建築士だからわかる〇〇教えます

お家を建てるときはどのくらいの費用が必要なのでしょう?


先日は家づくりの『工程』についてお伝えさせていただきました。

本日は家づくりの『費用』についてお伝えさせていただきたいと思います。
お家を建てるときにどのくらいの費用が必要なのでしょうか?というお話です。

画像は、私が一番初めに建て主様にお渡しする概算資金計画書です。

本来のデータはExcelでつくってありますので、金額を記入していくと自動的に合計金額がわかるようになっています。
こちらでは画像データになっておりますので、みなさんで独自に計算する必要がございますが、凡その金額を把握するにはご活用いただけると思います。

またこの概算資金計画表は、私の設計だけでなく、他の設計事務所さん、工務店さんでの家づくりにも使用できますので、ぜひご活用ください。
もちろん、あくまで概算となりますのでその点はご承知おきくださいね。

●まずは建物本体の価格です
・各工務店、各設計事務所の今までの経験からの坪単価があろうかと思います。
 それをお聞きしてここに坪単価×計画坪数で金額を記入します。
 例えば、坪単価80万円×30坪程度=2400万円という感じですね。
 ※ただし、こちらの坪単価は諸条件があろうかと思います。それらは工務店さんや設計事務所さんに聞いてみてください。
 サッシは断熱サッシではありません、や、総二階の建物の平均です、というような感じですね。

また、道路と段差がある、計画地が傾斜地にあるなど、通常の家づくりよりも費用がプラスアルファかかる土地もあります。それらにつきましては工務店さんや設計事務所さんに直接ご確認ください。

※以前相談を受けた物件では、土地価格がとても安い物件がありましたが、実際に土地を確認させていただきますと、基礎工事に別途費用がかかりそうな物件や擁壁などに費用がかかりそうな物件でした。
一見安い土地の場合には別途費用が発生する可能性がありますので注意が必要です。

●その下にあります設備機器や仕上げに関しましては、上記の経験からの価格よりもグレードの高い素材や設備機器をご要望の場合はその概算を記入しておきます。
そのような設備機器や仕上げがなければ、そのままゼロで構いません。

●設計料ですが、工務店さん設計、ハウスメーカーさん設計、設計事務所の設計で価格が異なります。
国土交通省は設計事務所の設計単価の見直しの通達を出しておりますが、その通達によりますと、規模にもよりますが今までの建設費の10%程度よりも高額になるようです。私は凡そ建設費の10%程度でお請けしておりますが、こちらにつきましても各工務店さんや設計事務所さんに聞いてみましょう。
坪数によりましては最低金額を決めているところもあります。
また実は実際に図面を描く日数や現場監理などの日数、模型や3Dを制作する日数、確認申請だけでなくその他の申請のための打ち合わせや確認作業等を計算しますと金額はとても大きな金額になります。それらを簡便に計算するために、また比較的手の届きやすい金額にするために建設費の10%程度としている設計事務所さんが多いと思います。しかし実際にはなかなか費用面では採算がとれない場合もありますことはご承知おきください。

●その下は消費税ですね。
※話は飛びますが、この表には土地価格が掲載されておりません。土地を購入される場合は別途、土地費用も必要となります。ちなみに土地には消費税はかかりませんので、その点はお伝えさせていただきます。ただし、土地の仲介手数料、通常は土地価格の3%ですが、仲介手数料には消費税はかかりますのでご注意ください。

●その他別途工事
・建替えの場合や既存の建物がある土地を購入した場合、解体費用が必要となります。凡そ、坪数×5万円程度ですが、昨今の値上がり等がありますので、実物がある場合には見積を取られることをおススメします。
木造、鉄骨造、RC造によりましても解体費用はかわります。またフェンスや植栽などがある場合、お庭に大きな石などがある場合も高額になる場合もありますのでご注意ください。

・地盤補強や地盤改良につきましては、計画地が決まっている場合は、その周辺の情報がありますので、事前に調べることは可能です。近くで地盤が弱い判定が多い土地の場合は、地盤改良工事が別途必要となる場合がございます。
また地盤補強の場合は、地中障害物という視点もとても重要です。将来的にその土地を売却する際に、地中障害物となりうる地盤補強は撤去するもしくは撤去費用を差し引いた金額が土地価格となりますので、地盤改良工事の種類にも注意が必要です。私がおススメする地盤改良工事は将来的に売却する際にも地中障害物にならない地盤改良工事です。

・その他、道路から宅内に電気、ガス管、水道管などが取り込んでいない土地の場合は別途、給排水の取り込み工事費用が必要となります。
水道メーターがない、ガスの取り込みがないなどの場合は注意が必要です。

・テレビアンテナなどは最近はケーブルテレビなどを契約されている方も多いですので別途計上しておくとよいでしょう。

・造作家具などにつきましては、設備機器動揺、本体工事に含まれる範囲のものは計上する必要はありませんが、別途、家具工事で計上しておく必要のある家具工事などは計上しておくとよいでしょう。

・その他設備関係はそれぞれの考え方によりますね。セキュリティシステムが必要な場合は〇〇万円程度、空調、床暖房を設置したい場合は〇〇万円、最近は照明器具の金額がメーカー・種類により高額になる場合もありますので、いままでの経験則ですといくらくらいか、工務店さんや設計事務所さんにお聞きしておくとよいと思います。

●防蟻施工につきましては、健康に害のないもの、そしてアメリカカンザイシロアリなどにも配慮した施工をお勧めします。

●諸費用につきましては、全部含めて〇〇万円程度とみておいてもよいでしょう。

そしてそれらを合計した金額が家づくりの総費用となります。

みなさん家づくりの費用は、建設費のみをお考えの方が大半と思います。実は家をつくり、引っ越しするまでには、さまざまな費用が必要となる場合があります。

ざっくりとした費用感(資金計画)をお伝えさせていただきましたが、少々わかりにくいところもあったと思います。
お気に召した工務店さんや設計事務所がございましたら、実際に聞いてみることが一番確実でよろしいかと思います。
また、概算資金計画を立てる際に、事前に「信頼のおける」ライフプランナーさんにご家庭で家づくりにいくらくらいのお金がかけられるか?と相談されることをおススメします。
以前のblogでも書きましたが、「信頼のおける」と敢えて書いてありますように、信頼のおけるライフプランナーさんに相談することが肝要です。

ひと・すまい・くらし
 新井 伸宏


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