面白いのはWikipediaのグルタミン酸ナトリウムの項だ。調査の結果、害の無いことを延々と記述した後、同量の塩分を摂取した方が深刻な被害を引き起こす(従って塩より無害な食品)と結んでいる。あのなぁ、茶さじ2杯の塩がかかった焼きそばを食えるもんなら食ってみろ。害以前に食えんっちゅうねん。
いかん、話を映画に戻そう。もう一つのタクシードライバーを観たのは大学4年の時だった。監督は近年ブルース7部作でお世話になったマーティン=スコセッシ(あ、1作見逃したかも)。NY、というより都会の闇を描いた名作だった。
ベトナム帰還兵の主人公トラビスが選んだ仕事はタクシードライバー。面接で不眠症だから夜でも走れるというとんでもない理由で応募するがあっさり合格。同僚達が嫌がる危ない場所への送迎も嫌がらずこなす。12歳の娼婦アイリスが彼に助けを求めタクシーに飛び込んでくるが、ヒモに丸めこまれ見逃してしまう。そんな大都会の闇を憎みながら働く彼だが、ある日、大統領選挙候補の事務所にいた美人スタッフを強引にデートへ誘う。
誘い出したまではいいのだが、誘った映画がポルノだったため彼女ベッツィーの怒りをかい、見事に振られる。諦めきれずストーカーまがいの行動をとるのだが、事務所から叩き出され、いきなり候補者の暗殺をたくらむ。今DVDを見てこの場面が非常に退屈と感じたのだ。終わりのアイリスを助け出す時の銃撃シーンは流石にスピード感があるが、返って中弛みを感じてしまう。
確かに邪魔な部分が無いわけではないが、前ほどにのめり込めないのはトラビスの行動が現代の凶悪事件とダブることだろう。アイリスを助け出せたのは結果オーライ。一つ間違えばテロリストになっていた。スコセッシはこんな男でもマスコミの扱い次第ではヒーローになるという皮肉な現実を描きたかったのかも知れないが、ここを素直に受け入れられないのだ。
兆候はあった。高校生時代に傾倒した太宰治の作品を読んでも、以前ほどの感動はない。社会人になり、暗さに対する拒否反応が起こるようになってきた気がするのだ。この映画全体に流れる倦怠感や暗さがなにか鼻につくようになったのだと思う。ぼーずの感性が変わり、社会の底辺や弱者に対する共感が無くなって来たとしたら・・・それはちょっと嫌だ。
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