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江戸時代に活躍した絵師・伊藤若冲(1716~1800)
生誕300年と言う事もあり各地で若冲展が開かれています。
そこでゆかりのある相国寺「承天閣美術館」へ行ってみました。
若冲が相国寺へ永代供養として奉納した『 動植綵絵30幅 』
(現在は宮内庁三の丸尚蔵館所蔵)と
釈迦、普賢、文殊の『 釈迦三尊図 』それに
宝暦9年(1759)鹿苑寺(金閣寺)大書院に描いた『 障壁画50面 』(重要文化財)全てが展示されてます。
展示してある『 釈迦三尊図 』は本物ですが、『 動植綵絵30幅 』は
本物と見分けがつかないくらいの復元品位のコロタイプ印刷によるレプリカを展示していました。
12月15日(木)より生誕300年記念『伊藤若冲展 後期 』
本邦初公開 『 鸚鵡牡丹図 』他 が始まりました。
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相国寺も秋の特別拝観が行われました。
臨済宗相国寺派の大本山である相国寺は、京都五山第二位に列せられる名刹です。正式名称は萬年山相國承天禅寺。
十四世紀末、室町幕府三代将軍の足利義満により創建されました。
創建当時は室町一条あたりに総門があったといわれ、北は上御霊神社の森、東は寺町通、西は大宮通にわたり、
約百四十四万坪の壮大な敷地に五十あまりの塔頭寺院があったと伝えられています。
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境内の紅葉が綺麗でした。
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外からなの開山堂 庭園の紅葉
中からの様子が期待されます。
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弁天社 古来から御苑内久邇宮邸にその守護神として奉祠されていましたが、
明治十三年(1880)に同宮家が東京にご移転された時に、
相国寺第126世獨園承珠が同宮二品朝彦親王より御寄進をうけられました。
平成十九年(2007)に京都府指定有形文化財となっています。
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相国寺 庫裏「香積院」
まったく知りませんでしたが、金閣寺、銀閣寺も相国寺の塔頭寺院(子院)だそうです。
相国寺は室町幕府三代将軍 足利義満により創建され、金閣寺もほぼ時を同じくして義満により創建されました。
銀閣寺はその後年、同じく室町幕府八代将軍である足利義政により創建されています。
足利歴代将軍が創建した禅宗寺院として、本山である相国寺の塔頭寺院となりました。
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法堂(ハットウ 重要文化財)は、我が国法堂建築の最古のものです。
秋の特別拝観で法堂の重要文化財である 本尊釈迦如来像 鳴き龍、
平成25年に大修復されました方丈、
開山堂などを拝観出来ます。
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この蟠龍図(重要文化財)が法堂の天井に大きく描かれいます。
狩野光信筆 径約9m 龍は仏法を守護する空想上の瑞獣でその長を龍王、龍神などと称し、
八部衆の一つに数えられています。
「鳴き龍」として有名で、手で柏手を打つと音が反響し
龍が泣いている様に響きます。
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裏方丈庭園
相国寺方丈は、襖絵など見どころはありますが、中でも『 法華観音 』に感心しました
遠塵齋(加藤信清1734-1810)によって画かれましたが、
すべて法華経の普門品第二十五、観音経の経文の文字によって画かれています。
(凄いことに線の様に見える全てが経文の文字でできていて、
黒く塗りつぶしてある所も文字を重ね合わせて黒を表現)
撮影禁止の為こちらから。
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承天閣美術館 の庭も綺麗です。
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館名の「承天閣」は、相国寺の詳名である「相国承天禅寺」にちなむものの様です。
なお「承天閣美術館」は法人格を有せず、国宝、重要文化財をはじめとする作品の所蔵者は
相国寺および関連寺院です。
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承天閣美術館 前の庭園
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展示品されている若冲の写実の画法は、19世紀末に誕生した西洋・新印象派の技法を200年も早く実践し、
現代にも通じる、写実でありながらも幻想的な雰囲気の作風は、
新印象派よりももっと後の画風との類似性も指摘されています。
当時の最高品質の画絹や絵具を惜しみなく使用したため、300年たった現在でも保存状態が良く、褪色も少ないです。
驚きの技法 も使われています。
半透明の絹地の特性を生かし、表面だけでなく裏面にも彩色をほどこす『裏彩色』
画面に9mm間隔の正方形方眼を作り描くという技法から成る『升目描き』
輪郭を線で引かずに、墨の濃淡で描くという高度な技法『筋目描き』
(筆を置いては墨をにじませ、その境界が白く残ることで鱗や花びらの形ができあがる。)
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承天閣美術館の中庭
美術館では、国宝5点、重要文化財143点を含む多くの優れた文化財が収蔵されており、様々な展観を行っています。
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承天閣美術館 通路から「十牛の庭」を見ることが出来ます。
この「十の牛」は、禅における「真の自己」をなぞらえています。
中国の廓庵禅師が創案し、室町時代に日本に広まりました。
ある牧人がいなくなった牛を探して旅に出ます。
あきらめかけてもあきらめず、ようやく発見し、また手懐けて・・・ああよかったこれで終わり、ではありません。
この牛(真の自己)が導くたびはさらに壮大で、穏やかでくつろぎに溢れた世界への始まりなのです。
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第二展示室への通路から「十牛の庭」の紅葉も見れます。
相国寺、鹿苑寺、慈照寺の宝物は承天閣美術館に収蔵され、定期的に公開されています。
鹿苑寺書院にあった伊藤若冲による襖絵や、長谷川等伯による竹林猿猴図、
円山応挙の諸作品やその他多くの国宝、重要文化財等と承天閣美術館において出会うことができます。
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入口横の庭
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開山堂の庭です、 少し遅かった様でだいぶもみじが散ってました。
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落ち葉を見ても分かる様にだいぶ散った様です。
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もう少し早い時期に来ればもっと見事な紅葉が見れましたね。
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経蔵
天明の大火によって焼失した宝塔の跡地に万延元年(1860)に建立されました。
高麗版一切経(大般若は元時代の普寧版)が納められています。
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瑞春院 水琴窟の雅趣漂う『雁の寺』
瑞春院は、相国寺の塔頭(たっちゅう:本寺の境内にある子院のこと)です。
本尊 阿弥陀三尊佛(木像雲上来迎佛 藤原時代)
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帰りは京都御苑で休憩して帰りました。
江戸時代二百もの宮家や公家の邸宅が立ち並ぶ町でした。
明治になって都が東京に移り、これら邸宅は取り除かれ、
公園として整備され市民へ開放されています。
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京都御苑 蛤御門から出て駅へ
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京都駅のイルミネーション
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生誕300年と言う事もあり各地で若冲展が開かれています。
そこでゆかりのある相国寺「承天閣美術館」へ行ってみました。
若冲が相国寺へ永代供養として奉納した『 動植綵絵30幅 』
(現在は宮内庁三の丸尚蔵館所蔵)と
釈迦、普賢、文殊の『 釈迦三尊図 』それに
宝暦9年(1759)鹿苑寺(金閣寺)大書院に描いた『 障壁画50面 』(重要文化財)全てが展示されてます。
展示してある『 釈迦三尊図 』は本物ですが、『 動植綵絵30幅 』は
本物と見分けがつかないくらいの復元品位のコロタイプ印刷によるレプリカを展示していました。
12月15日(木)より生誕300年記念『伊藤若冲展 後期 』
本邦初公開 『 鸚鵡牡丹図 』他 が始まりました。
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相国寺も秋の特別拝観が行われました。
臨済宗相国寺派の大本山である相国寺は、京都五山第二位に列せられる名刹です。正式名称は萬年山相國承天禅寺。
十四世紀末、室町幕府三代将軍の足利義満により創建されました。
創建当時は室町一条あたりに総門があったといわれ、北は上御霊神社の森、東は寺町通、西は大宮通にわたり、
約百四十四万坪の壮大な敷地に五十あまりの塔頭寺院があったと伝えられています。
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境内の紅葉が綺麗でした。
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外からなの開山堂 庭園の紅葉
中からの様子が期待されます。
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弁天社 古来から御苑内久邇宮邸にその守護神として奉祠されていましたが、
明治十三年(1880)に同宮家が東京にご移転された時に、
相国寺第126世獨園承珠が同宮二品朝彦親王より御寄進をうけられました。
平成十九年(2007)に京都府指定有形文化財となっています。
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相国寺 庫裏「香積院」
まったく知りませんでしたが、金閣寺、銀閣寺も相国寺の塔頭寺院(子院)だそうです。
相国寺は室町幕府三代将軍 足利義満により創建され、金閣寺もほぼ時を同じくして義満により創建されました。
銀閣寺はその後年、同じく室町幕府八代将軍である足利義政により創建されています。
足利歴代将軍が創建した禅宗寺院として、本山である相国寺の塔頭寺院となりました。
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法堂(ハットウ 重要文化財)は、我が国法堂建築の最古のものです。
秋の特別拝観で法堂の重要文化財である 本尊釈迦如来像 鳴き龍、
平成25年に大修復されました方丈、
開山堂などを拝観出来ます。
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この蟠龍図(重要文化財)が法堂の天井に大きく描かれいます。
狩野光信筆 径約9m 龍は仏法を守護する空想上の瑞獣でその長を龍王、龍神などと称し、
八部衆の一つに数えられています。
「鳴き龍」として有名で、手で柏手を打つと音が反響し
龍が泣いている様に響きます。
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裏方丈庭園
相国寺方丈は、襖絵など見どころはありますが、中でも『 法華観音 』に感心しました
遠塵齋(加藤信清1734-1810)によって画かれましたが、
すべて法華経の普門品第二十五、観音経の経文の文字によって画かれています。
(凄いことに線の様に見える全てが経文の文字でできていて、
黒く塗りつぶしてある所も文字を重ね合わせて黒を表現)
撮影禁止の為こちらから。
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承天閣美術館 の庭も綺麗です。
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館名の「承天閣」は、相国寺の詳名である「相国承天禅寺」にちなむものの様です。
なお「承天閣美術館」は法人格を有せず、国宝、重要文化財をはじめとする作品の所蔵者は
相国寺および関連寺院です。
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承天閣美術館 前の庭園
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展示品されている若冲の写実の画法は、19世紀末に誕生した西洋・新印象派の技法を200年も早く実践し、
現代にも通じる、写実でありながらも幻想的な雰囲気の作風は、
新印象派よりももっと後の画風との類似性も指摘されています。
当時の最高品質の画絹や絵具を惜しみなく使用したため、300年たった現在でも保存状態が良く、褪色も少ないです。
驚きの技法 も使われています。
半透明の絹地の特性を生かし、表面だけでなく裏面にも彩色をほどこす『裏彩色』
画面に9mm間隔の正方形方眼を作り描くという技法から成る『升目描き』
輪郭を線で引かずに、墨の濃淡で描くという高度な技法『筋目描き』
(筆を置いては墨をにじませ、その境界が白く残ることで鱗や花びらの形ができあがる。)
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承天閣美術館の中庭
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承天閣美術館 通路から「十牛の庭」を見ることが出来ます。
この「十の牛」は、禅における「真の自己」をなぞらえています。
中国の廓庵禅師が創案し、室町時代に日本に広まりました。
ある牧人がいなくなった牛を探して旅に出ます。
あきらめかけてもあきらめず、ようやく発見し、また手懐けて・・・ああよかったこれで終わり、ではありません。
この牛(真の自己)が導くたびはさらに壮大で、穏やかでくつろぎに溢れた世界への始まりなのです。
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相国寺、鹿苑寺、慈照寺の宝物は承天閣美術館に収蔵され、定期的に公開されています。
鹿苑寺書院にあった伊藤若冲による襖絵や、長谷川等伯による竹林猿猴図、
円山応挙の諸作品やその他多くの国宝、重要文化財等と承天閣美術館において出会うことができます。
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入口横の庭
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開山堂の庭です、 少し遅かった様でだいぶもみじが散ってました。
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落ち葉を見ても分かる様にだいぶ散った様です。
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もう少し早い時期に来ればもっと見事な紅葉が見れましたね。
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経蔵
天明の大火によって焼失した宝塔の跡地に万延元年(1860)に建立されました。
高麗版一切経(大般若は元時代の普寧版)が納められています。
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瑞春院 水琴窟の雅趣漂う『雁の寺』
瑞春院は、相国寺の塔頭(たっちゅう:本寺の境内にある子院のこと)です。
本尊 阿弥陀三尊佛(木像雲上来迎佛 藤原時代)
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帰りは京都御苑で休憩して帰りました。
江戸時代二百もの宮家や公家の邸宅が立ち並ぶ町でした。
明治になって都が東京に移り、これら邸宅は取り除かれ、
公園として整備され市民へ開放されています。
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京都御苑 蛤御門から出て駅へ
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京都駅のイルミネーション
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