
アルツハイマー認知症を発症してから4年間、介護と母との思い出を綴った実話です。
〜星の彼方へ〜介護とアルツハイマー認知症と思い出と
母が死んだ
夜中に眠るように
息を引き取った
夜中の電話はいい知らせではない
分かってはいたけど
「お母さまが心肺停止状態で息をしていないです」
電話の向こうの女性は、申し訳なさそうに話す
意味がわからない
先日、会ったときはまだ、母は確かに生きてい真夜中の暗闇の中を車を飛ばして
母の入っていた「介護付き老人ホーム」に到着すると
救急車のサイレンと警察のサイレンの灯だけが虚しくあたりを照らしていた。
病院でなくなった場合以外、警察が立ち会うらしい
事件性はないので解剖は必要ないのでは?
と警察官にいわれる。
まだ、何が起きたかわからず、何しろ母に会いたかった。
まさか死に目に会えないなんてことがあるなんて
自分では夢にも思っていなかったから
母が暮らしていたドアはいつもよりも重く感じた
そこには静かに横たわっている母がいた
・・・つづく・・・
