Senkaku Library 尖閣ライブラリー

尖閣諸島は日本の領土である動かぬ証拠

『三国通覧図説』の塗り絵は、矛盾だらけ

2012-11-16 | 中国側の古文書・地図
康熙年間的中山傳信錄中,往來中國福州與琉球那霸的航海圖根本沒有上色,保釣人士卻說那將釣魚台與中國塗成同色。

中国と琉球の航路図である『中山伝信録』では、色は塗り分けられていない。
この『中山伝信録』をもとに、後に描かれた、『三国通覧図説』では、魚釣島が中国と同じ赤色に塗られていることを根拠に、中国は「尖閣は中国の領土だった」と主張している。
赤色に塗られたのは、『三国通覧図説』からのようだ。






『三国通覧図説』 (1785年)


保釣人士主張日本《三國通覽圖說(1785)》將釣魚台、黃尾山、赤尾山塗成跟中國相同的紅色,所以認定屬於中國。可是臺灣1684年屬於中國,卻用了與中國(紅)不朝鮮相同的黃色,而臺灣轄內的花瓶嶼和彭佳嶼又以中國的紅色標示,中國又跟俄國同樣為紅色。另外舊滿州(色)跟日本同色,北海道(褐色)跟琉球同色。

尖閣諸島と中国が、同じ赤い色に塗り分けられていることから、中国が「釣魚島は中国領土」の根拠として、たびたび出してくる地図。

しかし、よくよく見てほしい。
中国と同じ赤い色に塗られているのは、魚釣島(釣魚台)、黃尾山(現・久場島)、赤尾山(現・大正島)だけではない。
当時、台湾の領土だった花瓶嶼と彭佳嶼も、赤く塗られている。

そして、台湾は1684年に清朝の版図に組み入れられたので、この地図が描かれた1785年は、すでに清朝の版図だったはずだが、なぜか中国と台湾は別の国として、違う色に塗り分けられている。
つまりこの地図の作者の領土意識というのは、その程度だということなのではないだろうか。

台湾と中国を違う国と混同していた。
なのに、台湾の附属の島だけは、中国と同じ色に塗っていた。
相当に「アバウト」な塗り分けだ。

たまたま、尖閣諸島を赤く塗ってくれたために、中国は大喜びして、この地図を何かと引き合いに出す。
台湾の色や、花瓶嶼と彭佳嶼の色に、かなり矛盾があることについては、あまり興味がないようだ。

この地図を描いたのは、林子平(はやししへい)という江戸時代の日本人。
上にある『中山伝信録』の図を見ながら、それを真似て書いたことを、自分で記録に残している。
一応は地理学者だったそうだが、あまり諸外国の領土については意識せず、色分けしたように思える。






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