンは説明した。
「もっとスピードを上げたいからです」
「スピード?」
そこには言外の意味も込められている。
ソリのリアクションはいくぶん遅れた。
「ああ」両腕を抱え込むようにチャンを見た。「ボートのスピードのことね」
チャンはきちんと話すことも出来ず、ただ苦笑した。
ソリにお休みの挨拶をし、力ない足取りで階段を上がっていった。
踊り場で足を止めて振り返るとソリは部屋へ消えるところだった。
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