本当に久しぶりに投稿します。
先日、共通テストが実施されました。
今日は、センター試験が共通テストになって変わったことについて、
今年高校3年生を教えた現場の教員目線で、数学のことをメインに書いていこうと思います。
ここでアンテナの高い皆さんから、こんな声が聞こえてきそうです。
「え、記述式じゃなくなったんでしょ?なら、変わってないんじゃないの??」
そうです。記述の問題は消えました。
でも、でも、数学はとても大きく変わりました。
じゃあ、何が変わったのか。
実は昨日、Yahooでこんな記事を見つけました。
大学入学共通テスト、思考力は測れたのか?予備校講師が検証
読んでみると、確かにそうです。
でもこれは問題を解いてみた人向けの解説になっているので、
私はもう少し噛み砕いて、問題を解いてない人にも雰囲気が伝わるように書いてみます。
まず、共通テストになって変わったことの1つが、数学ⅠAの解答時間です。
センターでは60分だった時間が70分になりました。
そして問題のページ数が8ページほど増えました。
私も解こうと思って問題を印刷したのですが、まず第一声が
「え?厚くね??」でした。笑
数学で問題文が8ページも多くなるのは相当なプレッシャーがかかります。
分量が増えた原因は何か?なぜ8ページも増えたのか??
それはひとえに、数学の要素が薄まったからです。
矛盾しているように聞こえますよね。
え、量が増えたのに数学が薄くなったの??と。
そうなんです。薄まってしまいました。私はとても悲しい。。。
つまり、こういうことです。
今までのセンター試験は
「y=○○○○で与えられる関数を考える。」
共通テストは
「太郎さんと花子さんが話をしている
太郎 この関数ってさ、○○だよね
花子 つまり、ここをこうしたらこうなるよね
太郎 えっ、ということはもしこうしたらこうなるのかな??
花子 私はちょっと違う、こういう方法で考えてみたよ」
一部、こんな感じの問題が入っているのです。
その結果、何が起きているのか。
今までのセンター数学では
「条件Aが与えられて、そこから解答を導くために、どの式をどう変形してどんな形にすればよいか」
を考える力が問われていたのに、共通テストでは
「条件Aが与えられてるけど、Bって考え方を使うとどうなる?一方でCって考え方を使うとどうなる?」
と、誘導に乗りさえすれば解けてしまう問題が出てきています。
数学の教員としては、、、
「そこが数学の一番面白いところじゃろがーい!!」と発狂したくなります。
さらにさらに、センター数学の解答といえば、答えが2ケタなら、「アイ」みたいな形で、
2ケタともマークする問題が普通でしたよね。
そういう問題も少なくなりました。
特に1つの大問の一番最後の問題が、
「○○という条件の下で考えると、どうなるか。以下の中から選べ。」
とかなってると、
「おおおーい!ちょっとまてーーい!!」と憤慨する気持ちを抑えきれません。
いやいや、数学の快感ってさ、答えが出ることにあるじゃん?
それを選択式にするって・・・
あ、ちょいと余談ですけど、今回の共通テストの平均点、
数学ⅠAが58点、数学ⅡBが60点くらいになりそうな見込みです。昨年並み。
つまり、平均点はセンターと変わってない。
だけど、試験当日の予備校の反応は、そうではありませんでした。
数学、難化!とした予備校が多かった。
これが自己採点を集計していくうちに、上方修正して、例年並みに。
ここからは仮説ですが、もし選択式の問題でまぐれ当たりがたくさんあったとしたら・・・
まぐれ当たりした人がいれば、難しくてもその分、平均点上がるよね・・・
ということで、数えてみました。
数学ⅠAの、選択肢を選ぶ問題の数。なんとその数16問!!(しかも選択問題を除く部分だけで!!)
全くわからなかったとしても、正解できる確率が3分の1から6分の1くらいあるわけです!!
そしてその問題たちに割り振られている配点、34点!!(しかも選択問題を除く部分60点の部分だけで!!)
うーーーーむ。笑
去年、一昨年と、試行テストが行われ、
「共通テストになったら、こういう問題が出るよー!」
という予告のもと、各出版社が予想問題を出してくれており、
我々はその問題集などをもとに対策を練ってきました。
でもね、そういう問題を演習する中で、見えてきたもの。
「これが数学を通して身につけてほしい力なのか??」という疑念。
一緒に高3の数学を教えている先生とよく会話になりました。
「なんだかさ、数学っぽくないよね。これって。」
「これで身につく力ってさ、俺らが描いてるイメージと違うよね。」
「問題を完答した時にさ、なんか拍子抜けする問題が多いよね。」
「こういう問題の対策をしていて、本当に数学の力がつくんだろうか・・・」
共通テストの問題、出ている題材は確かに生活の中から数学的に捉えられる題材です。
時間をかけてじっくり研究したら面白いかもしれません。
数学の授業を3時間とか4時間使って考える価値があるし、自由研究的にしたら力はつく。これは間違いない。
だけどそれを、60分とか70分とかで無理やり誘導をつけて、
「はい、こういう風に考えてねー!」
ってしたら、ただ単に、その誘導に乗れるかどうかの勝負。
数学的に深く考える力は、この試験ではセンター試験よりはるかに測れない。
だって、数学的に捉える所は出題者任せ。
必要とされるのは、情報処理速度。そして問題文の意図を読む力。
ピッチとストライドの関係の問題なんて、単位を考えれば解けちゃうものもあるし、
とりあえず選択式だから、わからなかったらテキトーにマークしてしまえるし。
今後、どう数学を指導していくべきかも含めて、考えさせられる。。。
とにかく、数学好きにとっては、ものすごくそそられない問題です。笑
リンク貼っておくので、よろしければご覧になってください!!
→共通テストの問題(東進のページに飛びます)
先日、共通テストが実施されました。
今日は、センター試験が共通テストになって変わったことについて、
今年高校3年生を教えた現場の教員目線で、数学のことをメインに書いていこうと思います。
ここでアンテナの高い皆さんから、こんな声が聞こえてきそうです。
「え、記述式じゃなくなったんでしょ?なら、変わってないんじゃないの??」
そうです。記述の問題は消えました。
でも、でも、数学はとても大きく変わりました。
じゃあ、何が変わったのか。
実は昨日、Yahooでこんな記事を見つけました。
大学入学共通テスト、思考力は測れたのか?予備校講師が検証
読んでみると、確かにそうです。
でもこれは問題を解いてみた人向けの解説になっているので、
私はもう少し噛み砕いて、問題を解いてない人にも雰囲気が伝わるように書いてみます。
まず、共通テストになって変わったことの1つが、数学ⅠAの解答時間です。
センターでは60分だった時間が70分になりました。
そして問題のページ数が8ページほど増えました。
私も解こうと思って問題を印刷したのですが、まず第一声が
「え?厚くね??」でした。笑
数学で問題文が8ページも多くなるのは相当なプレッシャーがかかります。
分量が増えた原因は何か?なぜ8ページも増えたのか??
それはひとえに、数学の要素が薄まったからです。
矛盾しているように聞こえますよね。
え、量が増えたのに数学が薄くなったの??と。
そうなんです。薄まってしまいました。私はとても悲しい。。。
つまり、こういうことです。
今までのセンター試験は
「y=○○○○で与えられる関数を考える。」
共通テストは
「太郎さんと花子さんが話をしている
太郎 この関数ってさ、○○だよね
花子 つまり、ここをこうしたらこうなるよね
太郎 えっ、ということはもしこうしたらこうなるのかな??
花子 私はちょっと違う、こういう方法で考えてみたよ」
一部、こんな感じの問題が入っているのです。
その結果、何が起きているのか。
今までのセンター数学では
「条件Aが与えられて、そこから解答を導くために、どの式をどう変形してどんな形にすればよいか」
を考える力が問われていたのに、共通テストでは
「条件Aが与えられてるけど、Bって考え方を使うとどうなる?一方でCって考え方を使うとどうなる?」
と、誘導に乗りさえすれば解けてしまう問題が出てきています。
数学の教員としては、、、
「そこが数学の一番面白いところじゃろがーい!!」と発狂したくなります。
さらにさらに、センター数学の解答といえば、答えが2ケタなら、「アイ」みたいな形で、
2ケタともマークする問題が普通でしたよね。
そういう問題も少なくなりました。
特に1つの大問の一番最後の問題が、
「○○という条件の下で考えると、どうなるか。以下の中から選べ。」
とかなってると、
「おおおーい!ちょっとまてーーい!!」と憤慨する気持ちを抑えきれません。
いやいや、数学の快感ってさ、答えが出ることにあるじゃん?
それを選択式にするって・・・
あ、ちょいと余談ですけど、今回の共通テストの平均点、
数学ⅠAが58点、数学ⅡBが60点くらいになりそうな見込みです。昨年並み。
つまり、平均点はセンターと変わってない。
だけど、試験当日の予備校の反応は、そうではありませんでした。
数学、難化!とした予備校が多かった。
これが自己採点を集計していくうちに、上方修正して、例年並みに。
ここからは仮説ですが、もし選択式の問題でまぐれ当たりがたくさんあったとしたら・・・
まぐれ当たりした人がいれば、難しくてもその分、平均点上がるよね・・・
ということで、数えてみました。
数学ⅠAの、選択肢を選ぶ問題の数。なんとその数16問!!(しかも選択問題を除く部分だけで!!)
全くわからなかったとしても、正解できる確率が3分の1から6分の1くらいあるわけです!!
そしてその問題たちに割り振られている配点、34点!!(しかも選択問題を除く部分60点の部分だけで!!)
うーーーーむ。笑
去年、一昨年と、試行テストが行われ、
「共通テストになったら、こういう問題が出るよー!」
という予告のもと、各出版社が予想問題を出してくれており、
我々はその問題集などをもとに対策を練ってきました。
でもね、そういう問題を演習する中で、見えてきたもの。
「これが数学を通して身につけてほしい力なのか??」という疑念。
一緒に高3の数学を教えている先生とよく会話になりました。
「なんだかさ、数学っぽくないよね。これって。」
「これで身につく力ってさ、俺らが描いてるイメージと違うよね。」
「問題を完答した時にさ、なんか拍子抜けする問題が多いよね。」
「こういう問題の対策をしていて、本当に数学の力がつくんだろうか・・・」
共通テストの問題、出ている題材は確かに生活の中から数学的に捉えられる題材です。
時間をかけてじっくり研究したら面白いかもしれません。
数学の授業を3時間とか4時間使って考える価値があるし、自由研究的にしたら力はつく。これは間違いない。
だけどそれを、60分とか70分とかで無理やり誘導をつけて、
「はい、こういう風に考えてねー!」
ってしたら、ただ単に、その誘導に乗れるかどうかの勝負。
数学的に深く考える力は、この試験ではセンター試験よりはるかに測れない。
だって、数学的に捉える所は出題者任せ。
必要とされるのは、情報処理速度。そして問題文の意図を読む力。
ピッチとストライドの関係の問題なんて、単位を考えれば解けちゃうものもあるし、
とりあえず選択式だから、わからなかったらテキトーにマークしてしまえるし。
今後、どう数学を指導していくべきかも含めて、考えさせられる。。。
とにかく、数学好きにとっては、ものすごくそそられない問題です。笑
リンク貼っておくので、よろしければご覧になってください!!
→共通テストの問題(東進のページに飛びます)
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