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都政改革本部調査チーム オリンピックアクアティクスセンターの大幅な見直しを提言

2019年10月30日 16時54分13秒 | 東京オリンピック


都政改革本部調査チーム オリンピックアクアティクスセンターの大幅な見直しを提言
 調査チームは、国際水泳連盟や国際オリンピック委員会(IOC)の要求水準から見ると五輪開催時の観客席2万席という整備計画は過剰ではないかとし、大会開催後は減築するにしても、レガシーが十分に検討されているとは言えず、「国際大会ができる大規模な施設が必要」以上の意義が見出しづらいとした。
 「5000席」に減築するしても、水泳競技の大規模な国際大会は、年に1回、開催されるかどうかで、国内大会では、観客数は2700人程度(平均)とされている。(都政改革本部調査チーム)
 また「2万席」から「5000席」に減築する工事費も問題視されている。現状の整備計画では総額683億円の内、74億円が減築費としている。
 施設の維持費の想定は、減築前は7億9100円、減築後は5億9700万円と、減築による削減額はわずか年間2億円程度としている。(都政改革本部調査チーム) 減築費を償却するためにはなんと37年も必要ということになる。批判が起きるのも当然だろう。
 施設維持費の後年度負担は、深刻な問題で、辰巳水泳場だけでも年5億円弱が必要で、新設されるオリンピックアクアティクスセンターの年6億円弱を加えると約11億円程度が毎年必要となる。国際水泳競技場は赤字経営が必至で、巨額の維持費が、毎年税金で補てんされることになるのだろう。
 大会開催後のレガシーについては、「辰巳国際水泳場を引き継ぐ施設」とするだけで検討が十分ではなく、何をレガシーにしたいのか示すことができていない。大会後の利用計画が示されず、まだ検討中であること点も問題した。
 辰巳国際水泳場の観客席を増築する選択肢は「北側に運河があるから」との理由だけで最初から排除されており、検討が十分とは言えないとし、オリンピックアクアティクスセンターは、恒久席で見ると一席あたりの建設費が1000万円近くも上りコストが高すぎると批判を浴びた。
 結論として、代替地も含めてすべての可能性を検証すべきで、オリンピックアクアティクスセンターの現行計画で整備する場合でも、さらなる大幅コスト削減のプランを再考することが必要だと指摘した。
 2016年11月29日、競技会場見直しや開催費削減などを協議する国際オリンピック委員会(IOC)、東京都、大会組織委員会、政府の4者のトップ級会合が東京都内で開かれ、アクアティクスセンターは観客席2万席から1万5000席に縮減して、大会後の「減築」は止めて、683億円から514~529億円程度に削減して建設することで決着した。


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2018年10月1日
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廣谷  徹
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国際メディアサービスシステム研究所
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東京オリンピック ICTイノベーション戦略 史上最もイノベーティブな大会

2019年10月30日 12時49分37秒 | 東京オリンピック



「史上最もイノベーティブな大会」 ICTイノベーション戦略でレガシー創出
 2018年10月17日、幕張メッセで開催されたCEATECで、KEYNOTESセッション、「東京2020大会に向けテクノロジー&イノベーション」が催された。モデレーターは太田弘子氏(政策研究大学院教授)、パネラーは古宮正章氏(東京大会組織委員会副事務総長)、黒田 亮氏(内閣府大臣官房審議官)、栗山浩樹氏(オリパラ等経済界協議会運営員会座長)、テクノロジー&イノベーションの観点から、東京五輪大会のレガシーを議論した。
 政府は、2020東京大会開催に向けて、「2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた科学技術イノベーションの取組に関するタスクフォース」を立ち上げた。
 2020年の東京大会のアクション&レガシープランでは、①全員が自己ベスト、②多様性の調和、③未来への継承の3つの基本コンセプトを掲げ、「史上最もイノベーティブでで世界にポジティブな改革をもたらす大会」にするという目標を打ち出している。
 タスクフォースでは、「Innovation for Everyone」というキャッチフレーズのもとに、「1964年大会は日本を変えた。2020大会は世界を変える」といういささか力の入りすぎた感があるスローガンを掲げている。そして、 競技観戦・観光を「快適」に楽しむ、「環境」の負荷を低減したクリーンな大会の実現、選手・観客・来訪者の「安全」の確保を柱にした9つのプロジェクトを推進するとした。


2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた科学技術イノベーションの取組に関するタスクフォース

 このプロジェクトの責任者の黒田 亮氏は、まず、1964年東京大会のレガシーを①交通インフラ(東海道新幹線、首都高速道路、東京モノレール)、②コンピューターを始めて利用して競技の記録を整理、③衛星放送技術、④国立競技場、代々木体育館などを指摘した。
 そして、2020東京大会のレガシーの基本概念は、“Society 5.0”、すべてのモノがつながるIoT、AI=人工知能、ロボット、多言語自動翻訳、顔認証システム、自動走行車、VR/ARなどの新臨場映像体験、水素エネルギー、イノベーションで様々なニーズをサポートする技術であるとした。
 この9つのプロジェクトは、すべて超高齢化社会に突入する日本の持続的な発展に欠かせないイノベーションで、「世界で最高水準のICT社会の実現」という政府のICT戦略そのものである。2020東京五輪大会があろうがなかろうが、日本の成長戦略にとって必須のICTイノベーション戦略である。ICTやSociety 5.0戦略は、すでに官民あげてオールジャパンで取り組みが進んでいる。しかし、これは2020東京五輪大会の開催とは無関係の日本が取り組まなければならない成長戦力で、大会開催のレガシーとするのは違和感がある。
 一方、古宮正章氏は、日本ならではの細やかな「思いやり」や「おもてなし」の心を養ってレガシーとして残したいとした。
 2020東京大会のレガシーを考えるにあたって、競技場施設や交通インフラ、社会資本、テクノのロジーなどの有形のレガシーはさることながら、「思いやり」や「おもてなし」などの無形のレガシーを育む姿勢には大賛成である。“箱物主義”のレガシーはとは決別することが肝要だろう。
 筆者にとって最大の疑問は、2020東京大会の開催経費、「3兆円」のレガシーはどうなるのかである。新国立競技場、海の森競技場、オリンピックアクアティクスセンターの赤字は、誰が負担するのか。本当に市民のための施設になるのか。
 今回のセッションを聞いていて、2020東京大会の現実の問題と向き合っていないレガシー論議に虚しさを覚えた。
 要は、「3兆円」のレガシーをどうしてくれるのかである。





「東京オリンピック レガシー(未来への遺産) 次世代に何を残すのか


「東京オリンピック ボランティア タダ働き やりがい搾取 動員 ボランティアは「タダ働き」の労働力ではない!

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東京2020競技会場マップ








2018年10月18日
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