2017.11.10
「お父さんの様子がおかしいねん!」
母親の不安げな電話の後、自宅からすぐの実家へ向かった。
エレベーターで7階まで上がり、玄関を開け中に入るとすぐに、母親と
部屋に入った。
そこには非常に呼吸が荒く高熱で顔を歪めたつらそうな父親が寝ていた。
以前から大人用おむつをはいており、急な排泄に備えていた。
その時もいつも通り準備万端で着用していた。
汗をかいていたので着替えさせようと脱がし始める。
匂いがしたので確かめると、やはり準備万端のそれが役に立っていた。
母親が処理をしてすべてを整えた。
それを横目で見つつ、父親の主治医がいる病院へ電話を入れる。
状況を説明し許可を得た後、119へ連絡した。
程なく町のどこかでよく耳にする例のサイレンが鳴った。
またどこかで鳴り響いている。
いわゆる普通に聞こえてくる町の喧騒の一部のような感覚だ。
ただ今度のサイレンは間違いなく、自分達の方に近づいていた。
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