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アンナは子供たちをたしなめた。
「何言ってるのよ!」
しかしジュンソクたちは囃し立てるのをやめない。いっそう力をこめてアンナをからかいだす。
「ヤーイ、見ーちゃった、見ーちゃった♪ おばさんが抱きつくの見ーちゃった♪」
メロディーをのせてアンナをからかう。
「何よ、その歌。やめなさい」
「見ーちゃった、見ーちゃった♪」
歌いながらからかうのが楽しそうだ。
「そんな歌、早くやめなさい」
アンナが怒ってやめさせようとすると逃げ回りながらなおも歌う。
「おばさんが叔父さんに抱きついた♪ 叔父さんに抱きついた」
アンナは童心に返ってジュンソクたちを追い回す。
ポケットに手を入れ、おかしそうにそれを眺めていたチョルスは頃合を見てジュンソクたちを叱った。
「ほら、お前たちいい加減にしろ」
出かける容易で部屋に戻ったチョルスを追いかけてアンナも部屋に入ってきた。ひどく興奮している。チョルスをつかまえて問いただした。
「チャン・チョルス。子供たちを利用し、あんたが仕組んだんでしょう? 私を縄跳びで誘い出すようにして?」
チョルスは笑って首をかしげた。だが、否定せずに答えた。
「ああ、そうだ。縄跳びをこんな風にブンブン振り回してな。子供たちを集め、しっかり計画立てて歌も準備したんだ。それでいいか?」
「とにかく気に入らないわ」
「俺もだ。自分から抱きついたくせに…
アンナはチョルスの背中にぶつぶつ文句を並べた
「何よ。カッコつけちゃって!」
玄関を出てきたチョルスは縄跳びを続けてるジュンソクらに声をかける。
「ほら、学校行く時間だぞ」
「は~い」
「ちょっと集まれ」
ジュンソクらが集まってくるとチョルスは子供らの頭を撫でた。
「ありがとうな」
「何が?」
ジュンソクらは訳わかんない顔でチョルスを見上げる。
「な~に、たまには縄跳びもいいもんだってね」
「確実にチャンを引き離せるか?」
ビリーはコン室長に作戦の緻密さを確認する。
「もちろん。小さなホテルの電気工事を任せます」
ビリーは足を止めた。
「チャン・チョルスはそんな仕事も?」
「プフン建業はできない仕事がありません」
ビリーは歩き出す。
「これほどの案件を断るはずもないか」
「はい。責任者にも念を押しておきました」
「それではチャン・チョルスのところへ行ってこい」
「はい」
コン室長はさっそくチョルスたちの事務所に出向いた。
話を聞いてチョルスは言った。
「一週間で仕上げるには泊り込みでいかないとダメですね」
コン室長は答えた。
「その通りです」
「それは困ったな。場所は遠すぎるし、一週間も留守にはできません」
同席のドックが言った。
「人を雇って俺が行ってくるよ」
コン室長がすかさず口をはさんだ。
「チャン・チョルスさんでないとダメです」
「?」
コン室長は悲壮な声で言った。
「チャン・チョルスさんに直接行ってほしいんです。あなたじゃないとダメなんです」
「はい?」
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