私が以前在籍しておりました大地を守る会の自然住宅チームでも外壁屋根塗装事業をしておりましたが、その際、私の懸念材料は「大地を守る会のように安心安全な野菜や加工食品、生活用品を取り扱っている会社が外壁屋根塗装事業をすると、外壁屋根塗装も安心安全な素材で対応してもらえるのではないか?と優良誤認されてしまうのではないか?」というものでした。
しかしその懸念を私が伝えた際のチーム長の言葉が奮っていました。いまでも忘れられないことばのひとつです。
「既存住宅の外壁屋根塗装は、大地で行おうが他社で行おうが、人工的な化学物質、塗料を使わざるを得ない。どこがやっても同じことならば大地がすっぱりと介錯してあげましょう」
私は正直驚いてしまいましたが、そのかわり、きちんと人工的な化学物質が使用されていることを説明する、また人工的な化学物質の種類により、耐久性や価格が違うこと、塗り回数などによっても価格差が生じることなどを丁寧に説明する外壁屋根塗装にしましょうというものでした。
もちろん外壁や屋根が劣化してきた場合、塗装、塗り替えせずに、対応する方法もございます。
一般的にはカバー工法と呼ばれる、既存の屋根や外壁の上から新しい屋根や外壁で覆ってしまう(カバーしてしまう)工法です。
しかしこの工法ですと費用が高額になることと施工上できない場合もあります。
また以前にもお伝えさせていただきましたが、外壁屋根塗装を○○万円でできます!とうたった広告をよくみかけます。
見積比較する際は、その材質、耐久性、塗り回数など、同じレベル、同じ土俵で比較しましょう。
例えば、足場費用はどこもそう大差はないことが多いです。足場を自社で保有している会社は若干お安く提供できるかもしれません。
また、材質でいいますとアクリル樹脂系は比較的金額は抑えられます。しかし耐久性は他の材質から比較して短い材料が多いようです。またウレタン系、シリコン系などの種類によりまして金額、耐久性など違ってきますのでキチンと確認しましょう。
また一度塗りなのか、二度塗りなのか、はたまた三度塗りなのか、によりましても価格は異なります。確認しましょう。
数社で見積比較する際は、同じ土俵、同じ材質、同じ塗り回数で比較しましょう。
安いからこの業者に、とお願いしたところ、安かろう悪かろうな材料で耐久性も低く、塗り方も一度塗りだった、などの話もお聞きします。
価格を安く見せるテクニックがあることにも注意が必要です。
ひと・すまい・くらし
新井 伸宏