住宅の床に、杉板 を使おうと考えるようになったのは、単純に「合板フローリング」がイヤだったから。
独立した頃、「しっかりした構造の木の家を作らなければいけない」と意気込んでいた。
構造がしっかりしているのだから、人が触れる仕上の部分も「しっかりした」材料でなければいけないと思っていた。ビニールクロスや合板フローリングは、ごまかしの材料だ。
しっくい、ヒノキの床板、大谷石などを使った。天井には杉板を張った。
気持いい空気感がその家には出来上った。とてもよかった。でも結構な金額になった(べらぼうな金額ではないが・・)。
自然素材で作る事はとても素晴らしい。素晴らしいのだけど、、「もっともっと手頃な感じで作れないといけないのでは・・」と悩んだ。(今もだけど・・)
当時、杉の足場板を使う人達がずいぶんと現れてきていた。厚さがあり、単価も高くない。「これだ!」そう思った。人が一番触れる部分である床に、しっかりしたものを使う事が、まず第一だと思っていたので、厚さのある無垢の板を使えるなんて最高だ。しかも安い。
でも、しばらく使う機会がなかった。
その間、いろいろ情報を集めていると、「足場板」は、乾燥によって板が反ったり、板の継ぎ目が開いたりする、という事がわかってきた。自然の素材である限り、そうゆう「動き」がある事はいたしかたないし、それが「材料が生きてい証」である。でも「それが欠点」とされ、工業製品の建材が大手をふるう事になった要因の1つだから、「自然素材の家とはそうゆうものだ」と、簡単に割り切れないものが心の中にあった。
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杉の床の暮らし
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熱心な「杉板派」でも「自然素材の家派」でもありません。
自分の「すまい」についての思いを振り返り、まとめつつ・・