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第七部3海洋国家のポテンシャル生かせ! 洋上風力、建設・維持コストが足かせ 産経より

2014-03-26 07:58:49 | (英氏)原発・エネルギー問題

海洋国家のポテンシャル生かせ! 英国は7000基設置を計画 洋上風力、建設・維持コストが足かせ

2014.3.25 22:56 (1/4ページ)
五島列島沖に完成した世界初となる浮体式の風力発電実証機の開所式典で、あいさつする石原伸晃環境相=平成25年10月28日、長崎県五島市

五島列島沖に完成した世界初となる浮体式の風力発電実証機の開所式典で、あいさつする石原伸晃環境相=平成25年10月28日、長崎県五島市

 「低炭素社会の創出に不可欠な再生可能エネルギー導入のカギは、風力発電が握っている。五島の地から浮体式洋上風力発電が全国、世界へ羽ばたくよう期待しています」 

 昨年10月28日、環境相の石原伸晃は、五島列島(長崎県五島市)の椛島(かばしま)沖1キロの洋上で行われた浮体式風力発電実証事業の開所式でこう力を込めた。

 石原の背後には、56メートルの巨大な円柱が海面から突き出し、長さ40メートルのブレード(羽根)3枚が海風に吹かれてゆっくりと回る。

 実はこれは全長176メートルもある巨大な「浮き」で、どんな嵐が来ようとも「起き上がり小法師」のように倒れることはない。下部は3本の鎖で海底に係留されており、2000キロワットの電力が延長2キロの海底ケーブルを伝って地元島民1800世帯分の電力をまかなう計画。環境省は平成23~25年度に計52億円を投じ、26年度予算にも13・7億円を計上した。

 石原は、この世界初となる浮体式実証機に「南風が恵みをもたらす」という願いを込めて「はえんかぜ」(南風の意)と命名した。今後2年をかけて発電効率を調べ、28年度の商用化を目指す。事業を受託した戸田建設(東京)エネルギーユニット課長の佐藤郁はこう意気込んだ。

 「洋上風力発電にとって日本の環境のポテンシャルは高いんです。未知の分野となるが、知恵を絞って問題を解決していきたいと思っています。日本のエンジニアは優秀なんですよ」

 23年3月の福島第1原発事故を受け、「再生可能エネルギー」である風力発電への期待は急速に高まりつつある。15年度に風力発電は741基、総出力68万キロワットだったが、25年12月末には1922基、266万キロワットと4倍に増えた。

 中でも、陸上よりも風が安定し、住民の反対運動も起きにくい洋上風力発電への注目度は高い。

 すでに英国は原発3基分に相当する295万キロワットを、デンマークも92万キロワットを洋上発電でまかなっている。

 英国政府は2007年、国産石炭や北海原油の将来の枯渇を懸念し、2020年までに洋上風力発電7千基(計3200万キロワット)を設置する方針を打ち出した。実に原発30基分、国内消費量の3分の1をまかなう壮大な計画だ。これを受け、北海の石油・天然ガス掘削に携わった英国内の関連企業は次々に洋上風力発電に参入した。

 日本は世界第6位のEEZ(排他的経済水域)を有する海洋国家だけに洋上風力発電は「次世代エネルギーの切り札」ともいえるが、洋上風力発電は現在19基、出力は計13万キロワットにすぎない。

 そこで経済産業省は25日、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度に伴う26年度の洋上風力発電の買い取り価格を、1キロワットあたり22円から36円へ引き上げると発表した。

 環境省は洋上風力発電システムの導入可能量を13億8千万キロワットと推計する。「平均風速6・5メートル以上」などの条件を満たす洋上に、可能な限り風車を並べた数字で現実にはありえないが、日本の総電力消費量を優に超える。ポテンシャルは陸上風力(2億8千万キロワット)の5倍近くに達する。

洋上風力発電の未来は希望に満ちているように見えるが、実は課題が山積している。

 まずコストの問題が大きい。

 経産省資源エネルギー庁の1月の試算では、着床式風力発電の建設コストは、設置が容易な港湾内でも1キロワットあたり45万円、沖合では79万円もかかる。維持・管理にも1キロワットあたり年間1・5万~3万円を要する。陸上風力発電に比べて、建設コストは1・5~2・6倍、維持・管理コストは3・5~3・8倍になるという。

 海底ケーブル敷設や、洋上での建設作業は特殊な技術を要する上、過酷でもある。いくら洋上風力発電の買い取り価格が引き上げられても、建設・維持管理コストを天秤にかけると多くの事業者が躊躇する。

 五島の実証機「はえんかぜ」を例にとると、設備利用率を洋上の目安である30%として計算すると、電力の売却利益は年間1億9千万円。初期投資を回収するには法定耐用年数(17年)を超える34年を要する。

   × × ×

 しかも洋上風力発電が普及する英国と日本では気候、海域環境が決定的に異なる。

 英国が洋上風力発電の設置を進める北海は平均水深が90メートルと浅い上、1年中、強い偏西風が吹き続ける。

 これに比べて日本は海岸線が複雑に入り組み、海の深さもまちまち。海底に土台を突き刺す着床式風力発電機の建設には高度な技術を要し、コストもかさむ。

 このため環境省は浮体式に期待をかけるが、周辺産業は未熟だ。

風車を外洋に設置するには「自己昇降式作業台船」という専用台船が必要となるが、国内には2隻しかなく、大型風車は運べない。保守点検のため作業員を移送し、風車に安全に乗り移らせるメンテナンス船も不足している。

 日本風力発電協会事務局長の花岡隆夫は「鶏が先か、卵が先か…。周辺産業を育成していくには、政府が洋上風力発電の普及方針を打ち出すべきだと思います」と語る。

 さらに周辺大陸棚すべてを王室が所有し、大胆な決断が下せる英国とは大きく条件が異なる。日本近海は漁業権設置海域が張り巡らされており、漁業権をめぐる漁業関係者との調整が不可欠となる。

 特に巻き網漁や底引き網漁が盛んな海域では、建設・維持管理をめぐり、漁協とトラブルになる可能性も指摘されており、洋上風力発電事業に二の足を踏む企業も少なくない。(敬称略)

 以上

もっと、地政学的ものを考えてからやってほしいね。


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2 コメント

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Unknown ()
2014-03-26 15:37:36
はっちょさん。

やっぱり、原発推進を掲げてる実現党じゃなければ

だめかもね。
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やはり? (はっちょ)
2014-03-26 08:39:53
関西電力の海南発電所でトラブル
排煙装置が故障。

150万kw級の新火力発電所計画を発表
これで電気代はうなぎ上りに上昇する。

原発を再稼働させるのをあきらめたのか?
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