それに付けても、おせち事件には呆れた。味付けも判らない所へ半額に釣られてオーダーするかね?何かあると他人には自己責任を強いるくせに、自分が被害にあえばネットで苦情。ちょっと情けないんじゃないか。まずは売った所に文句を言うのが筋だろうに。また、正義の味方面したレポーターを見ているとTVなんか要らんという思いを益々強くした。
かく言うぼーずのうちもここ十年は購入派だ。年末のせわしい時にシャカリキになっておせちを作る程、婆さんも若くないので手抜きを勧めた。最初は行きつけのフレンチや中華レストランで頼んだが、やはりおせちは和食だろうと最近は某老舗ホテルの日本料理一本やりだ。これに婆さん特製の煮物というスタイルが定着しつつある。まあ母の味はいくつになっても有難いものだ。
ある年、重箱を開けると隅に空きがあるのを見つけた。3cm四方程度だったが他がぎっしりと詰まっているだけに不審に思い、品書きと照らし合わせた。カラスミが入っていないとすぐに気付き、ホテルにメールする。『隅がカラでカラスミの冗談でしょうか?新年早々ちょっとシャレがきついですなぁ』
元旦早々に電話しても担当はいないだろうとメールにしたのだったが、二時間後、玄関のベルが鳴った。出るとホテルの責任者達が『新年早々申し訳ございませんでした。あいにくカラスミは切らしておりますが、替わりのものをお届けしました』と言うではないか。わざわざ来てくれた事でこちらが恐縮してしまった。
入っていたとしても数切れであろうカラスミの替わりは大皿に盛られた揚げものとホテル特製の三笠(どら焼きと言うのかな?)が入った箱だった。どちらもすこぶる美味であったが、それ以上に感心したのはホテルの素早く真摯な対応だった。ブランドを守ろうという彼らの意気に感じ、以来おせちはそのホテル製と決めてきた。
最近、デフレを理由に百均に慣れ過ぎたのだろうか、安ければいいという風潮に乗っていたのを感じた。真っ当なものには真っ当な対価を支払ってしかるべきだと気付かされた出来事だった。
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