この部屋・・・バランスを欠いているのかもしれません。
でも、私にとっては
とても調和が取れています。
【バランス】 : 吊り合い 均衡 調和
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”完全なバランスがとれているもの” として シンメトリー(左右対称) があります。
確かに、鏡で反転したように左右まったく同じというものは、非のうちどころなくバランスがとれています。
ただそれは、人間が 意図して 作りだす物だけです。
建築物には多数存在し、美の基準であり権威を表すものでもありました。
自然の中で、シンメトリーは、何かの偶然以外にはないでしょう。
左右対称どころか 水平も垂直もありません。
つまり、人間の作りだした基準で計れるものはほんのわずかで
それ以外の”バランス(=調和)”が当たり前だという事です。
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では、家や部屋についてバランスを考える時
水平・垂直や左右対称、幾何学などを抜きにして バランス を作れるのでしょうか?
できないとは言いませんが、経済的にも時間的にも、かなり難しいです。
材料は水平垂直に作られています。いまさらそれを無視する事はできません。
基準もない、その場でしか判断できない”独自”のものは、表現する事も作る事も難しいです。
自分で作る事しかでません。
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ではバランス(=調和)とは、
基準にのっとり ”整然”としていて”秩序”あるものでないといけないのでしょうか?
また 自然の話しですが・・・
見える自然の景色の中に”秩序”とか”ルール”など存在しません。
火山が爆発したり、地震が起きたり、洪水などで
一瞬にその形は変わってしまいます。
なのに、時が経てば、いつの間にか、そこに”調和”があります。
むき出しになった土は緑に覆われます。
濁った川の水は澄んだ透明になります。
生物達の力関係や、地表の状態は、常に平衡を保つようになっているという事です。
つまり、不規則であっても、大小があっても
どこかの時点で 吊り合う のです。。
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話しを 家/部屋 に戻します。
自然という限度のないものではなく、家とか部屋とか、ごく限られた範囲で
「どこかの時点で 吊り合う」 というのは
『重心』があるという事です。
超極端な説明をすると・・・
様々な大きさ、重さの物が散らばって置いてある板を
ある1点で支えた時に、板は平行を保てるのです。
「バランスがとれてる」状態です。
その「ある1点」が 『重心』 です。
逆に言うと、重心があるからバランスを保てるのです。
その『重心』というのは 「重さ」 だけの話しではなく
「視覚/感覚」にも あります。
「空間の重心」という言い方がありますが、その事です。
ただし、「重さ」のように絶対的な基準があるわけではなく
「感覚」は個人個人の基準によるため、正解がありません。
ある人にとっては バランスがよくても、別の人にはバランス悪い、となります。
たとえば
物がたくさんあってもバランスをとれる人もいるでしょう。
さまざまな色や形があってもバランスをとれる人もいるでしょう。
私は、要素を減らしてバランスを取ります。
減らした結果、無造作(*)に思える物があったりしますが
(*無造作=デザイン的ではない)
機能的な意味、かつ 全体のバランスの中での意味があるならば
問題ないです。
「バランスよくない」と思う人がいるかもしれないけれど
私には全体の中でバランスがとれているのです。
それが
アンバランスのバランス
( アンバランスの中の調和 )
住む人にとってはたぶん、どうというものでもありません。
話しを聞けば 「へぇ~」 と思うくらいの。。
でも、何か・・・ 手をつくとか、安全上の境だったり、心理的なよりどころ になったりするものだろうと思っています。
そうゆう物が、住む人の味方 になると思うのです。
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私は、家も暮しもシンプルにしたいと思っています。
複雑さにバランスをとれるのはセンスが必要です。
そもそも物の基準があるから調整ができる事。
でもそれは、普通の人にはなかなか難しい。
その複雑な状態を「なんとかしたい」と悩み苦しむのであれば、
『減らす』・・ 『単純にする』・・
それが必要です。
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