時折オリジナルコンテンツをアップしないとコピペサイト認定されて元サイトのように更新停止させられる可能性があるようなので、それなりの大病院での勤務歴十年越えの自分が実際に体験した「病院で本当にあった怖い話」を披露するコーナーを新設。
なお「当然のこと」ですが個人情報保護違反になるような話は書きませんし、今後紹介する幾つかの話は全部最低五年以上は前の話です。
というのも自分、最近は病院の金勘定の仕事だけをしていて、病院内での「怖い話」に遭遇する機会がほぼないため必然的に少し昔の話になってしまうわけですが。
さて、「第一夜」はこんな話。
某外科系診療科の部長がみえました。ここではB医師と呼ぶことにしましょう。
少し性格的にとっつきにくく、治験審査委員会になると延々と持論をまくしたてるので当時治験審査委員会の議事録の書きおこしをやっていた自分としては、B医師がマシンガンのように発言しだすと「・・・またかよ」と少しウンザリしたものですが、B医師の「出身」のことを考えればある意味それは「必然」だったわけで。この先生、元々は大学病院で講義をもっておられた先生だったのです。
それが何故うちの病院に来たかと云えば・・・まるで何処ぞの医療ドラマみたいに大学病院内の権力争いに敗れての都落ちだったそうで。
それでもB医師はうちの病院でごく普通に診療して、ごく普通にその科の部長を務めていたわけですが、ある年の異動でおかしなことが発生したところから一転「怖い話」に。
異動してきた新任のS医師に与えられた役職は「某外科系診療科部長」。B医師と同じ肩書です。
「へっ? 同じ科に部長が二人?」と一瞬訝りましたが、大きい病院だと同じ科の部長が二人いることもないことはないのです。そういう場合、一方に「もう一つ別の役職」を加えて二人の担当が完全に被らないようにしたりして、ぶっちゃけ二人の間に上下関係をつけたりするわけです。
そんなわけでB医師にも新しい役職が付いたのですがこれが何だったかと云えば「治験管理センター長」。これは病院で行われる治験に関する総元締めの役どころです。・・・が当時の治験管理センターは専用の部屋もなく、薬剤部の片隅に資料とともに間借りしている有様で、当時は薬品担当も務めていた関係で薬剤部に頻繁に出入りしていた自分も歴代センター長がそこにいたのを見た記憶が一切ありません。
・・・が、新任のS医師が来てから数か月後。その治験管理センター(という名の薬剤部の片隅)にポツンとただ一人B医師が座っているのをしばしば見かけるようになりました。
専用の椅子と机もありません。元々治験に携わっている職員の事務スペースなのだからそれも当然であり、棚に大量の治験関係の書籍や書類が並んでいますが、B医師はそれに目を通すわけでもなく、ポツンと所在なげににそこに座っているのです。
流石にこれはヤベーだろうと院内の情報を探って分かった「真実」が今回の「怖い話」。
なんとこのB医師、S医師が来るまでは普通に自分が使用していた部長室にいると、その診療科の看護婦長(今の呼び方だと師長) に「先生は治験センター長になったんでしょ? どうしてここにいるんですか?(意訳)」と追い立てられ、最初は抵抗していたもののの遂に婦長の圧力に屈する羽目になったのです(汗)。これが婦長による恐るべき部長医師いじめの開幕でした。
勿論院内に「医局」という医師が使う部屋と専用の椅子があります。ですが、自分の知る限り、部長室を持っている部長医師は大抵普段は医局ではなく、自分の部長室にいます。
B医師も医局に行けば自分の席があるわけですが、今まで部長として部長室を使っていた人間が医局の席に座っていれば好奇の目を向けられることは間違いありません。大学病院で教鞭までとっていたB医師にはそれが耐えられなかったのでしょう。
治験センター(という薬剤部の片隅)にいれば、その姿を見られるのは薬剤師と一部の事務の人間のみであり、恐らく様々な葛藤の末に治験センターにいることを選んだのでしょう。
それ以降の話は正直いたたまれなくなって自分もチラリと聞いただけですが、B医師が診療を行う際にもこの恐るべき婦長の実にこまごました嫌がらせは続いたそうで。
結果、B医師はその年度末で退職する羽目になったのでした。。。唯一の救いは再就職先は地域の名士的扱いを受ける地位であり、自分をいじめる婦長が決して存在しないところだったことでしょうか?
「看護師が部長医師を虐めて病院から追い出す」などというエピソードは病院部外者の方にはなかなか信じてもらえないかもしれませんが、今回の話、実は別段不思議な話ではないのです。要はこの婦長は新任でまだ比較的若いS医師にゴマをするためだけにB医師をいじめ倒しただけの話なのです。
一部のドラマなどで描かれることがありますが、それほど婦長(師長)というのは想像以上にその診療科の実権を握っているものなのです・・・とこんな風に割り切れてしまうところこそが病院業界の「怖い話」なのかも知れません。。。
表題から想像された「怖い話」とは全く違ったかと思いますが、自分が披露できる「病院で本当にあった怖い話」はこの路線だけなので(笑)。面白い・興味深いと思われたら拡散していただければ幸いです。
次回の第二夜は、某変態新聞の記者にまつわる「本当にあった怖い話」を予定。
なお「当然のこと」ですが個人情報保護違反になるような話は書きませんし、今後紹介する幾つかの話は全部最低五年以上は前の話です。
というのも自分、最近は病院の金勘定の仕事だけをしていて、病院内での「怖い話」に遭遇する機会がほぼないため必然的に少し昔の話になってしまうわけですが。
さて、「第一夜」はこんな話。
某外科系診療科の部長がみえました。ここではB医師と呼ぶことにしましょう。
少し性格的にとっつきにくく、治験審査委員会になると延々と持論をまくしたてるので当時治験審査委員会の議事録の書きおこしをやっていた自分としては、B医師がマシンガンのように発言しだすと「・・・またかよ」と少しウンザリしたものですが、B医師の「出身」のことを考えればある意味それは「必然」だったわけで。この先生、元々は大学病院で講義をもっておられた先生だったのです。
それが何故うちの病院に来たかと云えば・・・まるで何処ぞの医療ドラマみたいに大学病院内の権力争いに敗れての都落ちだったそうで。
それでもB医師はうちの病院でごく普通に診療して、ごく普通にその科の部長を務めていたわけですが、ある年の異動でおかしなことが発生したところから一転「怖い話」に。
異動してきた新任のS医師に与えられた役職は「某外科系診療科部長」。B医師と同じ肩書です。
「へっ? 同じ科に部長が二人?」と一瞬訝りましたが、大きい病院だと同じ科の部長が二人いることもないことはないのです。そういう場合、一方に「もう一つ別の役職」を加えて二人の担当が完全に被らないようにしたりして、ぶっちゃけ二人の間に上下関係をつけたりするわけです。
そんなわけでB医師にも新しい役職が付いたのですがこれが何だったかと云えば「治験管理センター長」。これは病院で行われる治験に関する総元締めの役どころです。・・・が当時の治験管理センターは専用の部屋もなく、薬剤部の片隅に資料とともに間借りしている有様で、当時は薬品担当も務めていた関係で薬剤部に頻繁に出入りしていた自分も歴代センター長がそこにいたのを見た記憶が一切ありません。
・・・が、新任のS医師が来てから数か月後。その治験管理センター(という名の薬剤部の片隅)にポツンとただ一人B医師が座っているのをしばしば見かけるようになりました。
専用の椅子と机もありません。元々治験に携わっている職員の事務スペースなのだからそれも当然であり、棚に大量の治験関係の書籍や書類が並んでいますが、B医師はそれに目を通すわけでもなく、ポツンと所在なげににそこに座っているのです。
流石にこれはヤベーだろうと院内の情報を探って分かった「真実」が今回の「怖い話」。
なんとこのB医師、S医師が来るまでは普通に自分が使用していた部長室にいると、その診療科の看護婦長(今の呼び方だと師長) に「先生は治験センター長になったんでしょ? どうしてここにいるんですか?(意訳)」と追い立てられ、最初は抵抗していたもののの遂に婦長の圧力に屈する羽目になったのです(汗)。これが婦長による恐るべき部長医師いじめの開幕でした。
勿論院内に「医局」という医師が使う部屋と専用の椅子があります。ですが、自分の知る限り、部長室を持っている部長医師は大抵普段は医局ではなく、自分の部長室にいます。
B医師も医局に行けば自分の席があるわけですが、今まで部長として部長室を使っていた人間が医局の席に座っていれば好奇の目を向けられることは間違いありません。大学病院で教鞭までとっていたB医師にはそれが耐えられなかったのでしょう。
治験センター(という薬剤部の片隅)にいれば、その姿を見られるのは薬剤師と一部の事務の人間のみであり、恐らく様々な葛藤の末に治験センターにいることを選んだのでしょう。
それ以降の話は正直いたたまれなくなって自分もチラリと聞いただけですが、B医師が診療を行う際にもこの恐るべき婦長の実にこまごました嫌がらせは続いたそうで。
結果、B医師はその年度末で退職する羽目になったのでした。。。唯一の救いは再就職先は地域の名士的扱いを受ける地位であり、自分をいじめる婦長が決して存在しないところだったことでしょうか?
「看護師が部長医師を虐めて病院から追い出す」などというエピソードは病院部外者の方にはなかなか信じてもらえないかもしれませんが、今回の話、実は別段不思議な話ではないのです。要はこの婦長は新任でまだ比較的若いS医師にゴマをするためだけにB医師をいじめ倒しただけの話なのです。
一部のドラマなどで描かれることがありますが、それほど婦長(師長)というのは想像以上にその診療科の実権を握っているものなのです・・・とこんな風に割り切れてしまうところこそが病院業界の「怖い話」なのかも知れません。。。
表題から想像された「怖い話」とは全く違ったかと思いますが、自分が披露できる「病院で本当にあった怖い話」はこの路線だけなので(笑)。面白い・興味深いと思われたら拡散していただければ幸いです。
次回の第二夜は、某変態新聞の記者にまつわる「本当にあった怖い話」を予定。