林原家 同族経営への警鐘

2018年01月08日 12時00分00秒 | Weblog
林原家 同族経営への警鐘(林原健 著、日経BP社、2014年)より。

「すべてにおいて蓋を開けてみなければ何も分からなかった。ただそうした経営でも、不動産に裏付けられた資金力があり、またおよそ10年ごとに大きなヒット商品が生まれたことで、管理体制を改めなくても会社は回った。」

日本一の水飴メーカーから始まり、酵素法ぶどう糖、高純度マルトース、プルラン、インターフェロンα、安定化ビタミンC(AA-2G)、トレハロースを次々と商品化するも、2011年に倒産(会社更生法適用)した「林原」の社長の回想録。

土地本位制の考え方はそごうとつながる。日本のある一時代でのみ使え、そしてその時は持て囃された手法だったのだろう。それにしても、粉飾決算まがいのことをなぜしていたのか。莫大な研究開発にを捻出するためだったのか。社長が絶対的な存在だったので、言われるままに資金を出さざるを得なかったのか。そのための手当てが必要だったので、銀行から多額の借入金を得るためだったのか。こういった倒産に至った本質については、本書では全く触れられていない。

それを知るためには、専務だった実弟の靖氏の回想録、いわば「暴露本」も合わせて読まなければならないようだ。こちらはそれに対する「対抗本」の位置付けなのか。

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