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感染者が増えている中でありながら、学校を再開したいのはなぜなのか。

2021年08月25日 | すごいな!
だいぶ久しぶりの投稿になってしまいました。

大学院の授業、レポート、プレゼンなどの課題もひと段落して、ようやくじっくりと画面に向かえています。

さて、世間では夏休みが終わろうとしています。

コロナの感染者が増え続ける中ではありますが、学校は再開しそうです。

去年の4月、5月と休校していた時期に比べたら、今の方が圧倒的に感染者数も多いですよね。

それでも学校が再開されるというのは、我々のコロナに対する慣れがあるのでしょうか…?

いや、学校としては、「再開しないと教育活動が滞る」「コロナを恐れていつまでも再開しないわけにはいかない」「だけど、感染者が出るのは怖い…」というのが本音でしょう。

オンライン授業、教員も頭をひねって工夫してチャレンジしましたが、どう頑張っても対面授業と比べて効果が薄いということを、身をもって感じたところです。



私自身、今年は大学院生として、6月の頭までオンライン授業を受講しました。

去年は授業を行う側として、今年は授業を受ける側として、双方向の目線でオンライン授業について語れます。



結論から言うと、大学院のオンライン授業は、楽しいもの、ためになるものもたくさんありました。

でもそれは、高校での学びと大学での学びの質の違いによるものが大きい気がします。



大学院の授業は、自分の経験と照らし合わせながら、興味関心のあることを深く掘り下げる講義がほとんどです。

そしてグループでディスカッションを行い、自分なりの考えを深めていく形を取るものが多いです。

オンライン授業でもトークルームでは少人数のやり取りができ、そこでの話の内容を全体でシェアすることは可能でした。

新しい気づきや、違う視点からの意見、興味関心の広がり。

そういうものと出会うことができ、自らの知見を拡大していくのが大学の授業。

授業の評価もレポート形式、プレゼンテーションの内容など、自らの考えを発表する、独自性や考察の深さ、論拠の明確性など、正誤では語れない内容が求められます。



対して高校の授業では、知識を獲得し、それを自ら使えるツールとして確立すること、技能を身に着ける学習が中心となっているのが現状です。(例えば受験はそのツールをどれだけ適切に使えるかが勝負です。)

そしてそのツールを独学で獲得できる人は少数です。

つまり、誰かしら導いてくれる人が必要となります。

ストーリーテラーとして、教員がわかりやすく語ってくれることで、知識が効率的に頭に入るのです。

さらに授業では、その知識を定着させるための方策や、活用するための具体的方法まで教員が提示してくれます。

もしも自分の捉え方や考え方がズレている場合には、そこに教員や友人からの指摘も入ります。

教員サイドからしても、生徒の理解度を見ながら、想定と違っている場合はその場で必要な説明を追加したり、問いを投げかけたりできます。(この時に黒板がとても便利)

さらに自分がわかった、できた場合には、周囲の友人に教えます。(この教える活動がさらに知識を定着させる)

教員に聞きにくくても、友人になら聞けるって人、多くないですか?

得意な教科は教えてあげる、苦手な教科は得意な友人から教わる。Win-Winな関係。

これが高校で従来行われている対面授業です。



さてさて、ここからはオンライン授業でできること、できないことについて。

ここで問題です。「オンライン授業の一番の欠点は何でしょうか?」

私は、「書くこと、共有すること、に関する不便さ」だと思っています。具体的には…

①黒板を使って共有すること

②ワークシート、プリントなどを紙で共有すること(課題の提出なども含む)

③机間巡視する(教員が生徒1人1人の記述内容や進度を把握する)こと

④友人とノートやプリントを見せ合って、あーだこーだ言い合うこと



これらは従来の対面授業の中で非常に重要だったことですが、オンラインでは難しい。

この①~④「書くこと、共有すること、に関する不便さ」は、大学院の授業ではそれほど問題にならないことですが、高校の授業では顕著な障壁となります。

逆に言えば、今までの授業は①~④の要素が極めて大きかった。

やっぱり、紙や黒板に書くことって、手軽なんですよ。タブレットに書き込むのとは全然違う。

そして隣の人と気軽に話ができるのって、刺激的で脳が活性化するんですよ。黙って画面の説明を聞いているのとは全然違う。

この①~④さえクリアすれば、オンラインでも対面授業とさほど変わらない効果が期待できそうですが、今はまだ難しい。



私が2つの立場を経験して、オンライン授業の質について考えてみると、(Wi-Fiの状況や一人一台端末などのハード面の問題をすべてクリアしていても…という前提です。)

大学院の授業では、対面授業の7割くらい、高校の授業では対面授業の3割くらいのことができれば良いのかな…というのが本音です。悔しいですけどね。

(もしかしたら、独学できるような少数の子どもにとっては、オンライン授業でも知識の習得にさほど大差ないかもしれませんが、大多数はそうではないはずです。)

何が言いたいかというと、高校で今までの授業と同じことをやろうとしても、現在のオンラインでは無理なのです。

これはおそらく、小中学校の先生方も同様ではないでしょうか。

今までと同じ感覚でいたら、①~④のすべてができない。手も足も出ない。



ここで、どう考えるか。



(ア)「だからこそ、対面授業を再開しなければ、思うような教育効果が得られない!」

(イ)「だからこそ、今までの授業の概念を捨てて、オンラインで伸ばせる能力に絞って、その力を高めるオンライン授業をしよう!」



圧倒的に(ア)ですよね。

だから、学校を再開させたいと。

だって、このまま感染者が少なくなるのを待っていたら、今まで同様の教育なんて、ずーっとできないから。

一方で、再開させて、感染者が出たら…

それもそれで、現場はめちゃくちゃバタバタするでしょう。

教育現場もジレンマを抱えています。



また、学習指導要領によって、その学年で学ぶべきことを日本全体で統一している日本のシステム。

全国共通で同じ内容の学びを保障されているのは素晴らしいことですし、この学習指導要領自体も本当によく考えられ、練られている内容なんです。

ですが、コロナ禍においては、その学習指導要領の縛りが強いことが、休校という措置を取りにくくさせています。

「こんなに休んだら、困る!(指導すべき内容が終わらないという意味)」

という考えが、現場の教員にはあるはずです。

良くも悪くも学習指導要領に則っている以上、こういう事態の際には文科省から何らかのお達しがあると、柔軟に動けるはずです。

でも、今はまだ、それがない…

教育現場もジレンマを抱えています。



だからと言って(イ)の考え方だって、なかなかハードです。

まず前提として、前述の学習指導要領からは、だいぶかけ離れた考え方です。笑

「じゃあ、どんな力をどうやって身に着けさせたらいいんだ?」という先生方からの声というか悲鳴みたいなものが聞こえてきそうです。

教育現場もジレンマを抱えています。

私も正直、明確な答えを持ってはいませんが、考え続けています。

また、アイデアだけでも提示できたらと考えています。

全国の先生方と共有したい。

こういうアイデアで、こういうツールで、オンライン授業やったら、こんな力が身につくんじゃないかな!ってアイデアを!!


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