星の彼方へ〜アルツハイマー認知症の母のと私の思い出〜実話

アルツハイマー認知症の母の突然の死
母のが生きてきた証を思い出と介護の記憶を刻んでいきます

星の彼方へ Vol.2 〜アルツハイマー認知症の母は静かに旅立っていった。Vol.2

2020-09-24 18:04:10 | 虹の彼方へ(介護小説)

~星の彼方へ~

介護とアルツハイマー認知症と思い出と

 

Vol.2

 

「お母さん」「おかあさん起きて」

思わずそう言ってベッドに駆け寄った。

 

施設で夜中に巡回に来たときに母が息をしていないこと、心臓が止まっていることに施設のかたが気づいたとのことだった。

 

母の顔は青白かったが、目は少し開いていて、口も開いたまま、まるで生きているようだった。

頬にそっと手を当てた。冷たい。

手を握るとまだ死後硬直が起きていないのか、柔らかった。

 

昔はどちらかというとふくよかだった母は、骨と皮だけと言っていいほど痩せ細っていた。

 

今年に入ってあった時、私を見たときに目だけだけど嬉しそうにしてくれていた母。

 

すでに車椅子で介護5だった。

もうすでに軽快に話すことはできなかったけど、それでも生きていて欲しかった。

 

小さい頃私は母が大好きで真面目に「母が死んだら私も死ぬ」と思っていた。

そんな大好きな母が今、目の前でもう息をしていない。

 

「夢ならばいい」何度もそう思った。

昼間まではなんともなかったんですよ。施設の人の声が虚しく響く

 

「死」

どうしても受け入れられず私は何度も、母の頬を撫でる。

「お母さん、お母さん、ねぇ私だよ。会いに来たんだよ。」

介護付き老人ホームはコロナの影響で、好きなときに会いに来れなかった。

 

そんな中での愛する母の死

直視することができなかった。

きっともう一度母の息が吹き帰ってくれることを信じて

私はベッドのそばにたたずんでいた。

 

・・・つづく・・・

 

 



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