私は、築40年のこの家を、正直・・きらいでした。
事情があって、改築改修ができないんです。
さんざん、リノベーションだ、古いものも手を入れれば生き返るだ、言ってるのに、自分ではできないんです。
構造的にも不安、屋根の断熱もない、すきまだらけ、、、
上げ出せばきりがありません。
ものすごくジレンマなんです。
だから、もうあまり、気にしないようにしてました。気にしないというより、意識しないようにしてました。
最近、お客さまがいらっしゃることになり、必要にせまられて、できる範囲でなんとかすることにしました。
玄関は木のドアです。表面をやすり掛けし、塗装をやり直しました。真鍮色のドアノブを磨きました。
廊下の天井の一部に、自分で枠をつくり紙をはって障子をつくり、ぼろかくしに取り付けました。
残しっぱなしにしていた木製の雨戸を戸袋にしまいました。
本もきれいに整理しなおしました。
以前自宅で使っていた木のテーブルを出しました。(ちょっと和風)
古い蛍光灯の照明をとりはずし、白熱ランプを吊るすだけの簡単な照明に換えました。
そんなこんなをして、ボロ家はボロなりに少しはよくなったんです。
玄関の下駄箱には、妻に、ちょっとかっこつけて、トグサの生け花(っていうのかな?)をしつらえてもらいました。
ぶじお客さまを迎え、楽しく過ごしました。
お客さまが帰られて、ホットしたのとともに、なんとなく、この家に愛着の気持が自分の中にあることに気づきました。
あれほど、いやで、なげやりになっていたんですよ。。。不思議ですね。
ちょっと、自分が汗流して手入れをしただけなのに。
ここは仕事場ですから、長い時間を共にしてます。ですから、言ってみれば、自分の一部のような感覚があるんでしょうか。
家も喜んだのかもしれません。でも、本当は、手入れして、少し自分の好きな空間ができて、だから、うれしいのは自分なんです。
恥ずかしながら、リノベーションとかリフォームとかすることの意味を肌で感じました。
つまり、建物も喜ぶし、長持するためにも必要なことなんですが、それよりも、その人が変わるんです。
いろいろ想像して、次は何しようって考えられる、そんな気持に変われるんですね。楽しめるようになるんです。
リノベーション・・・建物や街にとっても大切なことなんですが、人にとっても、必要なことです。
そうなんです。(自分で納得します・・・・)^^
建物が古くても、、だめじゃないんです。リノベーションすることで、、生き返ります。
むしろダメなのは、、、住む人の・・・こころ・気持かもしれません