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藤井聡太棋聖 VS 鈴木大介九段 戦から


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藤井聡太棋聖 VS 鈴木大介九段 戦から


★79期順位戦B級2組


 AbemaTVで中継を見始めたのは、先手藤井棋聖の飛車が成っている局面からだった。この将棋はここから3筋をめぐる攻防へと展開していく。この時すでに後手は1~2手、手が遅れてる印象を持った。
 藤井棋聖の将棋ではよくこういう局面になってる場合を見受ける。
 高野六段が、
「スーパーカーがやって来ると思っていたらジェット機がやってきた」
 と藤井将棋を評していた。
 藤井棋聖に敗北した後、同様のことを橋本八段も言っていた。
 同様の現象がここでまた、鈴木九段戦でも起きていると自分は思った。
 たとえばこの局面、5二の金が6二の位置で守りを利かせていても、もはや互角に渡り合える状態ではなさそうである。
 2筋からの突破を窺う飛車のために、玉のいない左辺で飛車金銀が凝り形となって遊んでしまってる展開である。
 4筋での本格的な戦いならこの駒たちは大いに働いただろうが、今となっては玉頭周辺が忙しく働かす暇などなさそうである。そう思って見ていたらその通りにこの駒たちは置き去りにされたままとなった。
 一手一手と局面が進むごとに藤井棋聖はポイントを上げ、鈴木九段はじりじりと退却するしか手がない。鈴木九段は途中から「こんなはずじゃないのに…」と思いながら指し手を進めていたのでは…?


 この日は藤井棋聖が7四香と打ったのを見て、自分の用向きに戻った。勝負はすでに決していると思ったからだった。
 


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