作業ってなあに?

作業療法士のこと、作業のことなどについて知ってもらいたいと思い書いてみます

作業が行われる要因

2022-04-01 20:51:00 | 日記
車椅子やベビーカーで無人駅を利用するのはわがままなのか。そんな記事を読みました。
人は自分の好きなことをする自由があると思います。一方で、人は誰かの助けがないと1人では何もできないのも事実です。

作業をするということは、その人が大切にしていること、どんな人に影響を受けたのか、どんな経験をしてきたのか、どんな環境で育ったのか、どんな生活をしたいのか、など色々な要因が複雑に関係し合って行われるのです。

「車椅子でどこかに行く」という作業の名前だけでなく、その作業にどんな意味があって、それはどんな要因が関係している作業なのか。そんなことまで考えられるといいなと思いました。

IT化と作業

2022-03-24 22:30:00 | 日記
活動や参加ができるために身体機能を維持または向上する。私もリハビリ計画書を作る時はそのように書きます。

しかし「作業」とは実際に行わなくても自分が作業をしている、作業に関わっていると思えば「作業」としての意味を持つと最近では認識されるようになってきました。

ベッドで寝ていても離れた場所でコミュニケーションをとったり、喫茶店のウエイトレスとして働いたりすることが出来るようになっています。
IT化やロボット技術が進めばもっと色々なことができるようになるのでしょう。

その時、身体機能と活動、参加の関係はどのように考えればよいのでしょう?作業の意味や自分らしい作業は、今よりもっと複雑なものになっていくのでしょう。

作業療法士はIT化が進んでもなくならない職業だと言われていますが、身体機能ばかりに目を向けているとロボットに代わって仕事がなくなってしまうのかもしれませんね。

ICFと作業

2022-03-15 12:53:00 | 日記
デイサービスのご利用者様で毎回玄関に生花を生けてくれる方がいます。

「どんなテーマして、花は何にしよう?って考えるのが今の生き甲斐なの」と、話してくれました。
テーマについてみんなに説明できるように調べて、紙に書いてきてくれます。
「その辺に咲いている花を、そのまま生けたいの」と、家の周りを歩いて花を探してきてくれます。

以前はお席でウトウトされることが多く、長年やっていた趣味活動もコロナを理由に辞めてしまい家から出ることは少なくなっていました。そして「夜眠れなくてね」「足の痺れが強くて歩けなくなってきたわ」と体調が悪いと言われていました。

「花を生ける」という役割を見つけたことで、外に出るようになり、調べ物をして字を書くようになり、「生き甲斐なの」と思えるようになったのです。

機能、活動、参加がお互いに関係し合っているのだと改めて実感できました。どれかが良くなると他のものも良くなる。

そして「花を生ける」という作業には、その方なりの意味やこだわりがあるのです。

作業をする権利

2022-03-09 13:56:00 | 日記
私たちには作業をする権利があります。なんだか難しいと感じるかもしれませんが、
「自分のやりたいことを、やりたいようにやることは自由なのです。誰にもそれをやめさせることはできない」のです。

年をとったり病気になると人から作業をやめさせられることが多々あるように思います。例えば「1人で外に出ると危ないから出ないように」「ガスを使うと危ないから使ってはいけません」などのように。その代わりに自分の意に沿わないことをやるよう言われます。「外出機会が減っているからデイサービスに行きましょう」「食事は弁当にしましょう」
安全と自由のバランスは難しいと思います。そんな中でもなるべく、その方や家族の方の意向に沿った生活が行なえるよう一緒に考え、工夫をしていくことが私たち作業療法士の役割かなと思っています。

作業と休息

2022-02-27 21:50:00 | 日記
皆さんはどのようにして疲れをとりますか?
  休みの日は出かけず家でゆっくりしよう、仕事で疲れている時は早く寝たほうがいい。そんな風に思うかもしれません。

しかし、疲れていたけど好きなスポーツをしたらリフレッシュできた、休みの日に友達とドライブに行ったら疲れも取れた。そんな経験をした人は多いのではないでしょうか?

自分の好きなことは疲れていてもやりたいし、好きなことをやった後は頑張れるのではないでしょうか?

疲れるから何もしない、出かけないというのは少し違うような気がします。疲れることは悪いことではないと私は思います。疲れてもやりたい作業。疲れを取るためにやりたい作業。作業は休息にもなるし、仕事や運動にもなります。同じ作業でも仕事や運動のためであったり、休息のためであったりします。

自分の休息となるような作業を知っていると上手く疲れをとることが出来るかもしれないですね。一度考えてみてはどうでしょう?