数年前の相続ですが、80歳ぐらいの奥様が急に亡くなったという件がありました。
残された相続財産は銀行の預金です。
奥様が長年、夫の収入の中から少しずつ預金されたものでした。
夫の収入だったので、夫名義の銀行口座にしておけば問題は無かったのですが、奥様名義の口座にしておいたので厄介でした。
奥様の死亡後、夫が預金の解約のために銀行に行きましたが、相続人の書類を揃えないと解約できないと言われ、私に依頼されたという経緯です。
子供が無い夫婦でしたので、相続人は奥様の甥姪が中心で、全員で18人でした。
残された夫にとっては、大半は全く見知らぬ人でした。
紆余曲折があって、数ヶ月後にやっと終了しましたが、あらためて相続に備えることの大切さを痛感しました。
特に子供が無い人の場合は、早めに備えておくべきです。
平瀬司法書士・行政書士事務所
以前、非常に困難な相続を終了させたことがあります。
相続人が17人、当然ですが配偶者と直系卑属(子や孫)が相続するというパターンではありません。
ブラジルに在住する人が3人、生存していれば100歳超だが10代以後の戸籍の記載が無い人が1人、高齢で意思表示が不可能な人が1人、文書は受け取るが一切反応が無い人が1人という大変なものでした。
当たり前ですが、遺言はありません。
当初の依頼から約2年かかりました。
戸籍収集の段階から、遺産分割協議成立が無理なのは分かっていたので、依頼人との協議の結果、遺産分割調停を申し立てました。
調停も不成立の可能性が高く、当初から審判で終了するだろうと予測していましたが、そのとおり審判で終了しました。
費用がどれぐらいかかるのか?
いつになったら終わるのか?
私の報酬は、いくらになるか?
など、依頼人には想定しにくい事項が沢山あったと思います。
私としても、あまりにも多くの難しいことが有りすぎて、簡単に思い出して記載することが出来ないほどです。
しかし、よく終了させたと思っています。
調停委員も感心していました。
裁判官を筆頭に、書記官や調停委員の助言や協力の御陰です。
ねばり強く、根気よくやれば、終了できない相続は無いと思います。
するだけの価値が無ければ別ですが・・・。
平瀬司法書士・行政書士事務所