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子供たちが泣き崩れているところへケジュがやってきた。見るとアンナにすがりついている。
ケジュは走り寄った。
「ナさん…」―
「もう行かなきゃ―この子たちをお願い」
「みんなおいで。手を放しなさい。泣いちゃダメ」
「チャン・ジュンソク。チャン・ユンソク。チャン・グンソク。元気でね」
子供らに涙ながらの別れを告げ、アンナは背を返した。
カンジャはアンナが戻ってくるのを待っていた。
「お姉さん、みんなに会ってきた? これから海に行こうよ」
「ダメよ。もう帰らなきゃ」
「いいわ。ここで待ってるから」
「待たないで。もう戻らないわ」
「雪も降らないのに来ないの?」
「雪は降らない」
「…」
「私も来ないから待たないで」
そう言ってアンナは歩き出す。
「わかった」
カンジャも後ろをついて歩く。
「ついて来ないで」
「うん、わかったよ」
カンジャはついてくる。
アンナは振り向いた。
「ついて来ないでって言ってるでしょ! ついて来ないで!」
声を振り絞って自分の気持ちをぶちまけた。
「私は自信がないのよ。愛されることも愛することも!」
「…」
「だから逃げるのに、なぜ邪魔するの? あっちへ行ってよ」
カンジャは笑みを浮かべた。
「これじゃ――動けなくなるじゃないの」
カンジャは明るい声で言った。
「お姉さん、”氷”になっちゃったの?」
「…」
「だったら私が”チン”してあげるわ」
「…」
カンジャはアンナの腕に手をふれながら、
「チン~!」
辺りに響くような声を出した。
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