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韓国ドラマ「病院船」から(連載153)
「病院船」第14話➡友の思い⑨
★★★
船長たちはデッキから船室に降りて来る。
「久しぶりに腹いっぱい食った。そうだろ」
「ええ。もう食べられません」
女性スタッフの声が続く。
「アリムさん、飲みすぎよ」
「私の部屋で飲もう」
事務長は船長を誘っている。
「そうするか…」
後ろにヒョンとウンジェが続いた。ヒョンはウンジェを振り返った。
「お開きが早いな」
「明日、診療があるからよ。ヒョンさんは休まないの?」
「こっちも仕事が残ってる」
頷きあって寝室に入ろうとしてウンジェは立ち止まった。
ふいにジェゴルの言葉が目の裏に戻ったからだ。
―なら、チェさんの嘘を伝えろ。なぜ、言わないでいる? 本当に友人なら…彼を悪い女から救いたいはずだ。だが先生は…伝えてやる気がない。
―それは…
―彼への…気遣いだと?
―…。
―違うな。カッコつけてるだけだ。好きな男に嫉妬深い女だと思われたくないんだ。
ウンジェは気持ちを整えた。あらためて自分に言い聞かせた。
―違う。絶対に違うわ。
ウンジェは診察室の方を見る。歩き出したら、電話してるヒョンの声が聞こえた。
「入院中のチョ・ヨンウンさんの部屋につないでください」
「もう一度、お名前を」
「チェ・ヨンウンです…呼吸器内科の科長の姪です」
ウンジェは壁に背を持たせかけた。
「…すみませんが、その方は入院しておられません」
「入院していないと?」
ヒョンの診察室にウンジェは再び目をやった。
彼に話す機会を失った…?
★★★
ヒョンはヨンウンに電話を入れた。
ヨンウンは友人と飲食中だった。友人は言った。
「鳴ってるけどなぜ出ないの?」
「酔ってるから出られない」
「どう言い訳するつもり?」
「治療を受けてたって言うわ…」
携帯は鳴り続けてるのにヨンウンは握ったグラスを口に持って行く。良薬を飲むように口に流し込む。
その時、女の声がした。
「ずいぶん、風変わりな治療室ね」
店に入って来た女を見てヨンウンは顔色を変えた。慌てて立ち上がり、グラスを足元に落とした。
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現れたのはスギョンだった。
「いったい、何の真似?」
「…」
「あなたはヒョンを弄んでるの?」
ヨンウンは何の言葉も返せなかった。
ヨンウンに連絡を取ろうとしてるヒョンの驚きと混乱を身近に感じながら、ウンジェはしばらくそこから動けなかった。
やがて寝床に入った。横になった。すぐには眠りもこなかった。
巨済の港の暗闇に船が静かに滑り込んでくる。指名手配中の一団だった。
病院船を見つけて近づく。密輸一味のサブリーダーは配下をしたがえ病院船に乗り込んだ。
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外に異変を感じたのは操舵室当直のジョンホだった。
「何だろ…、ロープがほどけたのか?」
外の様子を見ようと立ち上がった。
ドアを開け、何でもないとドアを閉めて振り返った時、侵入者はすでに中だった。相手は銃を向けてきた。
「当直日誌はどこだ?」
「ど、どちら様で」
銃がジョンホの顔に飛んできた。
ジョンホは顔を押さえてのげぞった。
サブリーダーはジョンホに銃を突きつけた。
「当直日誌は?」
ジョンホは血を出しながら呻いた。
「聞こえないのか? 答えろ」
ジョンホは声を震わせた。
「そこにあります」
人差し指で示す。
サブリーダーは机上のファイルを握った。ファイルを開き当直日誌を調べだす。
サブリーダーの指示で別のグループも船室に侵入した。
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甲板長のヤン・チュノはパーティの後、いい仲になった看護師のミヒャンと話に夢中だった。
ヨンウンに電話のつながらなかったヒョンは、本来の仕事に戻っていた。
ジェゴルも韓方の医書に読み耽っている。背後の二段ベッドの上ではジュニョンが寝息を立てている。
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ウンジェは寝付けないで何度も寝返りを打った。
「”船長はバン・ソンウ。他17名”18人乗ってるってことだな」
ジョンホはそっと非常ベルを押そうとする。サブリーダーが気づいた。ジョンホに蹴りを入れた。
「この野郎、救助要請でもするつもりか?」
無線機が鳴った。
サブリーダーは応じる。
「操舵室を占拠した。動け」
「分かりました」
「分かりました」
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見知らぬ男の侵入にミヒャンは悲鳴を上げた。次の瞬間、ヤン・チュノは銃の一撃を頭に食らった。