ほぼ麻生久美子とかまくら1

早くまた2人で飲みに行きたい

いや、正確にはデートをしたい

そして一歩進んだ関係になれたら、、、

と既婚ながら考える

向こうには彼氏がいる

俺には妻がいる

ダブル浮気だ

頭ではわかっているつもりだ、悪いことをしているということは

でも止められない気持ちがある

ただ麻生久美子はどんな気持ちだろうか

あれだけ盛り上がってて、向こうは単なる飲み友達の延長でキスしただけという可能性もある

よし、飲みに誘おう

そして、、

麻生久美子の気持ちを聞こう

ただワイン飲み放題に行った次の日に誘ってしまっては、しつこいと思われるかもしれない

俺は早く誘いたい気持ちを押し殺し、1週間我慢した

そして意を決してLINEする

今度の金曜日、飲みに行かない？

と。

ほぼ麻生久美子と恋の駆け引き14

駅に着いて、それぞれ違う方向のホームへ向かった

麻生久美子のホームにちょうど電車が到着したようで、小走りで電車に乗り込む彼女が見えた

ほっとした

嫌われてなかったんだ

そして手を繋いでも嫌がらず、そして、次にまた飲みに行くこともできそうだ

なんだろう、社会人になってもこんなに、学生の時と同じドキドキを味わうことができるなんて、、、

幸せで仕方ない

帰りの電車の中で麻生久美子にLINEをする

今日はとても楽しかった！ありがと！

と。

すぐに麻生久美子から返信がくる

ほんとはもっと飲んでいたかったよ

と。

麻生久美子と恋の駆け引きは、どうやらいい方向で落ち着きそうだ

次回から新章に突入します。

ほぼ麻生久美子と恋の駆け引き13

手のひらに汗はかいていないだろうか、、

手のひらは脂っぽくないだろうか、、

でも俺は麻生久美子の手を握った

しっかりと握った

嫌がらない

それどころか握り返してくれた

酔いなど醒めてしまうくらいの幸せな気持ちだ

ワインを飲むためにお店に向かうまでの道のりと

ワインを飲んだ後にお店から駅に向かうまでの道のりは全然違う

幸福度に大きな違いがある

手を繋ぎ歩く

そして駅が見えるころに、、、

今度また飲みに誘ってもいい？

と聞いてみた

麻生久美子はコクっと頷いた

ほぼ麻生久美子と恋の駆け引き12

ほんのり赤い頬

そしてとろんとしたかわいい目

俺は麻生久美子が好きだ

ラストオーダーのワインを飲み干して、改めてそう思った

本当はこの後二次会的なものに行きたいが、どうやら麻生久美子にはこの後予定があるらしい

残念だ、、、

お会計はすでにしてある

楽しい麻生久美子との時間はもう終わりだ、、、

店を出て駅に向かう

一緒にいれる時間が惜しいため、ゆっくりと歩く

並んで歩いていると少し手があたる

手を繋ぎたいという気持ちと、また繋いだらキスをした時みたいに離れていくのではないかという不安

でもここは勝負所

俺は麻生久美子の手を握ってみた

ほぼ麻生久美子と恋の駆け引き11

周りはワインを嗜む客で盛り上がっている

当然ざわざわとしている

しかしドキドキしている分、周りの雑音などなにも気にならない

そして意を決して聞いてみる

俺:あのさぁ、、、なんで俺を避けるようになっちゃったの？

一瞬の間合い

そしてゆっくりと麻生久美子は口を開く

麻生:だってさ、結婚してるじゃん？だからやっぱり悪いかなと思ってさ、、、

私も彼氏いるし、、、

酔っているとはいえ、本音なんだろう

俺は塩辛い生ハムと共にワインをぐい飲みした

でも嫌いになられた訳じゃないことがわかったし、キスしてしまったことも嫌だった訳じゃない事がわかり、なんだかとてもスッキリした気分になった

モヤモヤが晴れた感じだ

そのあとはかなりのワインをお互い飲み、また普通の会話にもどった

90分制だったが、ギリギリまで飲んだワインはトータル10杯は超えていただろう

麻生久美子の顔も心なしか赤くなっていた