日本政府が来週、福島原発放射能汚染水の海洋放出を決定する。韓国国内の環境団体などでは、「海洋汚染を防ぐために積極的な対応に乗り出すべきだ」という声が高まっているが、肝心の韓国政府はこれといった対策を打ち出せずにいる、との指摘が多い。
日本政府は、今月27日に行われる「廃炉・汚染水対策関係閣僚会議」で、福島第1原発から発生した放射能汚染水を浄化した後に太平洋に放出することを決定する予定だ。
日本政府はこれまで、2022年に放射性汚染水の貯蔵タンク保管場所が不足することなどを理由に、海洋放出を検討してきた。今年4月には、国際原子力機関(IAEA)から汚染水放出計画の安全性の検討も受けている。
原子力学界によると、汚染水放出時に最も懸念されるのは、三重水素(トリチウム)の流出だという。三重水素とは、放射線を放出する放射性同位体のことだ。水の中に混じっている三重水素だけを分離して取り出すことは技術的にも非常に困難だと言われている。
日本は多核種除去設備「ALPS」を利用して汚染水を基準値以下に浄化することは可能だという立場だが、日本メディアの一部などでは、ALPSを使って浄化をしても放射性物質である三重水素は除去しにくく、ほかの放射性物質も残る、と指摘されている。
環境専門家らは、日本が汚染水放出を決定した場合、放射能被害への対策作りは不可能だと言う。主務部処(省庁)である韓国海洋水産部の関係者は「汚染水が放出されれば、国内への流入を防ぐ方法がないと認識している」と言いながらも、「外交部のチャンネルを通じて引き続き要求はしているが、だからと言って日本を無理やり引き止める方法もない」と述べた。
韓国海洋水産部は、日本の汚染水放出に備えて国内の沿岸で放射能の数値をリアルタイムで確認する施設を39カ所まで増やしたとのことだ。また、既に構築されている水産物履歴制により、放射能に汚染された水産物の流入を防ぐという対策も打ち出した。
同部は、2011年の福島原発事故以前と直後の国内沿岸における放射能の数値に大きな差はないという研究結果を発表している。このため、「福島の放射性汚染水放出の影響は思ったより大きくないだろう」という見方も一部にある。
同部のカン・ジョング海洋環境政策課長は「2011年の福島原発事故の前と後を比較すると、意味のある変化は発見できなかった」「黒潮に乗れば米国の沿岸にまず到達するため、米国の研究でも韓国には放射能の影響は大きくないという結果が出た」と語った。その上で、「国際的にも、海洋に放出することは原発運転国の一般的な処理方法であり、海洋放出自体を阻むのは難しいのが現実だ」としている。
韓国政府が日本の汚染水の海洋放出阻止に慎重な姿勢を見せている一方、環境団体は積極的な対応が必要だと訴えている。
環境保護団体グリーンピースは、日本が来週、汚染水放出を決定したら、国際訴訟を準備するよう韓国政府に促す方針だ。グリーンピースは、まず韓国政府が国際海洋裁判所に暫定措置(仮処分)を申請した後、福島放射性汚染水浄化時に残存放射性物質がどれだけあるかを調べ、有害かどうかの立証を優先させるべきだ、という考えだ。また、韓国政府が両国間協議の前に、日本側に先に環境影響評価書の具備を要求すべきだ、と見ている。
グリーンピース関係者は「三重水素のほかにも、ストロンチウム、ヨウ素、セシウムなどALPSを使って取り除くことのできない放射性物質は多いが、これに対する安全性が証明されていない状況での放出は絶対に実行してはならない」「日本政府がその内容を公表するかどうか不透明であるため、韓国政府が直接、関連内容の調査に乗り出さなければならない」と主張した。
この関係者はまた、「福島原発事故直後、約300トンの汚染水を放出したところ、福島一帯の沿岸でセシウムの数値が約150倍に増えた」「汚染水放出後も放射能の数値変化がほとんどなかったという韓国海洋水産部の研究結果についても検証が必要だ」と述べた。
シム・ミングァン記者
日本政府は、今月27日に行われる「廃炉・汚染水対策関係閣僚会議」で、福島第1原発から発生した放射能汚染水を浄化した後に太平洋に放出することを決定する予定だ。
日本政府はこれまで、2022年に放射性汚染水の貯蔵タンク保管場所が不足することなどを理由に、海洋放出を検討してきた。今年4月には、国際原子力機関(IAEA)から汚染水放出計画の安全性の検討も受けている。
原子力学界によると、汚染水放出時に最も懸念されるのは、三重水素(トリチウム)の流出だという。三重水素とは、放射線を放出する放射性同位体のことだ。水の中に混じっている三重水素だけを分離して取り出すことは技術的にも非常に困難だと言われている。
日本は多核種除去設備「ALPS」を利用して汚染水を基準値以下に浄化することは可能だという立場だが、日本メディアの一部などでは、ALPSを使って浄化をしても放射性物質である三重水素は除去しにくく、ほかの放射性物質も残る、と指摘されている。
環境専門家らは、日本が汚染水放出を決定した場合、放射能被害への対策作りは不可能だと言う。主務部処(省庁)である韓国海洋水産部の関係者は「汚染水が放出されれば、国内への流入を防ぐ方法がないと認識している」と言いながらも、「外交部のチャンネルを通じて引き続き要求はしているが、だからと言って日本を無理やり引き止める方法もない」と述べた。
韓国海洋水産部は、日本の汚染水放出に備えて国内の沿岸で放射能の数値をリアルタイムで確認する施設を39カ所まで増やしたとのことだ。また、既に構築されている水産物履歴制により、放射能に汚染された水産物の流入を防ぐという対策も打ち出した。
同部は、2011年の福島原発事故以前と直後の国内沿岸における放射能の数値に大きな差はないという研究結果を発表している。このため、「福島の放射性汚染水放出の影響は思ったより大きくないだろう」という見方も一部にある。
同部のカン・ジョング海洋環境政策課長は「2011年の福島原発事故の前と後を比較すると、意味のある変化は発見できなかった」「黒潮に乗れば米国の沿岸にまず到達するため、米国の研究でも韓国には放射能の影響は大きくないという結果が出た」と語った。その上で、「国際的にも、海洋に放出することは原発運転国の一般的な処理方法であり、海洋放出自体を阻むのは難しいのが現実だ」としている。
韓国政府が日本の汚染水の海洋放出阻止に慎重な姿勢を見せている一方、環境団体は積極的な対応が必要だと訴えている。
環境保護団体グリーンピースは、日本が来週、汚染水放出を決定したら、国際訴訟を準備するよう韓国政府に促す方針だ。グリーンピースは、まず韓国政府が国際海洋裁判所に暫定措置(仮処分)を申請した後、福島放射性汚染水浄化時に残存放射性物質がどれだけあるかを調べ、有害かどうかの立証を優先させるべきだ、という考えだ。また、韓国政府が両国間協議の前に、日本側に先に環境影響評価書の具備を要求すべきだ、と見ている。
グリーンピース関係者は「三重水素のほかにも、ストロンチウム、ヨウ素、セシウムなどALPSを使って取り除くことのできない放射性物質は多いが、これに対する安全性が証明されていない状況での放出は絶対に実行してはならない」「日本政府がその内容を公表するかどうか不透明であるため、韓国政府が直接、関連内容の調査に乗り出さなければならない」と主張した。
この関係者はまた、「福島原発事故直後、約300トンの汚染水を放出したところ、福島一帯の沿岸でセシウムの数値が約150倍に増えた」「汚染水放出後も放射能の数値変化がほとんどなかったという韓国海洋水産部の研究結果についても検証が必要だ」と述べた。
シム・ミングァン記者