韓国ドラマ「30だけど17です」(連載160)
「30だけど17です」第18話(初めてのキス)⑧
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
ステージの花道に腰をおろしてソリは空を眺めた。
「月が見えないわ」
手指でウサギを作った。これをかざして今夜は月を見ることができない。
考え込んでいるところにウジンがやってきた。
「ここで何してるの?」
ソリは顔を上げた。
「別に、何でもないです」
ウジンも横に腰をおろした。
「寝ないんですか?」
「ソリさんが気になって」
ソリは目を落とす。
「寝ないの?」
ソリは顔を上げた。前を見て言った。
「なぜか眠れなくて」
「眠れない時は理由がある」
ウジンを見て、ソリは考え込む。
「舞台に立った時のことがどうしても―頭から離れないんです」
「…」
「嬉しいような、気まずいような…楽しいような、気恥ずかしいような」
「…」
「ついさっきの出来事なのに、実際に起きたことなのか…実感が湧かないんです。現実ではなく、夢を見ていたような気分というか―いくら考えても、よくわからないんです」
「…」
「果たして、その夢がいい夢だったのか、悪い夢だったのか…」
「いい夢ですよ」
ソリはウジンを見つめ返した。ウジンは笑顔になる。
手にした書類を差し出す。手にしてソリはウジンを見つめる。
どうぞ、とウジンは両手を広げた。
それは自分の笑顔を鉛筆でスケッチした絵だった。ソリはびっくりした。
ウジンは言った。
「舞台でステキな表情をしてました」
★★★
ソリはウジンの手で描かれた自分の姿に感激した。
何て晴れやかな表情をしているのだろう…。
思わず泣きそうになった。
「これがほんとに…私ですか? 私で舞台で、ほんとにこんな表情をしてました?」
ウジンは頷いた。
「そうです。ほんとです」
「…」
「心から楽しそうにしてる表情でした。観客も幸せになるほど」
「よかった―悲しい表情になっていないかと心配してたんです」
「…」
「バイオリンも弾けないのに舞台に立ったら―惨めになって来そうで…でも、やってよかった」
ソリは目に涙をためて嬉しそうにした。
「人前で演奏して注目を浴びることが―すべてじゃない。音楽を楽しんでる時間が…私には大きな癒しになりました」
「…」
「どんな形でも音楽に触れていられるなら…それだけで幸せなんです」
自分の心にも言い聞かせながら、ソリはウジンを見た。
「答えを教えてくれてありがとう」
ウジンは穏やかに笑みを返した。
「最初に上がったのが、おじさんの作った舞台でよかった。ありがとう」
ウジンは小さく頷いた。
ウジンは前を向き直った。遠くに目をやった。
「好きです」
「私も…」とソリ。
ウジンはソリを見た。
2人は見つめ合った。
引かれあうように顔を近づけ合った。
唇が触れ合う瞬間、2人は目をつぶった。そしてキスし合った。
2人はそっと顔を離した。
再び見つめ合った。
我に返ったソリは思わずたじろぐ。後ずさりする。
「どうしたの?」とウジン。「なぜ逃げるの?」
「心臓が」とソリ。「ドキドキする音が―おじさんに聞こえてしまいそうで…」
ソリは横を向いた。
ウジンは吹きだした。
腰を上げてソリの前に立った。
「大丈夫だよ。気にしないで」
「だって私は」
下を見たままソリは答える。
「こういうの初めてだから」
はにかんでウジンの顔を見ることができない。
「それは僕もだ」
ウジンは答えた。
ソリは顔を上げる。驚く。
「えっ! 私はさておいて、おじさんはその年でキスのひとつも」
呆れた顔になる。
「そんな…今まで、何してたんですか?」
もどかしいような言い回しをする。
ウジンは額に手をやり、困った顔でソリを見た。
「確かにそうかも…」
ウジンは似顔絵を手にし、一方の手をソリに伸ばした。
「行こう」
ソリは自分の手をウジンに預けて立ち上がった。
ウジンについて歩きながらソリは言った。
「あの〜、さっきのあれをもう一度…」
「わかった」
ウジンはすぐソリにキスをする。
「じゃなくて、もう一度…」
「もっと? いいよ」
すぐまたキスをする。
きょとんとしてソリは言う。
「そうじゃなくて…さっきの絵を、もう一度見せて、と言おうとして…点・点・点…」
ウジンはソリから手を放した。
バツが悪そうに言った。
「その、もう一度、だったのか…点・点・点…」
ソリは可笑しそうに笑いだす。口を押えて言った。
「おじさんって、スゴク、カワイイ〜」
そう言って、ふざけ笑いを続ける。
「その笑い方、人をからかうのはよくないよ」
しかし、ソリはなおも笑い続けた。笑いながらウジンの後を追った。
「初心でおバカなおじさん、一緒に行きましょうよ」
コン・ウジンは向き直って手を差し出す。
ソリはその手をしっかり握って一緒に歩き出す。
「30だけど17です」第18話(初めてのキス)⑧
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
ステージの花道に腰をおろしてソリは空を眺めた。
「月が見えないわ」
手指でウサギを作った。これをかざして今夜は月を見ることができない。
考え込んでいるところにウジンがやってきた。
「ここで何してるの?」
ソリは顔を上げた。
「別に、何でもないです」
ウジンも横に腰をおろした。
「寝ないんですか?」
「ソリさんが気になって」
ソリは目を落とす。
「寝ないの?」
ソリは顔を上げた。前を見て言った。
「なぜか眠れなくて」
「眠れない時は理由がある」
ウジンを見て、ソリは考え込む。
「舞台に立った時のことがどうしても―頭から離れないんです」
「…」
「嬉しいような、気まずいような…楽しいような、気恥ずかしいような」
「…」
「ついさっきの出来事なのに、実際に起きたことなのか…実感が湧かないんです。現実ではなく、夢を見ていたような気分というか―いくら考えても、よくわからないんです」
「…」
「果たして、その夢がいい夢だったのか、悪い夢だったのか…」
「いい夢ですよ」
ソリはウジンを見つめ返した。ウジンは笑顔になる。
手にした書類を差し出す。手にしてソリはウジンを見つめる。
どうぞ、とウジンは両手を広げた。
それは自分の笑顔を鉛筆でスケッチした絵だった。ソリはびっくりした。
ウジンは言った。
「舞台でステキな表情をしてました」
★★★
ソリはウジンの手で描かれた自分の姿に感激した。
何て晴れやかな表情をしているのだろう…。
思わず泣きそうになった。
「これがほんとに…私ですか? 私で舞台で、ほんとにこんな表情をしてました?」
ウジンは頷いた。
「そうです。ほんとです」
「…」
「心から楽しそうにしてる表情でした。観客も幸せになるほど」
「よかった―悲しい表情になっていないかと心配してたんです」
「…」
「バイオリンも弾けないのに舞台に立ったら―惨めになって来そうで…でも、やってよかった」
ソリは目に涙をためて嬉しそうにした。
「人前で演奏して注目を浴びることが―すべてじゃない。音楽を楽しんでる時間が…私には大きな癒しになりました」
「…」
「どんな形でも音楽に触れていられるなら…それだけで幸せなんです」
自分の心にも言い聞かせながら、ソリはウジンを見た。
「答えを教えてくれてありがとう」
ウジンは穏やかに笑みを返した。
「最初に上がったのが、おじさんの作った舞台でよかった。ありがとう」
ウジンは小さく頷いた。
ウジンは前を向き直った。遠くに目をやった。
「好きです」
「私も…」とソリ。
ウジンはソリを見た。
2人は見つめ合った。
引かれあうように顔を近づけ合った。
唇が触れ合う瞬間、2人は目をつぶった。そしてキスし合った。
2人はそっと顔を離した。
再び見つめ合った。
我に返ったソリは思わずたじろぐ。後ずさりする。
「どうしたの?」とウジン。「なぜ逃げるの?」
「心臓が」とソリ。「ドキドキする音が―おじさんに聞こえてしまいそうで…」
ソリは横を向いた。
ウジンは吹きだした。
腰を上げてソリの前に立った。
「大丈夫だよ。気にしないで」
「だって私は」
下を見たままソリは答える。
「こういうの初めてだから」
はにかんでウジンの顔を見ることができない。
「それは僕もだ」
ウジンは答えた。
ソリは顔を上げる。驚く。
「えっ! 私はさておいて、おじさんはその年でキスのひとつも」
呆れた顔になる。
「そんな…今まで、何してたんですか?」
もどかしいような言い回しをする。
ウジンは額に手をやり、困った顔でソリを見た。
「確かにそうかも…」
ウジンは似顔絵を手にし、一方の手をソリに伸ばした。
「行こう」
ソリは自分の手をウジンに預けて立ち上がった。
ウジンについて歩きながらソリは言った。
「あの〜、さっきのあれをもう一度…」
「わかった」
ウジンはすぐソリにキスをする。
「じゃなくて、もう一度…」
「もっと? いいよ」
すぐまたキスをする。
きょとんとしてソリは言う。
「そうじゃなくて…さっきの絵を、もう一度見せて、と言おうとして…点・点・点…」
ウジンはソリから手を放した。
バツが悪そうに言った。
「その、もう一度、だったのか…点・点・点…」
ソリは可笑しそうに笑いだす。口を押えて言った。
「おじさんって、スゴク、カワイイ〜」
そう言って、ふざけ笑いを続ける。
「その笑い方、人をからかうのはよくないよ」
しかし、ソリはなおも笑い続けた。笑いながらウジンの後を追った。
「初心でおバカなおじさん、一緒に行きましょうよ」
コン・ウジンは向き直って手を差し出す。
ソリはその手をしっかり握って一緒に歩き出す。
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