暖房方法あれこれ

寒くなってきましたね。そろそろ暖房をつけたい季節です。

みなさんはお家でどのようにして暖をとっておりますか？？

暖房の方法にもいろいろあります。

暖房の方法は熱の伝わり方により大きく以下の３つにわけられます。


■対流式：あたたかい空気を室内に循環させて部屋をあたためる仕組み

　〇代表的な暖房器具：エアコン

　※身体に直接温風が当たることでお肌の乾燥や部屋のホコリが舞い上がるなどのデメリットもあります。


■伝導式：あたたかい暖房器具に身体を接触させることで熱が伝わり暖かくなる暖房器具。

　〇代表的な暖房器具：ホットカーペットや電気毛布、床暖房

　※直接肌に触れていないと熱は伝わらない。部屋全体を暖めたい場合は課題あり。※そんなこともないのですけれど、ね。


■輻射式：熱源から赤外線が届く範囲で暖める

　〇代表的な暖房器具：石油ストーブやセラミックヒーターパネル、薪ストーブ



しかし完全に対流のみの暖房、伝導のみの暖房というものはなく、例えば対流式のエアコンで室内を温めた場合、温かい空気が壁や天井にあたることにより、壁や天井が温まりそこから輻射熱が放出されて部屋全体が暖かく感じる。またその温まった壁に身体をくっつければ伝導熱が壁から身体に伝わり温かく感じる、など複合的に絡み合っています。

つまり主に対流という方法で室内を暖める暖房器具がエアコンであり、その温める仕組みは対流だけでなく、全体量的には少ないかもしれませんが輻射や伝導によっても部屋や身体を温めてくれている、とお考え下さい。

・また部屋全体を暖める暖房器具
・局所的に暖める暖房器具
・瞬間的に暖かくなる暖房器具
・あたたかくなるまでに時間がかかる暖房器具
・電気代やガス代、灯油代など暖房器具によるランニングコスト
・はたまた暖房器具を購入するコストや床暖房など導入するために掛かるコストなどの初期費用
など総合的に考える必要があります。


はい、ここからは毎度のことではありますが、ちょっとマニアックなお話しとなります。
私は化学物質や電磁波の影響のない家づくりをしております関係から
『化学物質や電磁波による身体への影響』、『地球環境への影響』を考えた暖房方法などにつきましていろいろと考えた時期があります。

■結論から申せば、
【家全体を安心な素材（断熱材）で高断熱住宅にして、床・壁・天井は蓄熱に適した自然素材でつくる。
　熱源は蓄熱式温水床暖房、放熱型のペレットストーブを推奨する。エアコンは適宜考える】
という結論に達しております。

理由をお伝えします。ひとつひとつの暖房器具のメリット・デメリットをお伝えすることも可能ですが、
大きな視点のみお伝えさせていただきます。
この暖房器具はどうなの？という個別相談も可能ですので別途、お問い合わせください。

〇エアコンは瞬時に暖めることは可能ですが、対流式のため、部屋全体をあたたかくするには時間がかかります。
　帰宅後にエアコンをつけてもなかなか部屋全体が暖かくならない、という経験をされた方は多いと思います。
　しかし最近のエアコンは省エネタイプもあり、人のいるところを狙い撃ちして暖かくしてくれる機種もあります
　ことから適宜利用する場合もあります。しかし温風が直接身体にあたることに不快を感じる方も多いと思います。
　また暖かい空気は天井付近にたまり足元が冷たいという経験もあると思います。
　昔から頭寒足熱と言います。やはり足元を暖めることがよいと私個人的には考えております。

〇電気カーペット、電気式床暖房
　電磁波のことを考えますとおススメしません。
　また暖めることにより、フローリングなどの床材（素材）から化学物質が放出されることも懸念されます。

〇床暖房の中でも温水式の床暖房もありますが、床材を自然素材にしないと化学物質が放出されることが
　懸念されます。また床暖房は温水を流しているときには暖かいですが、消すとすぐに寒くなるというご意見
　もいただくことがあります。そのため在宅中はほとんど床暖房をつけっぱなしという方もおられますが、そ
　の際のガス代、灯油代はとても高額になることが多いようです。

■そこで私がおススメしているのが蓄熱式の温水式の床暖房です。
　蓄熱することで運転時間を少なくすることができ、またタイマー利用で朝の〇時～〇時、昼間は蓄熱した熱と
　太陽熱で過ごし、夕方から夜にかけて〇時～〇時運転する、としますと電磁波の問題も解消され、ガス代、灯油代
　も安くすみます。
　もちろん床材は接着剤などは使用していない無垢材を使用することで人工的な化学物質が放出されることもありま
　せん。
　ガスや灯油という化石燃料を使用している点が難点ではありますが、蓄熱式とすることで使用時間を短くして
　使用する化石燃料も少なくすることが可能です。

〇こたつは局所的な暖房で部屋全体を暖める効果は薄いですね。それと熱源が今はほとんどが電気です。
　電磁波の課題はあります。また局所的な暖房の懸念としましてヒートショック、トイレや浴室が寒い
　場合、暖かいところから急に冷たいところに身体がついていかずに影響を及ぼす恐れが多分にあります。

〇石油ストーブやガスストーブ
　あまり知られておりませんが開放型の石油ストーブやガスストーブから揮発物質が放出されている研究結果もあります。
　帰宅後にすぐに温まりたいなどのときにスイッチ一つで温風がでるタイプや灯油を燃やすストーブは上にやかんや鍋を
　置いたり、餅を焼いたりととても魅力的ですが化学物質という点でおススメしておりません。

〇セラミックヒーターやオイルヒーター
　電磁波という点、電気代という点でおすすめしておりません。

　
しかし、それぞれにメリットがあり、デメリットがあり、またみなさんがいままで生活してきた経験があり、好みがあります。
正解はありません。

ただ、あくまで化学物質や電磁波という視点、加えまして、地球環境への負荷やヒートショックなど身体に影響を及ぼす可能性などを考えて、私は素材を吟味した床材や家全体を高断熱にした上で『蓄熱式温水床暖房』や『ペレットストーブ』をおススメしております。


私のおススメのペレットストーブはさいかい産業のRS-4。国産のペレットストーブです。
このペレットストーブは上にやかんや鍋を置くことができます。
また温風式ではなく輻射式ですので、お部屋全体を暖めてくれます。

頭寒足熱。足元が温かい生活。なによりも化学物質や電磁波の影響のない暖かい空間。

ちなみに冬場に新築のお家のお引き渡しがある場合、床暖房の試験運転をして床の暖かさを実感していただいたり、ペレットストーブの試運転で暖かさを実感していただきながらお引き渡しさせていただいたケースがありますが、通常は厳格な雰囲気のあるお引き渡しの説明や鍵のお引き渡しが床暖房がついていることにより、あまりの気持ちよさに床にごろんと寝そべりながら、和やかな雰囲気でのお引き渡しになったりします（笑）

私の事務所のモデルルームがないことがいまは非常に残念ですが、私の事務所はもちろん人工的な化学物質が極力排除された、電磁波の影響のない健康住宅とする予定ですが、床暖房やペレットストーブも体感していただける空間にしたいと思っております。資金的にまだまだ先になりそうですが（笑）、完成した暁にはぜひ体感してみてください。

ひと・すまい・くらし一級建築士事務所

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