雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「30だけど17です」(連載68)




韓国ドラマ「30だけど17です」(連載68)



「30だけど17です」第8話(13年前の少女)②


☆主なキャスト&登場人物


○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)



★★★ 


 事務所代表のカン・ヒスはウジンを家の近くまで車で送ってきた。
「お疲れ様」
「また明日」と同僚のチン・ヒョン。
「ああ」
 ウジンは笑顔を返してドアを閉めた。家に向かおうとするとソリが陸橋を渡って戻ってくる。
 ウジンは陸橋の中ほどに立ち尽くしているソリの姿に気づいた。
 手を振ろうとしたらソリはとつぜん空に手をかざした。それを見たウジンの手は止まった。表情は強張った。
 あれは…!
 ウジンの目の裏に高校時代の少女の姿が浮かび上がった。そして今見ているウ・ソリと重なるのを感じた。鈴の音色まで戻ってきた…。
「スミや〜い、ノ・スミ〜っ!」
 ウジンは思わず耳を押えた。目をつぶった。
 鈴の音色は次第に反響を大きくしてきた。
 そこへあの忌まわしい事故の記憶までが脳内に戻ってきたのだった。
「スミや〜い、ノ・スミ〜っ!」
 ウジンは耳を押えたまま、よろよろと歩き出す。


★★★


 テコンドーで腰を痛めたジェニファーはソリに礼を言った。
「おかげで93.8%回復しました。ありがとう」
「スイカの何とか成分は筋肉痛に効くらしいです。人からの受け売り」
 ソリはジェニファーに似せた物言いをした。
 ジェニファーは苦笑した。
「大人をからかってはいけない。byジェニファー」
 ソリは吹きだした。
「ここに置くから食べてくださいね」
 スイカのお盆をおいたソリの目に小さな鏡台ケースが目に入る。そこにバレリーナの人形が飾ってあった。
 ソリはその人形に見とれた。
「ステキだわ」
 ジェニファーは黙って人形に目をやった。
「そうだ」
 思い出してソリは封筒を差し出した。
「これを」
「受け取れないわ。それはソリさんが働いた報酬です」
「とんでもない。私はプロじゃないし、家政婦の真似だけ…」 
「”労働は大切だ”。”労働は美しい”。」
「じゃ、なくて…」
 ソリは困惑する。
「労働は」
 ジェニファーはさらに続けようとする。
「分かりました。受け取ります」
 ソリは慌てて手を伸ばす。封筒を握って深々と頭を下げる。
「ありがとうございます」
「…」
「用があればいつでも呼んでください。すぐ駆け付けます」
 ジェニファーは背を返したソリを呼んだ。
「はい」
 ソリは笑顔で振り返る。
「今日は表情が明るいですね。まるで月のように美しい」
 ソリははにかみながら笑顔を返した。ぺこっと頭を下げて出ていった。


 ソリが出ていった後、ジェニファーはお盆の上のスイカに腕を伸ばした。スイカに触れかかった時、人形に目をやった。


 洗面で手を洗った後、ソリは繁々と鏡の中の自分に見入った。ジェニファーに”月のように美しい”とほめられたのが凄くうれしく、満ち足りた気分がこみあげてくる。
 今まで自分をそんな風に見たことはなかった。青春の多くを知らないままおばさん姿になってしまった自分と真剣に対座しないできたのだ。
 ソリは鏡の中の自分を見つめ、髪に手をやり、いろんな表情を作って自分の姿に想像をめぐらした。


 髪を少しいじり、自分を着飾ったソリは玄関の外に出てきた。帰りの遅いコン・ウジンが気になったからだった。
 そうして今か、今かとウジンの帰りを待っていると、チャンから声がかかった。
「おばさん!」
 チャンに気づいてソリは手を振った。
 チャンは笑顔でソリのもとに駆け寄った。
「ひょっとして俺を待ってた?」
 ソリは少しはにかみ、通りの向こうに目を走らせた。
「もう〜、ネットなら勝手にやってていいのに…あれ?」
 チャンはソリの姿にあらためて見入った。
「今日はすごく可愛い。どうして?」
 ソリははにかみ、耳の後ろに手をやった。
 まさか、こうして着飾って”ウジンの帰りを待っている”とは言えない。
「写真を撮りましょう」
 何も知らないチャンはソリをせっついてポケットから携帯を取り出した。
「ダメよ、やめて」
 しかし、チャンの行動は始めたら止まらない。
「さあ、レンズを見て。一二の〜」
「ダメだって」
 しかしシャッターは切られた。
「お〜、よく撮れた」
 チャンは画像をソリに見せた。
「良く撮れたでしょ?」
「そうですね〜」
 調子を合わせてソリはまた通りの向こうを気にした。
「ああ、腹ペコだ。ご飯を食べよう」
 チャンは携帯をしまって玄関に向かう。
「そうだ。面白い冷麺の店があって生きたタコが…」
 そう言ってチャンはソリを見た。
 自分の話を聞きながらついて来るとばかり思ってたソリは、無頓着に通りの向こうに目をやっている。
「おばさん、中に入らないの?」 
「はい? ああ〜」
 ソリはちらとまた遠くに目を走らせた。
「入ります」
 ソリはやむなくチャンに続いて家の中に入っていった。
 


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