雨の記号(rain symbol)

プライドママの末路(5)

 聞き書きした書物から滲み出してくるのは、おそらく、歴史性や事実性よりも物語性の方であろう。話は無造作に列挙していくより、一つのストーリーとして書き取った方が整理しやすいからだ。人はただの聞き取り作業ですら自負を持つものである。となれば、本人がいくら客観性に忠実であろうとしても、それを読んでもらおう、聞いてもらおう、といった気構えがどこかにある以上、わかりやすく書こう、話に抑揚を持たせよう、の試みがなされてくるはずである。
 この過程がいくつも繰り返されれば、そこに思いがけないドラマ性やストーリー性が発生してしまうことはやむを得ないところである。
 十六世紀の戦国時代はまさにそういったドラマやストーリーの宝庫となったわけである。
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