家族とは何か?から始まる住まい
最近、マンションリフォームのコンペに参加しました。
その依頼者の考え方がとても興味深いのです。
その方の考えです。
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家族とは・・・
各自の個性を尊重した最も接点の強固な集団
その接点の一つが愛情
家族の成長とは・・・
その個性を限りなく発展させること
家に求めること・・・
個々の活動をさまたげず安らぎのある空間
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共働きの夫婦+小学生の子供2人・・・
各自が一個人として独立し、愛情を持って尊重しあう。
つまり、まず親、子供というのがあるのではなく、個人である、ということなのです。
個々の活動をさまたげず、お互いが尊重しあい、しかし、家族であるからこそいっしょの時間、空間を大切にしたい、しかし、時には、ひとりで安らげる場も欲しい、、、、
おおまかに言うと、そんな事になるでしょうか。
これって、前回までの「頭の良くなる家?」で書いてきたことが、ほぼ当てはまるんです!
現状は、約60m2の3LDK・・・
その方のスケッチがあります。
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南側の居間・食堂と和室を1部屋とし、両側の壁に向って、4人の机をつくる。
あとは、食事用のテーブルを置くだけ。
この空間を最大限大きく作る。
寝るのは、北側の部屋で、究極、夫婦も2段ベットで寝る事もあり得る。
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ざっと、こんな感じです。
それに対し、私が考えた事は・・・
[家族のスペース][寝る部屋][自由なスペース]として再構築することです。
私の提出案はこちらです⇒ L1+1
見た目は、現状と対して変わらないかもしれませんね^^^^
しかし、それに込めた意味が違うんです。
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[家族のスペース]を[リビング]と名づけています。
基本的に、依頼者の考えをほぼ反映しています。それは、私が考えている事とほぼ同じなので、そのままでいいと思うからです。LDKなんていう機能を並べただけのものではなく、そこで行われる全てのことが等価であり、まさにこの家族の空間そのものなのです。生活・・生きていること・・だから[リビング]なんです。
[寝る部屋]は、いつまで続くかわかりませんが、家族全員がいっしょに寝るという時間と空間を共有することも、大切だと思うからです。そして、畳を敷いたのは、他目的利用が可能だからです。
[自由なスペース]は、家族で時間と空間を共有する事を大切にしていても、そこから離れたい時は必ずあるので、そのための場所でもあるのです。近い将来、子供のベッドスペースになるとは思いますが。
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家族とは何か?から始まり、それにふさわしい住まいを考える・・・・
本当にすばらしいことだと思います。
ものから始まる家づくりとは違い、そこには、生き生きとした感覚に満ちているように思います。
最後に・・・・
その方がおっしゃった、考えさせられる事を書きます。
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(子供が大きくなったら、1戸建てをと考えていたが)
バブル崩壊も身に染み、多額の借金をしてたった15年の都合を買う不合理を感じはじめました。思うに、自分の記憶のなかで、4帖半で家族全員寝起きしていた時代が決して貧しいのではない、ということ・・・。
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