ゾウのサクラ

今から10年前、宝塚ファミリーランドの閉園に伴い韓国ソウルの動物園に引っ越したゾウのサクラちゃんには、
幼い頃よく人参をあげるなど、懐かしい思い出が沢山ある。

最近はどうしているかと検索していたら、何と「病気」らしい。
縁あって彼女を取材し、本まで書かれた方に連絡があったそうだ。

どうやらこの10年、飼育係としてお世話してくれていた方が国外へ移り住んでしまった事や、大変仲の良かったオスゾウが死亡したなどが重なり、すっかり元気を無くし、他のゾウ達とも上手くいっていないようだという。

そこで、彼女を故郷のタイへ帰そうという動きが始まり、タイの施設とも連絡をとるなどしているというのだが、…いきなりタイにとは少々唐突すぎないか？

この著者もすぐ現地へ飛び、以前の飼育係に客観的な意見を聴いてはと提案したそうだが、彼同様、私も何か違和感を禁じ得ない。

サクラちゃんは1965年生まれ。
わずか1才足らずで来日し2003年まで日本で過ごした。
しかも今回は信頼出来る者を失ない、繊細なゾウは心を閉ざしてしまっているのではないだろうか？

移動を考える前に、もう少し時間をかけて彼女に寄り添ってやってほしい。

万が一移動させるとしても、慣れないタイではなく、
一番慣れ親しんだ日本語の聴ける場所。
宝塚より温暖で、自然も沢山あり、仲間もいる。
そして、ゾウを飼うノウハウもある勝浦ゾウの楽園のようなところで余生を過ごして欲しい。

そんな風に思うのは、私だけかな？