明日は登校日!
4月、一度も登校できていない生徒たちと、今年度初めて会える!ようやく!!
私の担当クラスは、クラス替えないけれど、
クラス替えのあるクラス、そしてその担任の先生は、明日、ドキドキですよね!!
さてさて、昨日、一昨日と、朝ランの話でした。
今日は本流に戻って、ちょっと真面目な話を。
「9月入学、アリ?ナシ?」
私の個人的な見解。
「めちゃめちゃアリ!!」
本来、2021年の4月に大学生になる人たちは、2021年の9月に大学生になる。
という案が良いと思っています。
1.5年分の学年を作るのは教育現場的にも好ましくないので、学年は今のまま。
4月から3月までで1学年のくくりで。これからもずっとそう。
(あくまで個人的見解)
理由は後述するとして、
まず、教育現場の現状を整理しておきましょう。
〇生徒は3月以降、ほとんど登校できていない
これは周知の事実ですね。
〇オンライン学習を始めている学校が多いが、質が高くない
学習効果は現状、通常の授業をやっている時と比べると、1割~2割という実感。
これにはいくつか原因があります。
・教員自身がオンライン授業をやったことがない、どんな学習が効果的かがわかっていない
・生徒もオンライン授業を受けたことがない、スマホの画面は授業視聴には小さすぎる
・教員が生徒の様子を観察するのが難しい
・画面と実物だと、引き付けられ方が全然違う(身振り手振り、声色、表情、雰囲気など)
・画面講義で50分ぶっ続けは、疲れてしまう(だいたい15~20分くらいしか集中が続かないらしい)
などなど。
はっきり言ってしまえば、リモート授業で出せる効果は、対面授業の半分以下です。
だから、「環境を整えてずっとリモート授業にすればよい」は乱暴すぎます。
何もしないより遥かにマシなので、できるだけ効果を高めようと試行錯誤しているが・・・。がというのが現状。
〇5月末から登校できたとしても、通常の授業は再開できない。
密を避けるなら、分散登校、分散授業になります。
分散登校させるなら、時間をずらした時間割が必要になりますが、
普通にやっていて、8:30~16:00です。どうずらせば良いでしょうか。
分散授業にするなら、例えばクラスに入る人数を半分にするとしたら、
教員の授業時間数は2倍に。
今、週に17コマ。倍になったら週に34コマ。これは無理!!
だからといって応援を頼もうにも、年度初めに非常勤講師を1人探すことにすら苦戦している現状。
適任の人材、確保できません。
もちろん、教室の数も2倍必要に・・・。
〇置かれた環境によって、学習に差が出てしまっている、不公平感
これは高校生が一番感じているかも。入試は全国との勝負なので。
・私立と公立での違い
・スマホすら持っていない生徒や、ギガ数制限のある生徒は動画授業が受けられない
・都道府県や地域による登校再開の時期が大きく異なる
以上、現状の整理でした。
じゃあ、制度が今のままだと、どうなりそうか
つまり、今のままだと、6月くらいから学校再開できても、絶対に通常通りとはならず、
「その学年ですべきこと」が、その学年でできない!!
来年の4月に進級するときに、「あ、結局この分野、扱えなかったね」が出てきちゃう。
いいのかなそれで??
例えば、小5でやる予定のものを、小6に持ち越すのは良いとして、
小6でやるものを、中1に持ち越して、中学校の先生が小学校の内容を教えられるのか??
同じく中3でやるものを高1に持ち越して、高校の先生が中学校の内容を・・・
教員やっている人はわかると思いますが、これ、けっこうしんどいこと。
だって、今まで教員人生○○年、一度も教えたことのない単元や概念を教えるんですから!!
ま、それは頑張れってことになったとしても、もう1つ大きな問題が。
中3でやるものを高1に持ち越して、高校受験はどうするの??
範囲をカットするの??じゃあそれは、各自治体で便宜を図ってね。
そしたら高3でやるものも、大学に持ち越して・・・
え、無理じゃん。大学入試どうするの??全国から受験に来るよ!!
バリバリ理系の学部で、数学Ⅲを課さずに試験する??
もしくは、範囲終わってない学生いるけど、今まで通り??
それから、就職を考えている高校生もいます。
こっちはもっと深刻。
求人、あるのかな今年。という状態。
今年の秋、採用を決められる企業なんて、ほんと少数でしょう。
せめて来年の春、企業の体力が少し戻るのを待って、就職をさせてあげたい。
そうしなければ彼らはアルバイトor望まぬ進学。
9月入学にすると、どうなるのか
9月入学にはもちろん、メリットとデメリットがあります。
私の価値観の優先順位の第1は、生徒のためになるかどうか。
その観点で見ると、メリットが多いです。
メリット
〇万一、学校再開が長引いた場合にも対応できる余地が広がる
〇その学年のうちに、カリキュラムを終わらせられる可能性が高まる
〇学校運営や教員、生徒、保護者の心に余裕が生まれる
〇地域間での差、環境による差が薄められる
〇就職したい生徒が就職できる可能性が高まる
〇全体が0.5年分後ろ倒しになることで、認知が0.5年分発達した状態で授業が受けられ、「わからない」が減る
デメリット
〇社会に出るのが0.5年分遅れる
〇学費が0.5年分余計にかかる
〇学校行事などの組み換えが必要
〇法整備など社会的な体制や枠組みの構築が必要
〇変更することへの心理的抵抗
〇変更に伴い、今は気づけていない重大な問題が出てくる可能性もある
大枠で挙げてみましたが、どうでしょう。
グローバル云々は、生徒のメリットかどうか微妙なので、書いていません。
多くの生徒の目線から見ると、メリットが大きい気がするのですが・・・
逆にデメリットは、大人の事情、社会的な問題という側面が強いかもしれませんね。
実際、最も影響を受けるのは、子どもたちです。
「今の制度のまま、4月に進級します!確定!」
と言われたら、子どもたちはどう感じるでしょうか。
「え、社会ってそんなに冷たいの?」
「ちゃんと教育してくれないまま進めと?」
「俺らには就職するなってこと?」
って思う子どもが多いのではないでしょうか。
不信感というか、大切にされていないと感じるというか。
たくさんの子どもが社会に対してそういう感情を持ってしまうこと、
それこそが最も大きな社会的損失です。
私は教育現場しか知りません。無知なことも主張しているかもしれません。
でも、社会的枠組みや、私たちの認知を変えること、出てくるであろう問題への対処など、
対応することは、不可能でしょうか??
もし対応ができるのであれば、してあげたい。
「私たちは社会から大切にされている」と、少しでも感じさせてあげたい。
あくまで一個人の私見でした。
皆さんが考えるきっかけとなったら幸いです。
4月、一度も登校できていない生徒たちと、今年度初めて会える!ようやく!!
私の担当クラスは、クラス替えないけれど、
クラス替えのあるクラス、そしてその担任の先生は、明日、ドキドキですよね!!
さてさて、昨日、一昨日と、朝ランの話でした。
今日は本流に戻って、ちょっと真面目な話を。
「9月入学、アリ?ナシ?」
私の個人的な見解。
「めちゃめちゃアリ!!」
本来、2021年の4月に大学生になる人たちは、2021年の9月に大学生になる。
という案が良いと思っています。
1.5年分の学年を作るのは教育現場的にも好ましくないので、学年は今のまま。
4月から3月までで1学年のくくりで。これからもずっとそう。
(あくまで個人的見解)
理由は後述するとして、
まず、教育現場の現状を整理しておきましょう。
〇生徒は3月以降、ほとんど登校できていない
これは周知の事実ですね。
〇オンライン学習を始めている学校が多いが、質が高くない
学習効果は現状、通常の授業をやっている時と比べると、1割~2割という実感。
これにはいくつか原因があります。
・教員自身がオンライン授業をやったことがない、どんな学習が効果的かがわかっていない
・生徒もオンライン授業を受けたことがない、スマホの画面は授業視聴には小さすぎる
・教員が生徒の様子を観察するのが難しい
・画面と実物だと、引き付けられ方が全然違う(身振り手振り、声色、表情、雰囲気など)
・画面講義で50分ぶっ続けは、疲れてしまう(だいたい15~20分くらいしか集中が続かないらしい)
などなど。
はっきり言ってしまえば、リモート授業で出せる効果は、対面授業の半分以下です。
だから、「環境を整えてずっとリモート授業にすればよい」は乱暴すぎます。
何もしないより遥かにマシなので、できるだけ効果を高めようと試行錯誤しているが・・・。がというのが現状。
〇5月末から登校できたとしても、通常の授業は再開できない。
密を避けるなら、分散登校、分散授業になります。
分散登校させるなら、時間をずらした時間割が必要になりますが、
普通にやっていて、8:30~16:00です。どうずらせば良いでしょうか。
分散授業にするなら、例えばクラスに入る人数を半分にするとしたら、
教員の授業時間数は2倍に。
今、週に17コマ。倍になったら週に34コマ。これは無理!!
だからといって応援を頼もうにも、年度初めに非常勤講師を1人探すことにすら苦戦している現状。
適任の人材、確保できません。
もちろん、教室の数も2倍必要に・・・。
〇置かれた環境によって、学習に差が出てしまっている、不公平感
これは高校生が一番感じているかも。入試は全国との勝負なので。
・私立と公立での違い
・スマホすら持っていない生徒や、ギガ数制限のある生徒は動画授業が受けられない
・都道府県や地域による登校再開の時期が大きく異なる
以上、現状の整理でした。
じゃあ、制度が今のままだと、どうなりそうか
つまり、今のままだと、6月くらいから学校再開できても、絶対に通常通りとはならず、
「その学年ですべきこと」が、その学年でできない!!
来年の4月に進級するときに、「あ、結局この分野、扱えなかったね」が出てきちゃう。
いいのかなそれで??
例えば、小5でやる予定のものを、小6に持ち越すのは良いとして、
小6でやるものを、中1に持ち越して、中学校の先生が小学校の内容を教えられるのか??
同じく中3でやるものを高1に持ち越して、高校の先生が中学校の内容を・・・
教員やっている人はわかると思いますが、これ、けっこうしんどいこと。
だって、今まで教員人生○○年、一度も教えたことのない単元や概念を教えるんですから!!
ま、それは頑張れってことになったとしても、もう1つ大きな問題が。
中3でやるものを高1に持ち越して、高校受験はどうするの??
範囲をカットするの??じゃあそれは、各自治体で便宜を図ってね。
そしたら高3でやるものも、大学に持ち越して・・・
え、無理じゃん。大学入試どうするの??全国から受験に来るよ!!
バリバリ理系の学部で、数学Ⅲを課さずに試験する??
もしくは、範囲終わってない学生いるけど、今まで通り??
それから、就職を考えている高校生もいます。
こっちはもっと深刻。
求人、あるのかな今年。という状態。
今年の秋、採用を決められる企業なんて、ほんと少数でしょう。
せめて来年の春、企業の体力が少し戻るのを待って、就職をさせてあげたい。
そうしなければ彼らはアルバイトor望まぬ進学。
9月入学にすると、どうなるのか
9月入学にはもちろん、メリットとデメリットがあります。
私の価値観の優先順位の第1は、生徒のためになるかどうか。
その観点で見ると、メリットが多いです。
メリット
〇万一、学校再開が長引いた場合にも対応できる余地が広がる
〇その学年のうちに、カリキュラムを終わらせられる可能性が高まる
〇学校運営や教員、生徒、保護者の心に余裕が生まれる
〇地域間での差、環境による差が薄められる
〇就職したい生徒が就職できる可能性が高まる
〇全体が0.5年分後ろ倒しになることで、認知が0.5年分発達した状態で授業が受けられ、「わからない」が減る
デメリット
〇社会に出るのが0.5年分遅れる
〇学費が0.5年分余計にかかる
〇学校行事などの組み換えが必要
〇法整備など社会的な体制や枠組みの構築が必要
〇変更することへの心理的抵抗
〇変更に伴い、今は気づけていない重大な問題が出てくる可能性もある
大枠で挙げてみましたが、どうでしょう。
グローバル云々は、生徒のメリットかどうか微妙なので、書いていません。
多くの生徒の目線から見ると、メリットが大きい気がするのですが・・・
逆にデメリットは、大人の事情、社会的な問題という側面が強いかもしれませんね。
実際、最も影響を受けるのは、子どもたちです。
「今の制度のまま、4月に進級します!確定!」
と言われたら、子どもたちはどう感じるでしょうか。
「え、社会ってそんなに冷たいの?」
「ちゃんと教育してくれないまま進めと?」
「俺らには就職するなってこと?」
って思う子どもが多いのではないでしょうか。
不信感というか、大切にされていないと感じるというか。
たくさんの子どもが社会に対してそういう感情を持ってしまうこと、
それこそが最も大きな社会的損失です。
私は教育現場しか知りません。無知なことも主張しているかもしれません。
でも、社会的枠組みや、私たちの認知を変えること、出てくるであろう問題への対処など、
対応することは、不可能でしょうか??
もし対応ができるのであれば、してあげたい。
「私たちは社会から大切にされている」と、少しでも感じさせてあげたい。
あくまで一個人の私見でした。
皆さんが考えるきっかけとなったら幸いです。
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