ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◇ ひとりごと   TVドラマ『First Love 初恋』

TVドラマ『First Love 初恋』を最後まで視聴。

佐藤健も満島ひかりも良いんだけど、満島ひかりと二役で高校生時代の野口也英を演じた女子、これは、満島ひかりと余りにも、違いすぎた。
顔も、体型も、キャラクターも。

佐藤健の高校生役並木晴道役の男子は、すごく良かっただけに残念。
彼は、役柄が完全にはまっていた。
なんという役者さんか、初めて見たような人だけど、良い役者さんになるんだろうなーと思えた。

非常に違和感があったのは、重要な役柄であるはずの向井理が演じた満島ひかりの夫が、医者で地位に固執し、人への思いやりを感じないガチステレオタイプの演出だったこと。
その母親も、まさに嫁の学歴だの育った環境だの、散々イヤミを言う厭な姑。こちらもガチステレタイプ。

最悪なステレオタイプで超不快だったのは、野口也英が東京の大学生になって、交通事故に遭うという重要な局面のきっかけをつくった、男子大学生。
こいつ、馬鹿か! と思うほど軽佻浮薄。
もう、こんな、阿保、いるのか、レベル。

東京の私大の男子学生のこのような阿保レベルな会話や態度をさせる、描写に、脚本家、演出家、監督が、誰か一人ぐらい、疑問を感じなかったのか。
私には、まったく理解ができない。

脚本家、演出家、監督の頭の中には、私大男子はこう!
地位欲のある医者とその母はこう!
という、ガチガチのステレオが、出来上がっているらしい。

挙げ句に満島ひかりの母親(小泉今日子)が、娘に届く初恋の人晴道からの2年間に及ぶ手紙を隠すくだり。
「わたしの選択がまちがっていたのかも」というセリフが終盤、あるけれど、そんなひと言で、一人の人間の人生が、済むかのか、思った。

ドラマというか物語は、紆余曲折のストーリーを、ステレオな考えや描写を排して、人ひとりひとりを、しっかりと描いてこそ、面白いのだと思う。

そういう視点では、『First Love 初恋』は、定形の初恋物に拘ったにしても、失敗作だった思う。

ただ、高校生役の晴道(大人は佐藤健)は、素晴らしかった。
晴道の家族も良かった。
満島ひかりに片想いする職場の同僚だった浜田岳の演技もひときわ良かった。

結論。
人を描くということでは、勉強になったと言えるかも。


<追記>
“寒い季節になったら観たいドラマ”というコピーでいくなら、岩井俊二の『Love Letter』の方が良い作品かも知れない。
こちらも北海道、小樽が舞台ですが。
若き中山美穂も酒井美紀も、柏原崇、トヨエツも、良い演技してたと思う。確か。













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