韓国ドラマ「青い海の伝説」第9話④
Korean Drama "Legend of the Blue Sea" Episode 9 ④
第9話③
ジュンジェもソファに身体を沈める。
「お前もだよ。今日、殺されかけたんだろ?」
「だから言ってる。あんな危険な奴が何のために」
後の言葉を飲み込む。
夢の中でタムリョンの言ってた言葉がふと蘇ったからだった。
――良縁がその世界まで続き…悪縁もまた然りだ。危険な者からそなたの想い人を…守れ。
ジュンジェは目をつぶった。ため息をついた。
「兄貴…」
「何だよ」
「妙なこと言うと思わないでくれ」
「…」
「ある夢を見たんだが…」
「夢?」
「夢の中で俺は朝鮮時代の人間だった」
「ん?」
「それから…例の腕輪もしてた」
★★★
「腕輪?」
「ああ」
「タムリョンが?」
ジュンジェは頷きながら複雑な表情になる。
「お前がタムリョンになってたのか?」
「ああ…どう考えても自分だったみたいだ」
ナムドゥは腕を組んだ。
「よくあることだ。俺も時代劇を見たあと将軍になった夢を見た」
「一緒にするなよ」
ジュンジェは声を荒げた。
「一緒にするさ。笑わせるな。前世だったとでも言うのか?」
「そうじゃなくて」ジュンジェは頭を振る。「直接つながってるもう一人の俺が…」
「考えすぎだ」ナムドゥは言った。「腕輪のことや難破船の話に影響されてるだけさ。脳科学を専攻してたのに分からないのか?」
ジュンジェは首を傾げる。上を向き、目をつぶる。
「そうに決まってるさ」
ジュンジェはずるずるとソファに沈み込む。
「俺…最近、変なんだ」
ナムドゥはジュンジェの首に腕を巻く。
「大仕事を前にしているからだ。むしろ吉兆だろ。アン・ジンジュの件はきっとうまくいくぞ。あっははは」
「ソ・ユナのことよ」
寝室でくつろいでるジンジュはくすんと笑う。
「うちのエリザベスと少しもめたみたいなの…ふっふふ、育ちが悪いから喧嘩するのよ。…あら、ユナの母親から電話が? ふ~ん…水泳教室に? そこにユナを参加させるの? …ありえないわよね。私たちの子供が迷惑するだけよ…もちろん、あなたを信頼してるわ」
部屋へ夫のドンシクが顔を出す。ジンジュは会話を切り上げる。
「詳しい話は会った時にしましょ」
ドンシクは腕時計を見ながら言う。
「1時間半も電話してたのに詳しい話は今度?」
ジンジュはソファから立ち上がる。
「あなた、座って」
ドンシクはベッドに腰をおろす。
「ホ会長に話してみた?」
「どうかな…夕食に誘ってるけどいつも忙しいと言われてる…」
「そうなの? 私がいっぱいおかずを差し入れてるのに、まだ何の見返りもないってこと?」
「あのホ会長がうまい投資話を他人に回すと思ってるのか?」
「だから、一筋縄では行かない人たちだから私も頑張ってるのよ。ああ、まったく…必死にためたお金よ」
「…」
「国税局や外部監査に怯えながら頑張ってきたでしょ?」
「分かってるよ…必死にためたんだ。裏金とは言わせない」
「そう…その意気よ。本当によく頑張ってくれたわ…私たち、このお金をしっかり運用して」
ジンジュはドンシクの手を取った。
「これまでの努力を実らせるのよ」
「そうだ、そうだな…今夜は俺たちの愛を実らせよう」
「何ですって!」
ジンジュは現実に返った。ドンシクの手を突き返して膨れっ面になった。
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