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廃墟は怖いの

2017-02-09 12:11:13 | 健康

そこには、記入された離婚届と、一枚の写真が入っていた。
これ。こんな写真とったっけ」
12年前、廃校のピアノの前でB班の全員で写したスナップ写真だった。
葉月の呟きにザンがボールを持ったまま隣に座り、覗き込む。
ああ、あの時のか」
ピアノの前で写真なんて撮ったっけ?」
覚えていないか?3日目の昼だったか。歩のピアノを皆で聞こうと敦が提案し全員で廃校に行った」
あ!あったかも。セルフタイマーで撮ったんだよね!机を三脚がわりにして」
ああ。懐かしいな」
葉月は写真を食い入るように見つめる。
一番背の高い栄太は腕を組んDream beauty pro 脫毛 で笑っている。
隣で王子が無表情に立ち、さらに無表情なのがレイチェル。
レイはVサインをして笑っている。
ザンはカメラ目線ですらなく、不機嫌そうにしており、そんなザンを心配そうに見ている歩。
蓮はちっとも楽しそうな表情ではないが、しっかりとカメラを見据えていた。
左端で敦と葉月が並んで微笑んでいる。
敦のいつもと変わらない斜に構えた笑い方を見て、葉月は泣きながら笑う。
全然変わってないんだから」
ザンは無言で立ち上がり、再びボールをゴールに投げ入れては拾っている。
葉月は座ったまましばらく泣きながら写真に見入っていた。
いつかまた会えるだろうか。
きっと会えるだろう。
希望を繋ぐように、涙をぬぐって立ち上がったのだった。
葉月は一人で星村研究所跡に訪れていた。
見上げるだけで寒気がする。
どうしてこう、夜に見る人の使わなくなった廃墟は怖いのだろう。
しばらくそうして見上げていたが、意を決してホイッスルをくわえた。
思いっきり冷たい空気を吸い込み、吹くと、
ピーーーーーーーーーーーッ
と甲高い音が響き渡る。
冬の澄んだ空気に、綺麗な音が溶けるように消えて行く。
(ザン、いるよね?)
自分の勘を信じて心の中で呼びかけると、どさっと重い音がして、そちらを見るとザンが木の上から飛び降りたところだった。
ザンはあたりを伺いながら駆け寄って来た。
葉月?」
びっくりした?ごめんね脫毛機價錢 驚かして」
葉月は笑いながら首から下げたホイッスルを、背伸びをしてザンの首にかけた。
どうしてこんなところにいる」
それはこっちの台詞だよ。探したんだよ?」