夏も盛り、世間も盆休み真っ只中。昼夜問わず、先日ようやく設置された自室のエアコンが無ければ熱中症で死んでいてもおかしくないと言わせんばかりの蒸し暑い日々が続く。もうじき一身上の都合で辞めるが、地獄のようなアルバイトの慌ただしさに満身創痍でいる今、家に帰っても何もする気も起こらず、もう深夜3時かと溜め息吐きながらただぼんやりとSNSのタイムラインを眺める時間。一気にこれを書きあげることは到底不可能だが時間の合間と自分のペースを慮ってあげながら、思い出せるところから少しずつ内容を切り取って綴っていこう。
国道152号と299号を使い、浜松から茅野を経由し埼玉まで行くという話である。何やら壮大なはじまり方をしてしまったように思えなくもないがこれを成功したからといって全く大した功績ではなく自慢にはならないし、やっていることはただのばかな暇人のそれである。ただ、自慢にすらならないからここで吐き出して消化しているようなもんである。
実は下栗の里の展望スポットへ行く道中の山道で、左脚を蜂に刺されていた。刺されて“いた”と表現したのは、実際刺された記憶がないからだ。激痛が走ってもおかしくないが、というか普通は刺された瞬間激痛が走るもんだろ、しかしぼくの脚が鈍感なのか、先を目指して夢中になっていたのかは分からないがどうも気がつかなかった。
痛みに気づいたのは、、痛みというより最初はただの痒みだった。千葉で迎えたその翌早朝か、昼に温泉に入った時には確かに異様な痒みを感じていたが、ただの虫刺されかと思い無視していた。だがいくら搔いても掻いても痒さが消えず、そこは次第に赤く腫れ上がっていった。
そのさらに翌日、無事学校に着けた後から痒みは痛みを伴うようになった。脚を踏む度にジワっと痛む。これは、おかしいのではないか。家に帰ってその痛みも増してゆき、まさに見た目ともども激痛を伴っていた。明らかにヤバい流れ(語彙低下)だったため軽く調べたが蜂刺されの症状のそれであり、親には当然のように病院を勧められた。どこで刺されたか明確な記憶はないものの、下栗のあの小道には確かに自分の周りをしつこくまとわりつく蜂がいた。オマケに小雨であったため黒い傘を携帯して歩いており、振り回して蜂を追払おうとした、恐らくその結果だろう。(笑)
まあ、結局痛みが出て3日ほどで気合いで治したんですが。蜂ごときで死ぬほどやわに育っててはわざわざ酷道走りにいったりしないっての(!?)(???)
では、ようやく本題へ。
7月20日 夕方
茅野市街を抜け、R299に入り東へ。
八ヶ岳が眼前に広がると同時にここからの長く遠い旅路を思うと期待と不安で胸が座喚く。
こちらが今回通行するルートである。
同じ始点と終点でルート検索するとふつうに山梨県経由の方が早く着き、途中で幾つかポイントを入力してもR299は極力通さず下仁田経由を推奨されたりする。それくらい距離にして長く入り組んでいる道であり、当然交通量も極端に少ない。酷道たる風格はバッチリだ。
この国道を3区間に分けるとしたら、1.麦草峠区間 2.十石峠区間 3.志賀坂峠区間 であろう。またそれぞれが見所である。
まずは1の麦草峠を目指す。
長野県の茅野市から佐久市への壮大な八ヶ岳越えである。
この区間は「メルヘン街道」という愛称が付けられており、因みにメルヘンってそういや具体的にどういう意味なの?とぼくを含めてふと疑問に感じる方がいるかと思われるが、調べてみたところ、古くドイツで描かれた空想的、神秘的な内容のおとぎ話、童話のことをいうらしい。英語ではfairy taleだ。動物が話をしたり魔女や魔法使いが現れる要素がこれの特徴だが、この道にもメルヘンを感じる要素があるのだろうか?
先程の快走路とは打って変わっていきなりコーナーが連続する。
写真には写っていないがこのへん─蓼科高原一帯は温泉地帯でもあり店やゴルフ場、ロッジなどが多く見られ、山の中の割にはご高齢の方の運転する車が多く、賑わう避暑地、あるいはリゾート地であると見受けられた。まあ、長野には数知れずこのような環境の良い場所があるのだが。うん、メルヘンだ。
したがって、運転を手こずらせるような1車線や1.5車線の道を敷く訳にはいかず、比較的走りやすい二車線道路として整備されていた。
こちらは途中で目にする乙女滝。
短い遊歩道を下っていき真下から見上げるため、あえて広角で前景の葉っぱを入れて撮った。
みんな言ってることだが、乙女という名前の割には迫力がやや強い。立派な滝である。隣の横谷渓谷の氷柱は写真でしか見たことないが、いずれ自分も撮影に赴きたい。
ただの快走路のような直線も偶に
つづら折りにタイトコーナーを駆け上がり一気に標高をあげる
これは、よく見る看板であるが、現実世界にも関わらず鹿がまるでヒトのように道路を徒歩で通過していくよ、といった注意書きである。横断注意!!と動物自ら喋っているので、これまたメルヘンだ。
途中の開けたカーブから見た景色である。茅野市や富士見町の広がる景色が見える。
何も伝わらないが、こちらは途中の日向木場展望台。
雨が強まったためカメラもスマホも持ち出さなかったが、中央アルプス中心にかなりの絶景を拝めることは保証する。
随分標高が上がってしまった。普通に生活している人達なら体感することのない高さだろう。ぼくも一年ほど前まではこんな高いところに普通に来れるとは思ったこともなかった。元々メルヘンな看板だったのだろうが、錆びが激しいわ。
そういうことで、峠付近のパーキングに到着。
ハイカー達のためにトイレも完備されている。
市町村境が峠かと思いきや
もう少し先に、麦草峠はあった。
標高なんと2127mで、渋峠についで全国2位の標高を誇る国道地点だ。
これで、国道標高ベスト5は全て踏破したことになった。
下りはややタイトなコーナー
佐久側へ下っていく
分岐点にあった、「レストランハウスふるさと」からの景色。佐久平と、関東・信越を隔てる山々の大パノラマを見渡せる。天気が良ければ浅間山に富士山まで。生憎の天気だが、雲海が出ていて最高だった。この方角だと、日の出を見るのにももってこいだろう。夜景も然りだ。これを一度に収めようと広角レンズを用いても画角が足りないのだ。ここの眺めには本当に感動したし是非ともまた来たいし、訪れて欲しい。
佐久平へと下り快走
ボケーッとしたまま無料高速区間を一区間だけ使い佐久市街へワープ
(299使ってないやんとか言わない)
さて、ここからが本番だ。
完全に日が暮れてしまったが、これから十石峠を越え、群馬県へ突入するぞ。
ここを直進していく車の数少ないこと。
では先に、十石峠から群馬県は上野村までの地図である。長野と群馬の県境を越えてからがこの区間の一番の難所であるにも関わらず、上の国道区間は通行止めとなっている頻度が高いらしく、代わりに林道を通行することになった。残念だ。
佐久市街を抜けるとしばらく快走路が続く
&、民家の狭路の繰り返し
古谷ダム横。さすがに誰もいないので飛ばしまくりだ
むむ??先程までの快走路はどこへ、、?
おーーーい、細いぞーーーーーー!!
突然の酷道お出ましである。
本当に国道か?整備の行き届いていない草木が車のサイドを掠める・・。
十石峠へ!
グンマーを確認。
対向車、1台目(笑)
峠の幅員広いところですれ違えて良かった。。お互いかなりゆっくりのスピードですれ違った。もしかしたら「なんでこの時間にここ走ってんの???アンタも酷道走破志望者??」と思われたかもしれない。少なくともぼくはそう思いました。
だが、この時点で既に心細くなっていたぼくの心にとっては束の間の平和だった。
下りへ。一瞬、関東平野の夜景が見えた。ほんとに一瞬。それ以降は見てない。展望台が設けられているが、こんなくらい時間に1人で展望台まで歩いていく勇気などあるはずが無い。夜景を見て「あ、あそこには人がいるんだ〜」と安心するってなかなかないよなこの心情。
問題の区間がコチラ。たまにカーナビも予測が外れて通行不可能箇所が通行できたりするが・・
そんなことは無かった。いつから通行止めなんだ??
コワイけど、コワイけどね??林道を走ります。
さっきの車もここ走って来てたんだし。
ヒェ〜〜ッ
夜の酷道最高やな!!
細く暗く長い道。あとで聞いたがこちらの方が本家国道より走りやすいときいて驚愕。
15分は少なくとも走っただろう・・。
ようやく市道へ合流。ここまでバスが来てるとは!!まあここだけ見ても十分恐怖だしまだ誰も住んでないんですけど!!
はい、ようやく元の国道と合流できました。
街灯をみてホッと一安心。佐久市街から全く見てなかったからなぁ。
比較的走りやすい道
オォ〜〜ーーー対向車、ありがとうございます来てくださって。
上野村のため少しは車もいるらしい。
道の駅 上野 でトイレ休憩。ちびるぜ。
なんて明るく綺麗なおトイレ!!。
一服したので埼玉を目指すぞ。
だ〜れが直進するかよ!右折
僅かに存在する民家の間を抜け次なる峠へ
志賀坂峠のトンネル。
SAITAMAへイン
長い道のり。埼玉県の地味に横に長いことこの上なし。
地図で見る限り異常な峠へようこそ。でもまあ十石峠よりかは走りやすい道だった。いや、慣れか。
二車線道路へ。1月に訪れた尾之内渓谷のすぐ傍だ。
コンビニが見えました
人の生活感ってものを久々に感じた。
信号…長野から見なかったな。(笑)
みんな大好き秩父へ
R140との分岐を右へ
真っ直ぐすすむと熊谷へ行きます
秩父市街は浴衣を着てる人が多かった。祭りがあったんだろう。正丸トンネルで飯能市へ。
眠気と安堵から、午後10時頃から仮眠を取っていた。
11時すぎ。つまらない道をひたすら南東へ。
中央に近づくにつれて片側二車線バイパス区間へ
全国一価格の安い埼玉県でガソリン補給する嬉しさ
入間川を渡ります!
これにてR299終点、入間駅の付近の交差点〜〜〜
おつかれでした!!
長野の中央部、引いては静岡の浜松から合計14時間ほどかけて首都圏に到着。この達成感はデカかった。
近くに山岡家を見つけたので、人生初のチェックイン。店に入った途端襲ってくるあの匂いに圧倒されつつも、あぁ、これがツウたちを中毒にする香りなんだな、と悟った。
今回の道のりはこのクッソ濃い醤油ラーメンのように濃いドライブであった。ちなみにこの記事を書いている現時点で山岡家は4店舗通っている。
その後はR16バイパス(東京環状)で川越→R17でさいたま、そして千葉まで一気に走らせた。次回の記事で、軽くだが房総半島をドライブしたことについて書かせて頂こう。
終わり
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