山村留学の動機はいろいろと思いますが、結果として、子ども自身も「来てよかった」、保護者も「行かせてよかった」、留学センターも「来てもらってよかった」と、三方よしになるのが素敵だと思います。
子どもには、親元から離れて頑張る覚悟
保護者には、自分の子どもを預ける、任せる覚悟
留学センターには、ひとの子どもを預かり、任される覚悟
が、それぞれ必要だと思います。
いずれも、大変なことです。
うちの場合も、数カ月かけて、本当に行きたいのかを確認し、親も腹をくくりました。
本郷山村留学センターは、預かる覚悟のあるところだと思います。
本研究で『孤立型』の“対人関係”パターンを示す児童は、周囲からの働きかけに応じて仲間と活動をともにすることはできるが、
自分から適切な形で仲間に働きかける能力を十分に獲得できていない。
筆者は、実際にこの児童に接して、決して山村留学体験がマイナスになっているとは感じなかったが、
一方で、もっとふさわしい成長の場はなかったかとも考えた。
さまざまな事情が関係する問題ではあるが、その子どもの成長のために最もふさわしい場としてどこを選ぶのか、
子どもの特性を見極めて適切な判断を行うことは、大人に課せられた重要な責任であると考える。
『自立型』の留学生が全て留学2年目あるいは3年目の6年生であったことは、山下他(2007)が、
山村留学の1年目を「ルールを守り、周囲に合わせることができるようになる受動的段階」、
2年目を「リーダーシップをとることができて、自分の個人的な関心も追及できる自立的段階」と位置づけた結果と一致する。
山村留学はそれぞれの留学生の発達段階に応じて、さまざまなレベルで“対人関係”を広げる機会を提供している。
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