賃貸のオーナーさんからのご依頼で、ひと部屋、リフォームの設計をしました。
中古で購入されたものなので、賃貸の住戸のプランは、ごくごく普通、というか、賃貸としては「こんなもんでしょ」という感じの部屋です。
既製品のフローリングにビニールクロス仕上げ、そして既成品の建具、そしてアパート用の流し台セット。
賃貸としては、”まったく正しい”のだと思います。
これまでの「賃貸」の大家、不動産屋、建築会社の考えとしては。。
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上の絵は、約9帖のダイニングキッチン(DK)。
右奥に玄関があり、玄関から入ると、約9帖のDKが一望できます。
右の、扉のように見える部分は、オープンになっているんですが、そこが洗面脱衣です。絵では表してありませんが、部屋の右手前にトイレがあります。
このDKは、部屋であり、洗面やトイレに行く通路でもあります。
現状のこの部屋の印象は、「広いけど、より所がなく使いにくい部屋」。
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この部屋に対して依頼主のオーナーさんは・・・
□玄関からまる見えで落ち着かない
→ 玄関と部屋の間にドアをつけたい
□キッチンで使う家具等の置き場所が定まらない。
→ キッチンを壁で仕切りたい
と感じられていて、対処方法を考えられていました。
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まずはご希望の形で案をまとめました。
問題点があり修正案を提示。
それについて一部、ご不安な点があり、再度修正案を提示。
そして最終案が、これ↓
仕切り壁を作りキッチンとダイニングを分けます。
流し台の背面に、食器棚など置ける場所ができました。この壁の左右はオープンなので、キッチンの回りをぐるぐると回れます。
その壁によって、3帖のキッチンと4.5帖のダイニング、そして廊下部分が出来ました。その壁が「より所」となり、「どんなふうに暮らす」かのイメージが湧いてきます。
右奥に、玄関とDKを仕切るドアを付けました。
仕切り壁はキッチン側もダイニング側も、合板張りです。
住む人が、棚を付けたり飾りをしたり、自由に工夫できる壁です。
床には・・・たってのご希望だった杉板を張ります。
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オーナーさんが言われました。
「これこそ 大家が住みたい! です。」と。
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大家さんもその賃貸に住みたいですか?
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賃貸再生を考えています。
これまでの賃貸は、極端な言い方をしますが
「作り手」側の 「こんなもんでしょ」
という考えでできてきました。
でも・・・
住む人にとっては「ウチ」・・・つまり「家」なんです。
もっと賃貸を「家」として考えれば、住む人はうれしくなります。
そして、長く住んでくれます。
退出しても、「こんなところに住みたい」という人がすぐに出てきます。
つまり、空き室状態が少なく、結果として大家さんにもメリットがあります。
賃貸を「家」として考え直す事が必要です。
コロナの結果、在宅がだんだんと「常態」となっていきます。
都心および近辺に住んでいなくてよくなるという事です。
賃貸の在り方も変わっていきます。
魅力のない賃貸は、ますます埋まらなくなります。
今・・・
賃貸を変えていく時です。
いっしょに「これからの賃貸」を考えませんか。
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大家さんもその賃貸に住みたいですか?
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