よこいの雑記帳

身の回りで見つけた様々な自然について、思いつくまま。

オオイヌノフグリ

2014年03月17日 06時43分08秒 | 花を探して


オオイヌノフグリ

今の時期、空き地や公園の日当たりのいい場所に、コバルトブルーのきれいな小さな花が大量に咲きます。オオイヌノフグリといいます。オオバコ科クワガタソウ属の植物です。日本中、どこでも見られる植物ですが、ヨーロッパ原産の植物です。日本を含むアジア、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、アフリカには外来種(帰化植物)としてほとんど全世界でみられる植物です。日本で最初に定着が確認されたのは、1887年、東京のことです。1853年がペリーの黒船がやってきた年ですし、長崎ではなく東京で定着が確認されたのですから、黒船以降、直接、江戸(東京)に入ってきた外来種かもしれません。
名前のオオイヌノフグリというのは、「大犬の陰嚢」という意味です。「陰嚢」???タマタマ意味の分からない人は辞書でも引いてください。この実の形が犬の陰嚢に似ているというのです。まあ、そう見えないこともないのですが、ちょっと、かわいそうな名前ですね。この名前を付けたのは、植物学者の牧野富太郎博士です。牧野富太郎博士は、日本の植物の半数以上に名前を付けた有名な植物学者です。このオオイヌノフグリの名前は、日本に昔からあった植物イヌノフグリよりも花が大きいのでオオを付けたといわれています。イヌノフグリは、本州以南にふつうに見られた植物です。実はこれも、大昔に日本にわたってきた帰化植物の可能性があるのですが。オオイヌノフグリよりもちょっと小型で、花の色が薄いピンク色をしています。現在では、イヌノフグリは絶滅危惧種です。オオイヌノフグリがイヌノフグリの生育場所をとってしまったようです。
オオイヌノフグリは、ぜひルーペで観察してください。4枚の花弁は同じ形ではありません。コバルトブルーの模様が面白い形をしています。中央には細いめしべ、そしてよく目立つのは左右に飛び出した2本のおしべ。これは、虫が花の蜜を吸いに来た時に左右から花粉を押し付ける形になっています。